ロマサガRSという、ソーシャル要素のないソシャゲにはまる理由

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2018年12月6日のリリースから、約1か月遅れで始めたロマンシングサガ リ・ユニバース。とりあえず無課金でも、時間をかければVery Hardの途中(周回定番4-1-5)までは進めた。

さすがにそろそろ飽きてきたが、メインストーリーのNormalクリアまでは、数時間ぶっ続けで没頭できるくらいおもしろかった。ここでいったんゲーム全体の感想をまとめてみようと思う。

ロマサガRSの魅力

ロマサガRSに熱中できる要素として、以下の2つが挙げられる。

  1. 旧作キャラや、技・ひらめきの懐かしさ
  2. 射幸性や中毒性のあるソシャゲ要素

中身は王道RGPと似ても似つかないソーシャルゲームで、ロマサガ3以来「23年振りの完全新作」というキャッチコピーは疑わしい。

そこそこ旧作をプレイしていたので懐かしさは覚えるが、オリジナルの続編というほどの奥深さは感じない。せいぜいおなじみのキャラが勢ぞろいして、見覚えのある技や術をひらめいてくれるのが楽しいという程度だ。

旧作と新要素のちょうどいいバランス

ロマサガRSの魅力は、主にスーファミ時代のファンをターゲットとしつつも、最近のソシャゲトレンドをうまく取り込んでいる点に尽きる。歴代サガのキャラクター資産を生かしつつ、「キャラ育成」という新要素をうまく組み合わせたアイデア商品といえる。

旧作RPGのリメイク版もいいが、最近はやりのソシャゲを試してみたい中年にはぴったり。いまさらFFやドラクエは子どもっぽくて食指が動かないが、サガならやってみたいという人もいるだろう。

最近のスマホゲームはポケモンGOくらいしか遊んだ経験がなかったので、洗練されたソシャゲとして新鮮な部分も多かった。スタミナやガチャという中毒的なゲームシステムを体験して、よくできたビジネスモデルだと感心した。

旧作ファンサービス満載

冒頭のチュートリアルで、ロマサガ3・四魔貴族のビューネイ戦を見られるのは、とびっきりのファンサービス。ドット絵にアニメーションがついて、動物の舌がチョロチョロ動いていたり、左の顔がまばたきしているだけでも感涙ものだ。

ここでぐっと来なければ、ゲームを続けるのは厳しいかもしれない。というより、むしろノスタルジーだけで持たせている駄作のおそれもある。20年来のサガプレイヤー以外に、若い人にあえてロマサガRSをすすめる理由は思いつかない。

キャラの由来をたどる謎解き要素

ただし一概に「なつかしさ」といっても、キャラデザインはデフォルメされた部分が多くて、旧来ユーザーとしてはとまどう部分もある。

この絵の左上にいる人物がアイシャだとは、今のスマホ版イラストからは想像もできないだろう。右下は女戦士のシフで、Aスタイルはわりと忠実に再現されている。しかし螺旋ガチャの限定SSは、同じ斧キャラで技継承もできるが、まったく別人と化している。

由来をたどると、ミンストレルソングで大幅にデザイン変更されたようだシフがベースになっているようだ(それでも萌え化の飛躍は著しい)。初代ロマサガ1からすると二段階進化しているわけで、イメージが変わってくるのは当然。すべてのキャラを見分けられる人は相当すごいと思う。

ソーシャル要素のないソシャゲ

システム的には昔ながらのRPGというより、対戦がメインのカードゲーム。キャラクターも主にガチャを回して入手する。プレイヤー同士の交流・対戦は未実装、かつプラットフォームもSNSでなくネイティブアプリなので、厳密には「ソシャゲ」と呼ばない。

似たようなゲームはたくさん出ているが、そこは大手のスクウェア・エニックス。洗練されたUIと適切な難易度で、低スペックのスマホでもそこそこテンポよく楽しめる。アイテム獲得や技発動時のグラフィックはやや派手だが、気持ちよくプレイできるよう細部まで配慮されている。

そしてリリース後もゲームバランスの調整や新規ボタンの配置など、地味に改良が続けられている。そのあたりは通信前提で、ユーザーの反応を見ながら改良していく方針のようだ。

たとえばプレイしながら「ホーム画面へ遷移してから押すのが不便」と感じていた「出撃」ボタンが、先日のアップデートでメインメニューに追加された。見た目は不自然だが、動きの遅い低スペックスマホで遊ぶにはありがたい。

あえてロマサガを選ぶ理由

しょせんはロマサガRSも、ガワだけ変えただけの焼き直しかもしれない。それでも大人の嗜みとしてソシャゲをひとつ続けてみるとしたら、イメージ的には現代のメジャータイトルよりましに思われる。

個人的にはFFやドラクエよりサガが好きだ。ウィザードリィや真・女神転生ほどアクが強くなく、適度に難しく適度にやり込めるバランス感覚がいい。ロマサガだけでなく、GB版Sa・Gaの要素もRSに取り入れてもらえると、もっとうれしい。

しかし、リリース後2か月経っても、まわりでやっている人がいないのはちょっと寂しい。リアルでもゲームの中でも、ソーシャル要素が出てくるまでひとりで続けられるかというのが、今の課題である。

フリーシナリオではない

ロマサガシリーズの最大の魅力は「フリーシナリオ」というシステム。一度クリアしても主人公を変えて、何度もやり直したくなる魅力があった。その分、バグがあったり難易度がアンバランスで、泣く泣くリセットする羽目になるシビアな面も持ち合わせている。

スマホ版のRSでは、キャラ選択の自由度は高くてもシナリオは一本道だ。謎解き要素がありそうに見えて、6章から先は遅々として追加されない。むしろ主人公のポルカが世界の理不尽さについて突っ込む、自虐的な狂言回しと化している。

そもそも季節ごとのイベントや個別の七英雄襲来が目玉で、メインストーリーはおまけみたいなもの。旧作ではほとんど触れられなかった七英雄の過去など出てきて、RSのポルカ関連よりこっちの方が興味深い。

パロディー路線はどこまで続く?

アスラが「道場」に言及していたり、キドラントの町長が出てきたり、むしろ旧作のカルチャーをパロディーにしたメタ要素を楽しむゲームともいえる。

12月のバレンタインでネズミ討伐のクエストが追加されたところを見ると、旧作エピソードを織り交ぜた季節イベントを打ち出してくるのがロマサガRSの方針らしい。

そのうち4月になって花見をしていたら、団子に虫が群がってきて「アリだー!」となりそうな気がする。季節ネタに加えて七英雄と四魔貴族の襲来&ピックアップガチャで、1年は間を持たせられるだろう。

次第にキャラの強さがインフレしてくると、きっと集めた七英雄を合体させて、「決戦!サルーイン」という流れになりそう。いずれ「同化の法」というシステムが加わって、ザコAスタイルを悪魔合体させSSキャラを生成することもできそうだ。ロマサガRSのノリなら、そこまでやりかねない。