Fitbitの心拍計故障は再起動で直る。睡眠時間と心拍数を分析

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購入してから1年3ヵ月、風呂とプールに入るとき以外は24時間装着しているFitbit Charge2。

10日前から心拍数が計測できなくなり故障かと思ったが、いろいろ調べて再起動したらあっさり直った

アプリのログをチェックしたついでに、この1年間の睡眠時間と安静時心拍数を分析してみようと思う。

(2020年2月1日更新)

心拍数と睡眠ステージが出ない

そもそもFitbitの心拍計は大雑把なので、普段からうまく計測できないときがある。

ベルトが肌と密着して蒸れるのを防ぐため、指2本入るくらいゆるめに時計を締めているのが原因かもしれれない。

毎朝アプリと同期して、睡眠時間と睡眠ステージ(レム睡眠、浅い/深い睡眠)、安静時心拍数を確認している。

ところが数日前から睡眠ステージが表示されず、よく見ると安静時心拍も記録が途絶えていた。常時スマートウォッチを着けてライフログを取っていると、1日でも記録ミスがあるのは残念に思う。

Fitbitアプリの安静時心拍

数日前から安静時心拍数が記録されていない

睡眠時間が短かったりして、レム睡眠などの詳細ステージが出ないときはある。

ステージの記録はつかなくても睡眠時間だけは測れるので、ライフログとしては役に立つ。最低限「何時に寝ていつ起きたか」記録できれば、あとから振り返ることができる。

Fitbitアプリに記録された睡眠時間

上段2月9日は睡眠ステージが記録されていない

しかしFitbitの心拍表示が常に「—」というエラー表示のままなので、さすがにこれはおかしいと思った。

たまたま機械の調子が悪いというより、心拍計やセンサーが故障したおそれがある。

バッテリーを消耗させてみた

ためしにアプリやブラウザのダッシュボード画面から、心拍計測を「自動」から「常時ON」に変えてみた。ほかにもいろいろ設定をいじったが、Fitbitの症状は改善されない。

これは一度リセットするしかないと思って、スマートウォッチを数日充電せずバッテリーを使い切ってみた。

手元のFitbit Charge2は1年経ってもバッテリーのへたりが少ない。電池が切れて使用不能になるまで、結局5日間かかった。

いよいよ電池容量が少なくなると心拍センサーの点滅が止まり、画面には電池切れマークしか表示されなくなる。しかしそこから先は省電力のスリープモードになるのか、なかなか完全停止するまでにはいたらない。

Fitbitの電池切れ表示

しびれを切らして充電器に差してみたが、やはり時計の心拍計測機能は直らなかった。

メーカー修理を検討する前に別の方法がないか調べてみたところ、Fitbit公式サイトのヘルプに手動での再起動方法が書いてあった。

Fitbitを手動で再起動する方法

Fitbitの再起動については、以下のような注意事項がある。念のため作業前にアプリとBluetoothで同期して、デバイス側のデータを移しておいた方がいいと思う。

デバイスを再起動してもアクティビティデータが削除されることはありません。 デバイスが通知を保存している場合は、再起動により消去されます。

2020年2月1日現在、FitbitのCharge2とCharge3に関しては、以下のように再起動方法が説明されている。

  • Charge 2—トラッカーのボタンを4秒長押しします。 Fitbit のロゴが表示されトラッカーが振動すると、トラッカーは再起動されています。
  • Charge 3—トラッカーのボタンを8秒長押しします。 ボタンを解除します。 スマイルアイコンを確認して、トラッカーが振動すると、トラッカーが再起動します。

Fitbitヘルプより

デバイスを再起動するにあたり、よくあるようにクリップなど先の細いピンを用意する必要はない。Fitbit本体を充電器に差し込んだ状態で、側面のボタンを4~8秒長めに押せばよい。

マニュアルどおりCharge2のボタンを4秒長押しすると、本体が振動してロゴとファームウェアのバージョンらしきものが表示された。再起動は短時間で終了してすぐ復帰する。

Fitbit Charge 2の再起動

再起動後に腕に巻いたら、すぐに心拍表示が出るようになった。最初から手動で再起動すれば、わざわざバッテリーを消耗させて電源オフにする必要などなかった。

心拍計の不具合以外に「反応が鈍い」「同期しない」といったトラブルにも再起動は有効なようだ。

長期間、Fitbitを肌身離さず使っているとあちこち調子が悪くなってくる。疑わしい時は定期的に再起動を試した方がいいと思う。

アプリに表れる睡眠時間の誤差

ついでにFitbitアプリでここ最近の睡眠時間をチェックしてみた。寝ている時間の合計に関しては、平均的に7時間はキープできているようだ。

Fibitで記録した睡眠時間

Fitbitアプリに表示される睡眠時間とは、厳密に言うと就寝~起床時間ではない。実際には横になっている時間から「目覚めた状態」のステージ分が引かれている。

Fitbitアプリの睡眠時間表示

合計睡眠時間から「目覚めた状態」が引かれる

たいてい夜中に1~2回トイレに起きるせいか、毎晩だいたい1時間くらいは「目覚めた状態」が記録されている。

そのため一般的な睡眠時間(布団に入っている時間)でいうと、平均8時間は十分取れている計算になる。

目覚ましをかけない夢の生活

もう長いこと自宅では目覚まし時計をつけない生活を続けている。

まったく予定がない日が多いので、対外的には何の問題もない。一度起きて朝食を食べてから二度寝することも度々ある。誰にも気兼ねなく好きに二度寝できるというのは、至福の瞬間だ。

ランチの後は眠くなるのでたいてい昼寝する。午前中でも夕方でも、眠くなったらためらうことなく仮眠を取る。

会社勤めしていたときなら、さすがにここまでたっぷり睡眠をとることはできなかった。「健康的な睡眠時間を確保したい」というのが退職した理由のひとつで、その目的は十分に達成できた。

自分の場合、自然に起きると睡眠時間は平均7~8時間に落ち着くようだ。レム睡眠や浅い/深い睡眠のステージ判定はアバウトだと思うが、睡眠のトータル時間はFitbitで確認できる。

昼寝しすぎると早死にする?

スタンフォード式 最高の睡眠』という本によると、毎日1時間以上の昼寝は認知症や糖尿病のリスクを高めるという。

短時間睡眠が健康に悪いというのは察しがつくが、長く寝過ぎても死亡率が高まるというのは意外だった。

ただし長時間昼寝の弊害は「6年後に死亡率1.3倍」という曖昧な基準。統計的なエビデンスはありそうだが、科学的な根拠はよくわからない。果たして睡眠時間による死亡率計算とは、他の健康上の要因とうまく切り分けられるものなのだろうか。

たとえばナポレオンやエジソンは睡眠4時間というショートスリーパーで有名だが、アインシュタインタインは10時間も寝るロングスリーパーだった。

受験勉強していた頃は偉人の伝記を読んで、1日4時間睡眠を試してみたこともある。もともと低血圧なせいか朝起きるのがしんどいので、あまり長くは続けられなかった。

適切な睡眠時間とは血圧や心拍数、脳の回復力といった複合的要因で決まるのではないかと思う。極端なショート/ロングスリーパーというのは後年の訓練ではなく、先天的な特質で決まるのだろう。

自分に合った睡眠時間とは

宝くじで1億円当たった人の末路』の睡眠編では、結局その人にあった睡眠時間がいちばんと結論されている。

「自分に合った、長くも短くもない適度な睡眠時間」とは、普通に考えると「目覚ましなしで自然に起きられる時間」のことではないか。夜たっぷり寝て、日中も眠くなったときに好きなだけ仮眠を取れば、それがベストなライフスタイルではないだろうか。

睡眠に関する学説はいろいろあるので、結局何を信じればいいのかわからない。体質だけでなく疲労や季節による変動もあると思う。

少なくとも「好きなだけ寝られる」と精神的なストレスが少ないのは事実だ。それは他の健康面に対しても総じてプラスな気がする。

毎朝無理やり起こされ、脳がちぎれそうな思いをするよりは、アラームをかけずに自然に起きた方が幸せだ。それで死亡率がわずかに上がるという代償があったとしても、自由な睡眠時間の方を選びたい。

短時間睡眠を推奨する社会的圧力

しかし世間的には生産性向上や勤労奨励の観点から、「睡眠時間は短いほど良い」とみなされている。

遺伝子操作による人工的無眠状態を扱ったナンシー・クレスのSF小説『ベガーズ・イン・スペイン』は、こうした社会規範の風刺として読むとおもしろい。睡眠時間だけでなく労働生産性向上、社会的成功のパラドックスという含みもある。

しかし本来の生産性とは資源のインプットに対する成果(アウトプット)の比率なので、覚醒時間が長いほどポジティブということにはならない。

短時間睡眠の礼賛とは、長時間労働を是とする風潮と同じに見える。いずれは適度に仕事をこなしながらも、「睡眠時間が長いこと」がステータスになる日が来るように思う。

安静時心拍はストレスと連動

Fitbitで測った安静時心拍を観察していると、対外的なイベントやストレス度合いに連動していることがわかってきた。

たとえば入院して手術を受けたり、しんどい出張が続いたりした日は安静時心拍数も高かった。飲み過ぎて睡眠が浅かった日も同様。

反対にここ数か月は仕事もゆるくてストレスが少なかったせいか、心拍数は安定的に下がっていた。

自分の場合は46bpmくらいが最低ライン。日によっては44bpmという、見たことがない最低値も出た。

Fitbitアプリの安静時心拍数

長年ランニングや持久系スポーツを続けてきたせいか、普段から脈拍は低い。健康診断では脈拍40を下回り、徐脈と診断されることもある。

頻脈よりは徐脈の方が長生きするという説もあるが「高血圧よりは低血圧がまし」という程度の話だろう。統計的に見れば、脈が低い方が健康リスクな少ないというだけだ。

心拍数と犯罪率の関係

一方で低心拍の人は普段から交感神経の覚醒度が低く、刺激を求めて犯罪を起こす傾向が高いといわれる。

心肺機能の発達したスポーツ選手が突発的な暴力事件を起こしやすいというのは、果たして事実なのだろうか。単に有名人だったからニュースになりやすいだけではないだろうか。

そうした疑似相関を除いたとしても、低心拍と犯罪リスクは関連するといわれている。徐脈なだけで反社会的パーソナリティとレッテルを貼られるのは厳しいが、「脈が遅い=犯罪者」という因果関係があればわかりやすい。

いずれ徐脈の人間は警察のブラックリストに載るとか、適切な脈拍に戻るまで施設に収監されたりするのだろうか。

SFのような話だが、イギリスではDSPD(重度人格障害をもつ危険な人々 Dangerous People with Severe Personality Disorder)という法律が存在する。これによって犯罪リスクの高い精神障害者や人格障害者を予防的に強制入院させることができる。

適切な睡眠時間がまちまちなように、安静時心拍数も人それぞれ。ナンシー・クレスの短編小説のように、そうした先天的体質が差別の原因にならないことを祈りたい。

Fitibitの後継・最近機種

手持ちのCharge2が壊れたときのため、Fitbitの代替機種も調べてみた。

FitbitはZipの時代から使い続けているので、アプリのログを引き継ぐためにも同じメーカーの新機種に買い替えたい。

Chargeより細いAlta HR

Charge2の後に出たAlta HRは細くて魅力的。心拍計が付いているリストバンドとしては最軽量の部類だろう。ケース側面がシルバーでなく、パネル・ベルトと同色で統一感を出せるブラックモデルも存在する。

しかしAltaはChargeのように側面ボタンがない。代わりに「画面タップだけで操作する」という点がどうにも気になる。

レビューによると、タップ感度や腕をひねって画面表示させるセンサー反応が鈍いともいわれている。見た目はスマートだが、操作性・実用性には不安が残る。

GPS付きの最上位Ionic

最新の上位機種Fitbit Ionicは、AppleWatchのようにカラフルな画面がかっこいい。

GPSもついて汎用性は高そうだが、Chargeシリーズからどのくらいサイズアップするのか気になる。ビックカメラの店頭で下見したところ、腕周りの面積はかなり大きかった。

ウェブの写真では薄型に見えるのだが、実は裏側の心拍センサー付近が盛り上がっていて、厚みは現行Charge2と同じくらいある。睡眠時間計測のため毎晩装着して寝ることを考えると、Ionicのビッグサイズは少々厳しい。

またNFC搭載をうたいながら、現状ではSuica対応していないのも難点だ。この点はどうしてもAppleWatchに見劣りしてしまう。

Androidユーザーとしては、たまにコンビニでAppleWatchをかざして決済している人がうらやましい。Apple製品より安いFitbitでキャッシュレス決済できたらうれしいと思う。

しかしIonicに搭載のFitbit Payは国内対応していない。2020年2月1日現在、Fitibitの公式ページを見ても、対応している日本の銀行や電子マネーは掲載されていない。

Chage3は正統進化

Fitbitの新製品が出るタイミングを観察すると、旧Charge HRからCharge2発売までは1年半くらい開いていた。すると2016年10月21日発売のCharge2に対して、次の機種は2018年4月末頃に出る可能性がある。

→実際には少し遅れて2018年11月6日にCharge3が正式発売された。

国内ではiONICが出たばかりなのでもうしばらく先になりそう。個人的にはChargeシリーズの幅と厚みなら、普段着けていても苦にならない。

おそらく次機種はiONICのようにカラー表示で、心拍計もピカピカ光らないタイプにグレードアップするのではなかろうか。iONICからGPSとFitbit Payを省いただけならわかりやすい。

→カラー液晶にはならなかったが、他はおおむね予想どおりのスペック。

廉価版のVersaは微妙

そうこうしているうちに米国で先行発売された新製品Fitbit Versa。2019年には機能強化されたVersa2も国内販売が始まった。

価格が200ドルと安いVersaはウェルカムだが、Ionic並みにでかいのはいただけない。わざわざこのサイズでGPS非搭載というのは何とも中途半端だ。

見た目はIonicよりスマートだが、どうしても「AppleWatchのパクリ」という印象がぬぐいきれない。Ionic、Versaと売れ筋Apple製品に追従したようなコンセプトが見え見えなのは残念だ。

たとえ日本国内でSuicaに対応したとしても、普通の人には「AppleWatchのまがい物」としてしか見てもらえないだろう。そのあたりはブランディングの予算や規模、培ってきた歴史が違うので今さらどうにもならない。

安くて軽いFitbitへの回帰

スタバでMacBookを広げているようなクリエイターやビジネスマンは、AppleWatchの装着率が高い。

一方で中古のレッツノートにLinuxを入れているようなハッカータイプは、FitbitやHUAWEIのスマートウォッチを好んで着けているように見える。

Pebbleを買収したFitbitには、AppleWatchの対抗馬としてぜひ頑張ってもらいたい。同等機能で価格が抑えめという、コストパフォーマンス重視の姿勢を継続希望。

スマートウォッチの市場を考えると、やはりFitbitは「Appleより安くて実用的」というポジションを貫くべきだ。Garmin、Suunto、Polarのスポーツ系ガチ勢より廉価でカジュアル、使用場面を選ばないもの売りといえる。

ChargeやAlta、Inspireシリーズの細型・軽量路線こそがFitbitの真骨頂。カラー液晶やアプリ連携なんて余計な機能はすっ飛ばして、ミニマムなリストバンド形式を追求すればいいと思う。