高尾山の梅郷~蛇滝ルートを開拓。自転車アクセス容易な裏登山道

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高尾山で最もメジャーな1号路を上っていると、時々右手に脇道が見える。調べたところ4号路への分岐点のほかに、日影沢と蛇滝(じゃたき)にいたる裏道があるらしい。

2019年の台風19号の影響でどちらも閉鎖されていたが、蛇滝の方は再び通行可能になった。高尾梅郷の近くにある登山口まで自転車でアクセスして、蛇滝経由で高尾山頂まで登ってみた。

旧甲州街道を自転車で走る

高尾山の登山道といえば、1~6号路と稲荷山コースが主要ルート。いずれも京王線の高尾山口駅からアプローチできる。

尾根の北側にある中央自動車道、JR中央線方面からも通じている登山道がいくつかある。その中で一番短く初心者向けと思われるのが、今回登った蛇滝コースだ。

高尾山~蛇滝STRAVA

蛇滝への入口は八王子ジャンクションの南側にある。ちょうど圏央道が高尾山トンネルを出て高架になっているあたり。

圏央道、高尾山トンネル

京王高尾山口駅、JR高尾駅のどちらからもそれなりに遠いので、普通は小仏行きのバスを利用する。

ただし現在の甲州街道から分岐して南浅川に沿って歩くと、途中で梅林をいくつか見学できる。実はこのルートが江戸時代の旧甲州街道だったようだ。梅が咲く季節であれば、どちらかの駅からのんびり歩くのも楽しい。

高尾梅郷の地図

家が近所なら蛇滝入口まで自転車でやってくるのもおすすめだ。登山口まではたいした坂もなく楽に到達できる。

高尾梅の郷まちの広場

公衆トイレが併設された「高尾梅の郷まちの広場」という公園があるので、ここに駐輪させてもらうと便利。わざわざ高尾山口の駐輪場に止めて遠回りしてくる必要はない。

高尾山の裏側、蛇滝水行道場

今年は記録的な暖冬だったせいか、3月末になると梅の花はすべて散っていた。登山道の脇にも梅の林は見えたが、花はまったく見あたらない。

高尾梅郷

公園から山の方に少し進むと、浅川老人ホームに分岐するT字路で「蛇瀧水行道場入口」という案内板が見つかる。ここで左折すればあとは道なりにまっすぐ進むだけだ。

蛇瀧水行道場入口

登山道の途中に駐車スペースがあり、そこまでは車でも上がれるようだ。

しかし見たところはお寺の関係者専用という感じ。しかも台風19号で一部路肩が崩れたところがあり、途中から車両進入禁止になっていた。

高尾山の蛇滝ルート

かなりマイナーで寂びれたルートと予想していたが、案外道はしっかりしていた。蛇滝までは1号路と似た感じで路面が粗く舗装されている。

滝から流れた沢沿いに進めるので、川が近く6号路に似た雰囲気もある。そういえばあちらも修行に使われる琵琶滝があった。

門の前から蛇滝らしきものがチラッと見えるが、ここは信徒以外立入禁止。午後4時を過ぎて下山する頃には、厳重に鍵もかけられていた。

高尾山の蛇滝道場

勝手に入って滝に打たれると、不法侵入で逮捕される。

蛇滝ルートの状況

石段を上って蛇滝の道場を過ぎると、いよいよ本格的な登山道が始まる。

高尾山の蛇滝ルート

斜面はきついが道がジグザグになっているので、そこまで坂はきつくない。勾配のあるところはすべて階段になっているので、普通のスニーカーでも歩けるレベルだ。

ただし部分的に道が狭く、うっかり谷側に滑落すると大けがするおそれがある。高尾山への裏ルートに見えて意外と通行人が多く、常に道を譲り合うかたちになる。

石の階段脇には箒が掛けられており、修行のためかきれいに掃き清められている。ここが一番の難所で、あとはなだらかな木の階段が続く。

高尾山の蛇滝ルート

距離的にはそれほど長くなく、体感的には1号路より楽ではないかと思った。

平均勾配は蛇滝の方がきついはずだが、階段が多く設置されているおかげかもしれない。階段のない1号路の急斜面を上り下りすると、足首やつま先が痛くなってしまう。

無料で入れるビアマウント展望台

蛇滝の終点近くに2号路への分岐がある。

そのまま連続して2号路の方に進めば、混雑する1号路と合流せずに4号路に乗り継げる。薬王院に参拝する用事がなく、人混みを避けて山道を歩きたいならおすすめのルートだ。

2号路に向かわずそのまま坂を上り切ると、ちょうどケーブルカー駅と1号路が合流する広場に出る。ここで駅の方に向かえばトイレも借りられる。

高尾山中腹の広場

何年も高尾山に通っていて、まだ一度もケーブルカーを利用したことがない。山の中腹にある駅も今回トイレに寄る際、はじめて見た。

高尾山のケーブルカー駅

ついでにビアガーデンにも上がってみたところ、頂上の展望台は無料公開されていた。日中は特に食料・飲み物を買わなくても中に入ってくつろぐことができる。

高尾山ビアマウント

八王子方面と中央道の方がよく見渡せるので、テーブルと椅子を借りてお弁当を食べるのもいいだろう。ビアマウントに上る階段がきついので、なかなか普通の人はここまで上がってこない。

暖冬3月の高尾山は平日も混雑

そこから1号路に戻って薬王院経由で山頂に登ってみた。

平日だが天気が良いせいか、思ったより観光客が多い。コロナウイルスの影響で、街に遊びに行くより山のレジャーが人気なのかもしれない。

高尾山の山頂付近

昨日から東京都の感染者が急増したので、今週末は首都圏で外出の自粛要請が出ている。

高尾山もここまで人が多いと濃厚接触は必死。クラスターが発生するおそれもあるので、さらに混みそうな休日の登山は控えた方がいいと思う。

4号路~蛇滝ルートで下山

山頂トイレの脇にある分岐から、今度は4号路経由で下ってみた。長らく歩いた覚えのない道なので、ここを通るのは初めてかもしれない。

高尾山の4号路

蛇滝ルートより道幅は広いが、手すりのない急斜面なので滑落に注意が必要。1号路ほどではないが、そこそこ人通りも多い。

斜面のきついところは階段が整備されているので、とりわけ歩きにくいことはない。お寺のまわりに階段ばかりある、1号路よりむしろ楽かもしれない。

4号路の売りは途中にある大きな吊り橋。つくりは頑丈だが結構揺れるので、子どもたちがおもしろがって飛び跳ねていた。

高尾山4号路の吊り橋

道なりに進むと薬王院の入口、浄心門の手前で1号路と合流する。4号路からそのまま2号路経由で蛇滝まで行けるので、完全に1号路を迂回してトレイルを歩き続けることも可能だ。

蛇滝ルートの下りもそれほどきつくはないが、すれ違う人が多いので神経を使う。途中の道場を過ぎて車道に変われば道は広くなる。

高尾山、蛇滝の道場

滝から梅郷まで区間は、木陰の中を沢沿いに気持ちよく歩ける。車道の勾配も1号路より緩やかに感じる。

木下沢梅林はコロナで閉園中

公園で自転車をピックアップして、ためしにそのまま小仏峠の方に向かってみた。

途中で日影沢ルートへの入口を見つけたが、台風19号の影響でやはり閉鎖中。

高尾山の日影沢ルート

中央線の下をくぐってT字路を右に折れると、木下沢梅林という観光名所がある。

梅林への分岐

毎年、梅の開花時期のみ公開される梅園らしいが、今年はコロナウイルスの影響で閉園中。3月14~15日の梅まつり自体も中止になっていたようだ。

コロナウイルスで梅まつり中止

木下沢梅林の先から景信山にアプローチできる登山道があるはずだが、こちらも台風被害で通行止めになっていた。

景信山へのルート

高尾山付近の微妙なルートは軒並み被害を受けたようだ

駅につながる主要コースに比べて、観光的なニーズもそれほど高くない。台風の襲来から半年近く経ってもこの状態なので、完全復旧にはまだ時間がかかりそうだ。

景信山~小仏にいたる登山道入口

木下沢梅林にいたるT字路から先は徐々に勾配がきつくなる。この先には小仏バス停があり、尾根沿いに景信山に登る道がある。

旧甲州街道、小仏峠への道

さらに旧甲州街道の終点からダートを上れば、小仏峠にも辿り着くはず。閉鎖中の日影沢、木下沢梅林~景信山ルートも含めて、未開拓のコースが3つあることを確認できた。

陣馬山から高尾山は何度か縦走したことがあるので、今後はこうした脇道も歩いてみたい。小仏バス停が拠点になるが、今日のように自転車で自走してくることも可能だと思う。