灯油はガソリンスタンドで買える。18L容器なら手持ちでOK

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ストーブや石油式給湯器に使う灯油はガソリンスタンドで手に入る。

専用のポリ容器を持って行けば、量をはかって灯油を売ってもらえる。18リットルサイズの灯油缶なら、がんばって手で運べないこともない。

冬場に田舎暮らしを試してみて、まず必要になったのが灯油の調達。購入と補給のプロセスをまとめてみたい。

ガソリンスタンドでの灯油購入方法

田舎の滞在先で中型の青い灯油缶を借りることができた。

容器の側面には「18 第四類第二石油類 灯油用」と書いてある。数字の18というのは容量のリットル数を表しているようだ。

18リットル灯油缶

車はないが、さいわい歩いて数100メートルの距離に地元のガソリンスタンドがある。

そういえばスタンドでガソリン以外の軽油や灯油もあつかっていた気がする。

灯油が買えるガソリンスタンド

セルフ式ではないので店員さんに相談してみたところ、自前のポリタンクを持って行けばそれに直接入れてもらえるとわかった。

専用の容器さえ用意すれば、灯油はガソリンスタンドで購入できる。

田舎は灯油代が2割増し

灯油の金額はガソリンよりも安い。単価75円で18リットル容器に満タンだと税込1,458円になった。

灯油の価格

灯油の料金は全国でどのくらいばらつきがあるのだろう。

その後ネットで調べた最安値は岩手県で、店頭での購入価格は18リットル税込1,068円だった(2016年12月7日現在)。

全国平均は1,198円だったので、今回の購入価格はおよそ2割増しだ。地方のガソリンスタンドは灯油の値段が高い。

山奥までの輸送費や、お客さんが少ないことを考えれば妥当な設定だろう。

わざわざ都会まで数十キロ、車で買い出しに行く苦労を考えれば、近所で買えるのはありがたいことだ。

灯油18リットルは約15kg

ガソリンスタンドのおばちゃんが「家まで軽トラで持ってってやろうか」と親切に言ってくれた。

とはいえたいした距離でもないので、わざわざ車を出してもらうのは忍びない。

試しにタンクを持ってみたら自力でかつげそうだったので、そのまま手で運ぶことにした。

18リットル灯油缶

満タン状態の18リットル灯油缶は重さ15kgくらい。

距離が遠ければ車が必要だが、100メートルくらいなら手で運べる。台車があればもっと楽だ。

ハンドルを両手で持ち替えながら歩けば何とかなる。筋トレにもちょうどいい。

灯油缶の色の違い

今回借りた灯油缶は青い色。地元では赤色だったので、何となく違和感がある。

色の違いを調べてみたところ「西日本は青、東日本は赤」という単純なルールがあることを知った。関西が青色になった理由も、単に容器に塗る顔料として青色が安かったからということらしい。

発電機に給油するためのガソリンは、主に金属製の携行缶(けいこうかん)でないとダメということは知っていた。

プラスチックの灯油缶ではスタンドでガソリンを売ってもらえない。見た目が赤くて平べったい感じのガソリン専用容器が必要だ。

しかし灯油缶の色の違いというのは地方差であり、今では好みの問題に過ぎないとわかった。

特にこだわりがなければ、やはり可燃物をイメージさせる赤色の方が向いていると思う。

通販サイトを見た限り、青色タンクの方が安いということもないようだ。むしろ関東の方が市場が大きく流通量も多いせいか、赤色タンクがリーズナブルだった。

ストーブへの給油方法

部屋に備え付けてあるのはコロナのSL型ストーブ

対流型のレトロな形状で、過去にグッドデザイン賞も受賞している定番商品だ。

コロナのストーブは給油口が低い

このストーブはタンクの給油口が下の位置に付いているため、ポリ容器からそのまま中身を移し替えることができない。

もうひとつあるシャワー用の屋外給湯器はタンクの高い位置に給油口があり、直接中身を注ぐことができた。

コロナのストーブは見た目がいいが、給油しにくいのが難点だ。燃料補給に灯油ポンプは必需品といえる。

醤油チュルチュルでストーブに給油

持ち手が赤い、昔ながらの灯油ポンプ。

これはドクター中松の発明品で「醤油チュルチュル」とも呼ぶらしい。子どもの頃に使っていた気もするが、やり方をすっかり忘れてしまった。

醤油チュルチュルの使い方

とりあえずまっすぐな方の管を灯油缶に差し込んで、蛇腹の方をストーブのタンクに入れてみる。

上の赤い部分をシュポシュポ揉んでみたら、ポリタンクから灯油が吸い上げられてきた。しかしタンクの容量が大きいので、長い時間ポンプを揉んでいると手が疲れる。

調べたところ「醤油チュルチュル」は数回ポンプを揉めば、あとは自動で中身が流れ続けるものだと知った。すごい発明品だ。

試行錯誤した結果、灯油缶を椅子に乗せて高い位置に置けばスムーズに流れることがわかった。サイフォンの原理ということで、水面にかかる気圧の差と、管の中の灯油の重力差を利用するには高低差が必要らしい。

しかしながら灯油が満タンのポリタンクを不安定な椅子に乗せるの少々危ない。

またコロナのストーブは地面近くに給油口があるので、灯油缶を持ち上げすぎると管の長さが足りなくなる。せめて蛇腹部分がもう少し長ければよかったと思う。

電動式ポンプの方が安全

シンプルな「醤油チュルチュル」は数百円で手に入る。

灯油を使わなくても家に一本備えておけば、ちょっとした水の移し替えに使えるかもしれない。洪水で浸水したり、停電で断水したりしたときも役に立つ可能性がある。

さらに自動停止機能がついた電動式や、LEDライトがついた高機能ポンプも販売されている。

乾電池式なら配線も必要ない。灯油缶に固定できるタイプもある。

「醤油チュルチュル」の仕組みはすごいが、容器を毎回椅子に乗せるのが面倒だ。うっかり倒して中身をこぼしてしまうおそれもある。

電動式の最大のメリットは、重くて不安定な容器を持ち上げなくても、モーターの力で中身を吸い出してくれる点だ。

うっかり家の中で灯油をぶちまけてしまうリスクが減る。

家に何台もストーブがあって毎日給油するなら、電動・固定式の方が安全で効率良いと思う。

灯油を買って学んだこと

都会のマンション暮らしが続いたので、長らく灯油を扱う機会がなかった。

部屋で石油ストーブを使うのは契約で禁止されているし、ワンルームなら冬場もエアコンで間に合う。

最近はエアコンの性能や燃費も上がっているので、それほど電気代はかからない。燃料を買ったり補給したりする必要もない。

足元が寒ければ電気ヒーターで局所的に暖めればいい。

鉄筋コンクリート造でアルミサッシの集合住宅なら気密性も高く、冬場はそれほど冷え込まない。

寝るときもベッドで床から体を持ち上げれば、窓から流れ込む冷気で顔が冷えることもない。

冬場もサーキュレーターを使う

久々に木造の平屋で寝泊まりしてみると、冬の寒さが思いのほか体にこたえる。

部屋を急速に温めるには、やはり石油ストーブが便利だと実感した。

天井の高い家だと部屋の上に暖気が溜まるので、冬場もサーキュレーターを回して空気を循環させると効率的だ。

足元が冷える場合は暖房器具を増やすより、扇風機を使えば解決する場合がある。

ツインバードのサーキュレーター

家ではツインバードの中型サーキュレーターKJ-D994Wを使っている。

風量は3段階調整で自動首振り機能はないが、手動で水平~真上に向けられるため特に問題はない。

石油ストーブはエアコンのように風が出ないので、熱気が上の方にこもりやすい。サーキュレーターを併用してみると、明らかに暖房効率が上がるのを実感できた。

灯油代に比べて電気代は微々たるものなので、長い目で見れば光熱費の節約にもつながる。

給油は男のたしなみ

子どもの頃、雪国に住んでいた時期の暖房はガスストーブが主力だった。

部屋のガス管につなぐので給油の必要がなく、エアコンの手軽さと燃料ストーブのパワーをそなえた便利な道具だ。

石油ストーブは補助で使う程度だったので、燃料の灯油がどこからやってくるのか知らなかった。大人になってから初めて灯油を買う経験をした。

一人前の男としては灯油缶くらい軽くかついで、ポンプでスマートに補給できなければカッコ悪い。週末のキャンプで火を起こす技術よりも、醤油チュルチュルの使い方をマスターする方が優先度は高い。

いざというときに恥をかかないよう、今のうちからポンプを買って給油の練習をしておこう。