ルイ・ヴィトンのミニ6穴互換手帳カバー、アジェンダPMとスティロ

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駅のホームで、ヴィトンのモノグラム柄のシステム手帳を広げている人を見かけた。バッグや財布以外に手帳カバーも作っているんだと思ったが、傍から見ていてサイズがしっくり来ている。バイブルやナローサイズでもなく、ミニ6穴のコンパクトタイプに見えた。

調べたところ、ヴィトンのアジェンダという手帳シリーズのうち、PMという最小サイズはミニ6穴互換らしい。今年の手帳はパスポートサイズでいくと決めたのが、イメージに近いサイズ感なので気になる。

将来の参考に、エルメスに続いてルイ・ヴィトンの手帳カバーについても調べてみた。

エルメスに酷似したラインナップ

ヴィトンのシステム手帳は小さい順にPM<MM<GMの3サイズ展開。Agendaという商品名、2文字のサイズ名はエルメスとそっくりだ。

このうち最小のPMは10×14cmでミニ6穴互換。寸法的にはほぼパスポートサイズに近いが、金具の分、厚みはそこそこある。エルメスより少しだけ安い価格の純正リフィルも用意されており、ダイアリーは1日1ページと見開き1週間の2種類。

PMは標準的な6穴システム手帳規格なので、他社製リフィルも改造なしで使いまわせるのが強みだ。このあたりの間口の広さが、われわれ庶民にも人気がある理由なのだろう。独自規格のクリップをつけたりして、お高くとまるブランドではない。

定価もPMサイズなら5万円を切るくらいなので、エルメスのアジャンダカバーよりお求めやすい。PMの中古相場をざっと調べると、1万以下で豊富に流通している。エルメスGMより若干サイズアップするが、またシステム手帳に戻りたくなったら試してみたい製品だ。

地味なタイガとエピもある

柄的にモノグラムやダミエは派手で使い手を選ぶが、エピやタイガならまだ地味だ。革の型押しパターンが特徴的なので、よく見ればヴィトン製だとわかる。しかも、表紙の右下にLVロゴが刻印されているので、ブランド品のイメージを出したくない人には向かない。

男性向けなイメージのあるタイガとエピは、型押しレザーとしてかなり耐久性が高そうに見える。小銭入れ程度のちょっとした小物でいいから、いつか使い込んでみたい素材だ。

ベルト内に隠れたペンホルダーあり

シンプルにホック付きのベルトで閉じる方式。公式サイトの写真には写っていないが、実はベルトの裏にペンホルダーも隠されている。

左右にポケット、カード入れも3枚分用意されているので、ひそかに実用性が高い。カード類をパンパンに詰め込むと、せっかくの端正な革が変形してしまいそうなのが難しいところだ。やはり高級ブランドの革製品は下手に工夫せず、単機能で使うのが美しい。

手帳はスペイン製?

ちょっと気になるのは、ロゴの下にPARIS made in Spainと刻印されている点。スペインの革製品といえば、ロエベのほかにもカンペールやヤンコなど堅実な靴ブランドが思い浮かぶ。

特に悪いイメージはないが、ヴィトンの財布に関してはむしろスペイン産の方が丈夫という評判もある。価格の内訳はほとんど広告費やブランド代だと思うから、製造原価はどのくらいだろう。

以前イギリスから10万近くする革鞄を個人輸入したが、日本製のポーターの方が縫製はずっとよかった。海外製品は値段と品質が必ずしも一致しない。特に文具や筆記具は安価な国産品が性能良すぎるので、海外ブランドを買うのはほとんど見栄のためといえる。

ヴィトンの手帳専用ペン、スティロ

さらにルイ・ヴィトンの手帳にも、スティロという専用のミニペンが用意されている。ボールペンとシャーペンの2種類あり、シルバー素材の方はエルメスの競合品を意識しているようだ。

見比べると、ヴィトンのペンは先端が砲弾型で、フィッシャーのブレット EF-400のように見える。胴軸の刻み目パターンはデザイン上のアクセントと、滑り止めも兼ねているようだ。スティロに比べると、エルメスの手帳用ペンはヤード・オ・レッドのように頭部が膨らんだ釘のような形状になっている。

どちらも中古品を漁れば、ファーバーカステルのポケットペンより安く手に入りそうだ。後者はプラチナコートなので、銀製のブランド品より品質は上。いつか試してみたいが、2万以上するので、なかなか手を出せないでいる。

海外製のミニペンも種類豊富だが、この分野は国産メーカーの方が秀でているように感じる。パイロットのバーディーや伊東屋オリジナルの使用感は、千円以下だが上記の高級品に引けを取らないだろう。そしてオートのミニモという究極製品が出てしまった今、あえて手帳用のミニペンを買い替えるモチベーションは下がってしまった。