写真集から読み解くBRIEFINGの歴史とWRAPSのバッグ


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世の中の9割以上の人にはアメリカのブランドと思われているであろうブリーフィング。赤い刺繍のほどこされたナイロンテープがその特徴で、TUMIと並ぶ「やたら高いナイロンバッグ」の代表格といえる。

たまたま手に取ったアメリカの風景を写した写真集が、ブリーフィングのコンセプトブックだった。中に挟まれた2つのエッセイを読んではじめて、これが日本のブランドだと知った。

MADE IN USAというのは米国の軍需工場で製造しているという意味で、企画やデザインを行っているのは日本のセルツ(現ユニオンゲート)という会社だ。吉田カバンのように、セレクトショップの別注品がやたら多く出回っているのが前から不思議だったが、やっと謎が解けた。

自分と同じで、アメリカのブランドだと信じたままブリーフィングを使っている人も多いと思う。写真集に書かれていたブランドの歴史や、前身だったラップスのバッグをかいつまんで紹介しようと思う。

ブリーフィングの歴史

ブリーフィングは1998年にセルツが始めたブランドで、その前年1997年にはラップス(Wraps)という前身のラインもスタートさせている。どちらも日本企画で米国生産というコンセプトにこだわり、現地の軍需工場で製造するという本物感が売りだ。

中川社長の率いるセルツが、製造元のイーグル・インダストリー社に企画を持ち込んでも相手にされなかったというのは、ベンチャー会社にありがちなエピソード。ただしそこでは終わらず、最初のサンプルを自力で完成させ、モノを見せたら意気投合したという苦労話が続く。

日本国内だけでなく、米国内にもユーザーがいるブリーフィング。今は工場にとっても得意顧客だと思うが、アウェーな環境で取引を始めるのは相当大変だったことだろう。むしろそこまでしてでも本物のMADE IN USAにこだわったからこそ、20年経っても淘汰されなかったといえる。

セルツは2018年にユニオンゲートグループという社名に変わったようだが、実は革製品FAROの製造元で、オロビアンコのインポーターでもある。ナイロンバッグのブリーフィングと、革バッグや小物がメインのファーロというのは、事業の多角化としてうまい組み合わせだと思う。

本物すぎないバランス感覚が魅力

ブリーフィングの魅力のひとつは、軍用スペックながらデザイン自体はタウン仕様にソフィスティケイトされている点だ。アーバン・ミリタリーとでも呼ぶべき、新ジャンルを確立している。

本来なら各種ガジェットをアタッチするためのベルクロや付属パーツが出てくると思う。先日輸入品を入手したタクティカル・ノートブック・カバーには、本物の軍用品という特徴が表れていた。汚れが目立ったり野暮ったくなりがちな機能は省略して、生地の強度や縫製にスペックを反映させたバランス感覚が、ファッションアイテムとしてヒットした理由だろう。

あくまで本物の軍用ディティールを追求することもできるが、それではターゲットがミリタリーマニアになってしまう。適度に男臭いが暑苦しすぎないデザインのおかげで、街中のセレクトショップにも置かれるようになった。

競合品のTUMIよりシェアは低いが、ブリーフィングの方がおしゃれな製品として認知されているように思う。持っている人の年齢層も比較的若く、20~30代が中心に見える。

ブリーフィングのサンバイザー

ブリーフィングの製品ラインナップに、ゴルフや釣りといったスポーツ用のアイテムがあるのはおもしろい。中でも興味深いのは、トライアスロン用のトランジションバッグを作っている点だ。専門店のアスロニアとコラボで、改良版の第2作まで発売されている力の入れよう。

マラソンやロードバイクに比べて、トライアスロンのスポーツ人口は少ない。マーケットとして小さいうえに、2XU、TYR、ZOOTといったアパレル・シューズメーカーが類似品を扱っている。

ウェットスーツやレース関連のグッズを収納できる大容量は遠征に便利だが、別に普通のバックパックでも間に合う。それほど売れているようにも見えないが、作り続けているのは社長さんの趣味だろうか。

某ショップのイベントに参加したら、ホノルルのレースで余ったらしきサンバイザーをもらった。前からみるとB印がまるでベントレーだが、裏のバンド部分にブランド名が書いてあるのはおしゃれに見える。

夏場に何度かジョギングで使って洗ったが、さすがMANUFACTURED BY BRIEFING。ゴムも伸びず、その辺の安物より長持ちして数シーズンは使えそうな印象だ。

正規品は5千円くらいするので、うれしいプレゼントだった。こういった小物まで含めると、どれほど多くの別注品や企画品を作っているのか不思議に思われる。

20年経っても現役のWrapsバッグ

実はブリーフィングの前身、兄弟ブランドだったラップスのバッグを今でもひとつ持っている。1998年に買った大き目のトートバッグで、タグを見ればMADE IN USA。しかし、当時はブリーフィングほど高価でなく、ポーターの似たような製品より安かったと思う。

使ってみてやたら頑丈なのが気に入り、模型材料や工具を入れてガシガシ使っていた。自転車のハンドルに引っ掛けていたので、ときどき前輪に巻き込まれて黒く汚れてしまう。たまに洗浄力の強そうな台所用クレンザーを風呂場で振りかけ、タワシでこすって洗っていた。

今思えば無茶苦茶な使い振りだったが、なぜか壊れず20年経っても部屋で使っている。さすがに汚れが目立つので街中には持ち出せないが、あれほどタワシでこすったのに表面は少し毛羽立っているくらいだ。今でも自転車のチェーンを洗うケミカルや雑巾入れとして、ダーティーに活躍している。

細部を見ると、ハンドル下のスナップボタンは今のブリーフィングと同じ仕様に見える。ナイロンはバリスティックでなくコーデュラ素材に見えるが、自転車のタイヤで踏んだりホイールに巻き込まれても破れなかったので、耐久性は実証済みだ。

さすがブリーフィングの米国製は一生もの。今持っているチャイナ・ブリーフィングの2wayバッグがいつまでもつか実験してみたい。

アンディアモの輸入元だった

2004年頃だったと思うが、新宿のビームスでアンディアモというブランドのバッグを見たことがある。当時はすでにTUMIが流行りすぎな感があり、似たようなディティールで通好みのブランドとしては魅力的に見えた。どちらがパクリか知らないが、黒一色のヴァロロッソというモデルはTUMIと瓜二つだ。

アンディアモはその後すぐ国内の流通が途絶えてしまい残念だったが、実は本を読んで国内に輸入していたのがセルツだったと知った。現在はパラゴンという会社に買収され、生産拠点もフィリピンに移ってしまっている。

TUMIでもBRIEFINGでもなく、Made in USA時代のAndiamoをていねいに使い続けている人がいたら尊敬したい。ビームスに置かれていたくらいなので、当時もTUMIと変わらず3万以上はしたと思う。あえてマニアックな方を選び、そして今ではさらにマイナーになってしまった。むしろ二大ブランドのコピー品と思わてしまうきらいすらある。

写真集Traveling…の感想

手元にある”Traveling Across The U.S.A. with BRIEFING”というタイトルの写真集。

どここかで見た表紙だと思ったら、Steve Reichの”Different Trains”をオーケストラでカバーしたアルバムのジャケットに似ていた。アメリカの荒野は風景が単調なので、地面に落ちた自分の影でも撮って遊ぶのが定番なのだろう。

ブリーフィングというブランドを知る貴重な情報源だが、8割くらいはアメリカの写真で占められている。ロサンゼルス、ニューヨーク、ルート66の3つのパートに分けられ、風景の中にときどきバッグが置かれていたりする。いかにも日本人が思い描きそうな「古き良きアメリカ」を中心に、橋や空港といった工業的な風景の写真が多い。

DJやデザイナーのユーザーが、かっこよくブリーフィングのバッグを使いこなしている写真もあって、ファッションの組み合わせとしても参考になる。バッグ自体は黒~カーキ一色の渋いカラーリングなので、むしろスーツから海パンまで何にでも似合うことをアピールしているように見える。

最後の方は各年度の限定品特集や、ロン・ハーマン、ビームス社長といった有名人のインタビューを掲載。単なるブランドのカタログでなく、あくまで写真がメインのイメージ集として出版しているのがおもしろい。BRIEFINGが好きな人なら、まず間違いなく楽しめるだろう。

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