BizSTATIONで必ずはまる上限金額エラー対策と振込手数料の比較

ようやく法人口座をつくれた三菱UFJ銀行。

さっそくネットバンキングのBizSTATIONを使って取引先に代金を振り込もうとしたところ、得体のしれない振込上限金額エラーに遭遇した。

調べたところデフォルトの設定で上限額が0円になっているようだ。利用者情報を変更して金額を引き上げたら、無事に振込手続きを進めることができた。

しかしMUFGの法人口座は振込手数料が異様に高い。結局作業はあきらめて、他行あてでも半額以下のゆうちょ銀行から振り込みを行った。

BizSTATIONの設定変更方法や、各銀行の振込手数料・サービスの違いについてまとめてみたい。優遇の多いネット銀行をうまく使えば、法人でも完全無料で複数銀行口座を運用できる。

(2020年2月13日更新)

初回振込時に必ず発生するエラー

前職から引き続き、三菱UFJのBizSTATIONはかれこれ10年近く使っている。今の会社は月額無料のLight版だが、一部の機能に制約がある以外、使い勝手は正規版と同じだ。

新しく開設した法人口座用に、ワンタイムパスワードの生成用カード(トークン)は受け取った。マニュアルを見ながら電子証明書のインストールや初期パスワード変更は問題なく完了している。

インターネットエクスプローラーからBizSTATIONにログインして「振込・振替」メニューを選択。取引先の口座情報を入力したうえ、週明けの月曜に振込・入金予約しようとしたところ、以下のようなエラーが出た。

【エラー】利用者別に設定された1件当りの振込上限金額を超えています

調べたところ、BizSTATIONでは実行・承認権限を持っている最上位の管理者でも、1日当たりの振込上限額が初期設定で0円に設定されているようだ。

おそらく不正利用や操作ミスを防ぐための仕組みだろう。

しかしこの設定のままでは、口座の残高確認くらいしかできることがない。ネットバンキングで振込しようとしたら、誰もがはまるエラーといえる。

さすがに不親切すぎないだろうか。

利用者の振込上限額変更方法

対策として、登録した利用者が扱える金額の上限を増やす必要がある。

まずBizSTATIONの左側にあるメニューの下側から「各種設定>利用者登録」を選択。

BizSTATIONのメニュー画面

次の画面で「照会・変更・削除」をクリックすると、現在の利用者一覧が表示される。

BizSTATIONの利用者変更

使い始めは「サービス管理責任者」が自分ひとりいるだけ。しかしパソコンの買い替えや追加のたび新規利用者の登録が必要になるため、ダミーの利用者がどんどん増えていく。

BizSTATIONは同一人物でもアクセスする端末ごとに、利用者IDを変えなければならないのが面倒だ。各パソコンごとに電子証明書も個別で管理・更新していくことになる。

BizSTATIONの利用者一覧

利用者情報の右側にある「照会/変更」ボタンを押して、次の画面の中ほどにある「円預金サービス」の「変更/追加」ボタンをクリック(最上段の「共通項目」はいじらない)。

ここで振込の1日あたり上限金額を任意の数値に設定できる。振込先が事前登録か都度指定かによって、金額を変えることも可能。

BizSTATIONの振込上限金額設定

特にこだわりがなければ、画面上部にある【簡易入力】に金額を入れると、振込・振替・払込などすべての項目に同じ金額が自動設定される。

BizSTATIONの振込上限、簡易設定

とりあえずここから1,000万くらい大きな上限金額をセットしておいた。

変更内容の確認画面で取引実行パスワードとワンタイムパスワードを入力。設定は即座に反映されるので、すぐに上限金額目いっぱいまで振込できるようになる。

BizSTATIONの振込手数料は高い

やっと振込の準備が整ったが、いざ取引を実行しようとすると支払手数料が756円(2020年2月現在は770円)もかかることに気づいた。

MUFG法人口座の振込手数料

会社をはじめるまで知らなかった事実だが、大手都市銀行の法人口座振込手数料は個人口座の2倍くらい高い

同じインターネットバンキングで比較しても、三菱UFJ銀行の振込手数料は以下のとおり。

  • 個人口座…当行あて0円、他行あて220円(3万未満)、330円(3万以上)
  • 法人口座…当行あて110円(3万未満)、330円(3万以上)
    他行あて550円(3万未満)、770円(3万以上)
    ※金額は税込、2020年2月現在のもの

今回はMUFGから他の銀行あて、かつ金額も3万以上なので、1回あたり770円も取られてしまう。

ATMから振り込めば安いが…

オンラインでなくATMから振込すれば、法人口座でも「他行あて・3万以上」440円の手数料で済む。

オペレーターを介したテレフォンバンキングだと同条件で660円。かろうじて窓口振込の880円よりはBizSTATIONの方が安いといえる。

そもそもLight版でない正規のBizSTATIONなら、毎月1,760円もの基本料金がかかってしまう。年間では21,120円もの利用料に相当する。

しかし従業員や取引先が増えてくると、毎回ATMで振込するのは現実的でない。信頼のおけるスタッフに任せるとしても、キャッシュカードを渡して暗証番号を教えるのは不安に感じる。

窓口や機械を介さずネットで作業する方が安く済みそうだが、システム構築・維持管理にかえってコストがかかるのだろう。

法人向けのネットバンキングはある程度の事業規模なら必須だが、その利用料は馬鹿にならない。

振込手数料はどちらが負担するか

前職では毎月の給与振込のたびに、合計数千円もの手数料がかかってしまっていた。かれこれ数10万、MUFGには手数料を支払ったと思う。

たかだかアルバイトでも会社と同じ銀行支店に口座開設させられることがあるのは、「振込手数料を減らしたい」という経費削減の都合。給与を支払う側になるとその気持ちがわかる。

取引先によっては、何のことわりもなく振込手数料を差し引いて代金を振り込んでくるところがある。過去10年で3社くらい、大手で社歴の長い会社ほどこの傾向があった。

たかだが数100円の強制実質値引きでも、受け取り側の印象が悪いことは言うまでもない。やられた方の気持ちがわかるので、事前の相談なしに振込手数料を差っ引くことはしない。

振込手数料をどちらが負担するかについて、会社同士の契約書に盛り込むこともある。契約時に双方合意しておいた方が、後から余計なトラブルにもなりにくい。

金額的にはたいしたことがないため、あくまでおまけのサブ条項。譲歩可能なオプションとして、交渉用に最初からひな型に入れておくのも手だ。

ゆうちょ銀行の手数料は格安

新しく作った合同会社は三菱UFJ銀行より先に、ゆうちょ銀行にも口座をつくっていた。

インターネットバンキング「ゆうちょダイレクト」の振込手数料は以下のとおり。

  • ゆうぎょ銀行あて…月5回まで無料、6回目以降は115円
  • 他行あて…220円(5万未満)、440円(5万以上)
    ※金額は税込、2020年2月現在のもの

ゆうちょダイレクトの振込手数料

同じ銀行あての場合は、預金残高に関係なく「月5回まで無料」というのが大きなメリットだ。他行あてでもMUFG法人口座より半額程度、判定金額も5万と若干大きい。

これは「ゆうちょダイレクト」が法人口座でも個人用と同じ扱いだからだろう。IE専用のBizSTATIONとは違って、Chromeブラウザからも利用できるのが地味にありがたい。

新サービス「ゆうちょBizダイレクト」

その後2019年4月1日より、ゆうちょ銀行でもBizSTATIONに相当する法人用ネットバンキング「ゆうちょBizダイレクト」が開始された。セキュリティー強化や複数アカウント登録など、機能面もMUFGと同等だ。

ゆうちょBizダイレクトの利用料はスタンダードでも初回契約料5,500円が発生するものの、月額料金は550円とBizSTATIONに比べ格安。

振込手数料は通常のゆうちょダイレクトと違って、「当行あて月5回無料」の特典がなくなり初回から100円。他行あては同額。この点でも三菱UFJより大幅に安い。

ただし自分ひとりで経営する零細企業なら、Bizバージョンでない通常のゆうちょダイレクトで機能は十分。

新規の口座開設ではどちらでも選べるようなので、普通は契約無料のゆうちょダイレクトを選択すればいいと思う。

安価な銀行口座の使い分け

会社設立から3年経って、銀行口座のうまい使い分け方法がわかってきた。

  1. 三菱UFJ銀行(法人口座)…社会保険料と共済掛金の引き落とし
  2. ゆうちょ銀行(法人口座)…役員報酬の振込(同一銀行あて)
  3. 楽天銀行(個人口座)…取引先へのお振込み

1. 保険料・共済納付はMUFG

大手都市銀行に法人口座を開設する一番のメリットは、社会保険料や共済掛金を自動で引き落としできる点だ。このためだけに、わざわざ2つ目の法人口座を開設したといっても過言でない。

年金機構と中小機構に申請して、月々の保険料および経営セーフティ共済の掛金はMUFGから納めている。こちらから振込せず引き落とされるだけなら手数料はかからない。

ゆうちょ銀行はネットバンク扱いなのか、当時は保険料の口座振替が効かなかった。年金機構の方は2019年4月1日から、ようやくゆうちょ銀行に対応したようだ。

しかし中小機構の倒産防止共済は、いまだに都市銀行からしか申請も掛金納付もできない。

金融機関については、ゆうちょ銀行、農業協同組合、労働金庫、新生銀行、あおぞら銀行、外資系銀行、インターネット専業銀行等は、経営セーフティ共済をお取扱いしておりませんのでご注意ください。

経営セーフティ共済 加入窓口

これは役員向けの小規模企業共済についても同じ状況。

やはり個人も法人も、大手の銀行口座はひとつキープしておいた方が無難といえる。

2. 給与振込はゆうちょ銀行

ゆうちょ銀行からは毎月、自分向けの給与をネットバンキングで振込している。

同行あてなら月5回まで振込手数料は無料。ゆうちょ口座を給与支払いに特化させれば、従業員5名まではこの方法で無料化できる。

Biz版でない従来のゆうちょダイレクトなら、毎月の維持費もフリーだ。

3. その他の振込は楽天銀行

楽天銀行は法人名義でない個人口座だが、外注・取引先への送金はここから行うようになった。

どのみち一人でやっている会社なので、相手先に伝わる口座名義が個人名でも気にしないだろう。楽天のネット銀行は詐欺犯罪に使われるケースが多いが、見栄や信用より手数料の安さを優先している。

楽天銀行での取引件数が少なくても、預金残高を10万以上残しておけばハッピープログラムで「アドバンスド」判定。会員ステージに応じてATM利用や振込手数料が無料化される。

資金に余裕があれば常時100万以上預けておいて、VIP以上のランクを維持するのがおすすめ。これで月3回まで他行あての振込手数料を無料にできる。

楽天銀行のステージ、スーパーVIP

毎月の家賃払いと時々生じる外注支払いを合わせても、たいてい月3回で収まるレベル。楽天銀行で法人側の振込も兼ねれば、手数料は一切かからない。

BizSTATIONはいまだにLight版、ゆうちょダイレクトもBizには変更しないので、月額料金はともにゼロ。3つの銀行口座を活用して、ここ2年間は法人でも完全無料を維持できている。

BizSTATIONはログインが面倒

三菱UFJから振込を行うことはないため、BizSTATIONはめったにログインすることはない。預金残高や取引履歴の確認は、たまにATMで通帳記帳すれば間に合う。

数年前にBizSTATIONでワンタイムパスワードが導入されてから、利用する際の心理的ハードルが一気に上がってしまった。

BizSTATIONのワンタイムログイン画面

昔はログインパスワードだけで利用開始することができた。今では振込や設定変更だけではなく、毎回のログインにもハードウェアによる乱数生成・入力が必要。

ゆうちょダイレクトでも振込時にトークンは必要だが、ブラウザからのログイン時は13桁の「お客様番号」とパスワードだけで済む。

法人向けのゆうちょBizダイレクトも、簡易版操作説明書を読む限りログインにまでトークンは必要としない。

イオン銀行はログインにワンタイムパスワードの入力が必要だが、こちらはメールで英数字が届く仕組み。

ワンタイムパスワード生成トークン

いくつかのネットバンキングを比較して、MUFGのBizSTATIONだけが異様にセキュリティーが厳重だ。

MUFGのセキュリティーが厳しい理由

これはかつて、三菱UFJ銀行に対する不正アクセスや詐欺被害が多発したことの反動ではないか。

銀行サービスとして安全に使えることは第一だが、セキュリティー確保のために利用の手間とコストが増すのは難しい問題。都市銀行の高額な振込手数料には、そのあたりの対策費用が上乗せされているようにも思う。

口座引き落とし用に新会社でもMUFGの口座は作ったが、結局料金が高くてログインも面倒なので使わなくなった。

扱う金額も少なく、今さら会社の体面を取り繕う必要もないので、実務上のメインバンクはゆうちょ・楽天銀行に落ち着いた。いまどきベンチャーや個人事業同士の取引なら、口座がある銀行の格など誰も気にしていないように思う。

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