ゼットン株主優待~おまけでタダ券もらえる名古屋テレビ塔に登ってみた

飲食チェーンのゼットン株主優待で、名古屋の観光名所を巡る18きっぷツアー。金山で優待ランチを楽しんだあと、渋い徳川園と美術館をクリアして最後に向かったのは名古屋テレビ塔。

ビルに埋もれて見つけにくい

東京に住んでいる人間からすると、名古屋のテレビ塔と聞いてもぜんぜんピンとこない。名古屋城といえば金のシャチホコが思い浮かぶが、名古屋で高いタワーを見た記憶がない。駅前のモード学園、ねじれた高層ビルの方がインパクト大だ。そもそも名前がタワーでもツリーでもなく「テレビ塔」という時点でしょぼそうな予感がする。

徳川園からスマホのGoogleマップを見ながら歩くこと数十分。名古屋の市街地は直径5kmの円内に収まるくらいコンパクトなので、がんばれば歩いて回れないこともない。東京でいえば、渋谷から代官山や青山まで歩くくらいの距離だと思う。

道すがら見える鉄塔のようなものを目指していくが、どうやらテレビ塔でないタワーが他のビルから伸びているようでまぎらわしい。公式ウェブサイトで確認したところ、南北に延びる久屋大通公園の中にあるエッフェル塔みたいな外観のタワーが本物であるらしい。

古いコメダ珈琲店に遭遇

途中、名古屋ならではの10車線くらいある広い道路を横断して、路地をジグザグに歩いていると、何ともレトロな外観のコメダ珈琲店に遭遇した。他県にある見慣れた山小屋風のファミレス型店舗と違って、ビルの1階に収まっている古びた店構えは、まさか本店・一号店だったりするのだろうか。

あとで調べたところ、これはコメダの高岳店。本当の一号店はもう閉店・解体されてしまったものの、名古屋市内にはこういうレトロなスタイルのコメダ珈琲がまだ残っているようだ。まだ夕方にも早い時間なのに「本日終了」となってしまっているところが、マイペースな営業スタイルをうかがわせる。

今や有形文化財のテレビ塔

ようやく目指すテレビ塔らしきところに辿り着いた。見た目は確かにエッフェル塔。しかし高さは180mと、今となっては周囲のビルに埋もれてしまうサイズだ。パンフレットで由来を調べると、1954年竣工と相当古く、実は国の有形文化財に登録されている施設だった。

東京タワーや札幌テレビ塔、通天閣と同じ内藤多仲(ないとうたちゅう)という建築構造技術者の設計らしく、どれも似た雰囲気がある。高さや曲線の優美さという面では東京タワーが一番だが、これらの中で一番古いというのも文化財に選ばれた理由だろう。

名古屋中心部の栄駅からすぐ北にあるので、場所的には一等地なはずだがなぜか足元の飲食店はさびれた雰囲気がある。戦後の構造物で、レトロというほどでもない中途半端な観光名所。なにかテレビ塔から負のオーラが出て、お店の人気を下げているように見える。

上の展望フロアにトイレはないらしいので、1階で用を足しておいた方がいい。混んでくるとエレベーターに乗るのも待たなければならないので、上階で催してきたらかなりピンチだろう。トイレのない観光スポットというのも時代を感じさせる。国宝犬山城の天守閣に続く急階段のように、バリアフリーなど論外で「来る人を選ぶ」という姿勢を貫いているようだ。

屋外階段は土日祝日のみ

3階の受付までいったんエレベーターで昇って、ゼットンの優待券で入らせてもらえた。普通に買うと700円のチケットなので、まあまあお得といえる。案内されるままエレベーターで上まで行ってしまったが、実は名古屋テレビ塔の外階段はスケスケの絶景らしい。

「スカイウォーキング」という展望階段は、どうやら土日祝日限定で公開されているサービスだったようだ。階段目当てでテレビ塔に行くなら、休日を狙った方がいいだろう。

名古屋城やオアシス21が見える

標高90mのスカイデッキはだいたい京都タワーくらいの広さ。東西南北すべて見渡せて、各方角に観光名所の案内板がある。平日の夕方でがら空きかと思ったが、中国人や韓国人、外国人観光客が10人以上いて休憩ベンチも満席だった。名古屋の観光地は名古屋城以外にあまり思いつかないので、ここくらいしか見るところがないのだろうか。

展望フロアに置いてあるチェアーが、何気にミース・ファン・デル・ローエのバルセロナ・チェアだったりする。別に高級感とは無縁な観光施設だが、文化財として備品の格をそろえたのだろうか。まさにとってつけたような感じだ雰囲気がそぐわないが、ふかふかの革張りソファに座って名古屋の街並みを眺めるのはなかなか贅沢だ。

北の方角は名古屋城の天守閣がばっちり見えて、さらに天気がよければ犬山城とか岐阜城の平山城も拝めそうだ。平野部に延々と市街地が広がっている。

南に見える楕円形の大屋根は、2002年にオープンしたオアシス21という建物。金山駅のアスナルも似たような構造だったので、2000年代の商業施設はラゾーナ川崎のような吹き抜けの広場を円形に囲むスタイルが流行ったのだろう。

屋根の下には無料で座れるテーブルとチェアーが置いてあり、地下鉄の栄駅とも直結している。栄で人と待ち合わせするには便利なスポットだ。

スカイバルコニーは恋人の聖地

展望フロアから狭い階段を上ると、スカイバルコニーという屋外スペースに出られる。高層のタワーで外に出られるとは、六本木ヒルズや台湾の台北101並みのサービスだ。

しかしこの屋外バルコニー、人工芝の上に桜が鉢植えされていてデザイン性はまったくない。しかもNPO法人地域活性化支援センターの「恋人の聖地」に認定されているらしく、神奈川の湘南平にあるテレビ塔のように南京錠がわさわさとぶら下がっている。

正直、こんなダサい場所でデートとか、ましてやプロポーズなんてされたら幻滅だが、名古屋嬢的にはOKなのだろうか。得てしてプロポーズとは、予定が狂って想定外のシチュエーションで行われるものである。ちびまる子ちゃんの両親の馴れ初めも、そんなエピソードだった。まあ公式サイトによると「恋人の聖地」は全国139ヶ所もあって、中にはもっと変なところがいっぱいあるので、テレビ塔はまだましともいえる。

昭和の香りただよう、中途半端にレトロな文化財スポット名古屋テレビ塔。自腹で700円払って上る気はしないが、ゼットン優待でタダ券をもらったら行ってみるのもありだろう。徳川園&徳川美術館はそれなりにすごかったが、わざわざ東京から優待券を消化するために訪れるような場所ではない。話のネタとして、一生に一度くらい上っておけば十分な観光スポットだ。

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