3Mのダイノックフィルムで手帳用のペンホルダーを自作する方法

エルメス手帳カバーGMのリフィル改造に合わせて、ペンホルダーも自作してみた。手帳用には後で修正できるシャープペンシルを合わせるのが好みだ。

システム手帳にもともと付いているペンホルダーは太すぎたり細すぎたり、愛用のペンに合わないことが多い。リフィル側に装着するカード型のペンホルダーも、側面からはみ出しすぎて使いにくかったりする。

手帳用のミニペンを差す程度なら、ホルダー部分は自作した方が早いと気づいた。市販のシートを用いて、そこそこまとも見た目のペンホルダーを自作するアイデアを紹介しようと思う。

ダイノックフィルムで文具をカスタム

いろいろ試した中で、一番しっくりきたのが3M製のダイノックフィルムというシート。塩化ビニール製だが、適度にシボ感があるマットブラックのシングルカラーPS-504なら革製品にも似あう。むしろチープな合皮より高級に見えるくらいだ。

ダイノックフィルムはインテリア用のシートなので、接着強度は十分に確保されている。裏側の剥離紙に印刷された目盛りで寸法を測り、カッターで簡単にカットできる。革っぽい見ためのものから、木目、金属、大理石などバリエーションも豊富にそろっている。単価も安いので、手帳やノート類のカスタマイズにはおすすめだ。

たとえば超小型のカードサイズダイアリーに、ミニペン用のペンホルダーを自作する案。これだけで簡易的なサブ手帳が仕上がる。

オートのミニモにカード型のペンホルダーが付いてくるが、プラスチックの質感が安っぽすぎる。黒っぽいシートで自作すれば、ペン先を保護する余長も確保しつつ、シックな外観にアレンジできる。

ペンホルダーとリフィルカバーを自作

手帳カバーにセットするハンディピックのリフィルに、ダイノックでペンホルダーを付けてみた。フィルムをループ状にカットして、表紙に貼り付ける。ペンホルダーだけだと見た目が微妙だったので、リフィルの表紙部分をすべてフィルムで覆ってみた。

さらにおまけで、レシートやカード類を挟めるあおり型のポケットも加えてみた。細部をよく見れば手作り工作感が出ているが、パッと見は既製品と思われるくらいのクオリティーに仕上げることができる。差しているのは伊東屋のオリジナルシャーペン。

ハンディピックのダイアリーは表紙の色が派手なので、黒革の手帳カバーといまいちミスマッチだった。フィルムで表紙を隠すと、さほど厚みも増やさずに外観を地味におさえられる。カバーに隠れて見えない裏側の表紙は、フィルムがもったいないので加工を省略した。

ペンホルダーの内径は太軸の万年筆から細身のミニペンまで、手持ちの筆記具に合わせて自由に調整できる。締め付けが強すぎるとペンを抜き差ししにくく、逆にゆるすぎるとすっぽ抜けてしまう。市販品の組み合わせでは、個々のペンに対する最適なフィット感を実現するのは難しい。

ペン先を保護するメリット

たまたまカバーとリフィルの幅に余白があったので、ここにペンホルダーを挟むとすっきり収まった。手帳の厚みが増さず、さらにカバーで筆記具を保護できる。カバーとのサイズ差を利用してペン収納スペースを確保するため、あえて小型のリフィルを差すのもありだ。

手帳のペンホルダーはバタフライ式などいろいろあるが、カバーの外にペンが露出すると弊害も多い。カバンやポケットの中でペン先が暴れて、服や指先に刺さったりする。また、ペン全体を覆うタイプのホルダーでないと、まわりと擦れてペンが傷んでしまう。

ペンホルダーを自作するときは、ペン先まで保護できるよう十分な長さを確保するのがおすすめだ。こうするとシャーペンの芯が少し出た状態で収納できて、次の書き出し時にノックしなくて済む。

手持ちのシステム手帳に、クリップ部分を軽く引っ掛けるだけのペンホルダーしかついていないなら、ペン先だけ保護するパーツをアタッチするのもおすすめだ。見た目はいまいちだが、ペン先がほかに引っかからず、利便性は格段にアップする。

ペンホルダー製作事例

手持ちのシャーペンに合わせて、ダイノックフィルムで3種類のペンホルダーを自作してみた。

①エクリドールXS

長年愛用しているカランダッシュのエクリドールXS。ミニ5穴規格にもマッチする短さながら、適度に太い六角形胴軸で、シャーペンは消しゴム付きなのも便利だ。これに合わせて若干太めのペンホルダーをつくってみた。

真鍮製のロジウムメッキで多少重いのは気になるが、製品の格としてはエルメスの手帳カバーにもよく似合う。胴軸に装飾的な模様が施されているが、滑り止めという実用的な意味もある。全体が均一なシルバー基調なので、それほど嫌みもなくミニマムなデザインに見える。10年以上使って何度か修理にも出したら、塗装が剥げていい具合に味も出てきた。

ただし、リフィルをハンディピックからトラベラーズノートに替えると、太軸でカバーからはみ出るてしまうのは残念。ホルダーは長めにつくったので、ペン先が暴れることはない。しかし、パスポートサイズの手帳はズボンや上着のポケットに収まるギリギリなので、ペンホルダーがよく引っかかってしまう。

②ZOOM717

トンボのZOOM707~717シリーズは、1,000~2,000円で買えるちょっといいペンだ。国内メーカーでこのくらいお金を出せば、十分に所有欲を満たせる製品が手に入る。

細身なわりに実用性と高級感を兼ね備えていて、エルメスの手帳に差しても違和感がない。ゴム製のグリップ部分が汚れてみすぼらしくなるのが難点だが、握りやすさを優先して素材を選んだのだろう。

デザインがポストモダン風で古臭い感じもするが、発売から30年も経って時代が一回りするとかっこよく見える。イエローのモデルを黒革の手帳に合わせると、まるでBRAUNの時計のようだ。バウハウス風のミニマムデザインに見えてくる。

以前はLAMYのSpiritという細軸の競合品があったが、残念ながら製造中止されてしまった。この2本、極細でグリップ部だけ膨らませたデザインは普遍性があると思う。長時間の筆記にもそこそこ耐えられるという、絶妙な握りやすさをそなえている。ZOOMのシャーペンに消しゴムはついていないが、Spiritは細身の軸にしっかり消しゴムも内蔵していた。

ZOOMは通常の筆記用より手帳用ミニペンとしてのニーズがあると思う。707は全長139mmもあり、長すぎて6穴やパスポートサイズの手帳からはみ出してしまう。全長115mm、ショートタイプのZOOM717が出たときはうれしかったが、なぜか早々に販売終了してしまった。プレミア価格だが、まだ一部で流通している。

ZOOM717に合わせた太さでペンホルダーを作ってみたが、グリップ部分の摩擦が強すぎて抜き差しするのに苦労した。思いつきで、グリップ部分だけで支持するホルダーもつくってみたが、使用感はたいして改善されなかった。

ZOOM707の30周年記念モデルのように、グリップ部も金属ならペンホルダーの滑りもいいと思う。

高級感のある金属素材の握り手、クリップ先端の球体もモノトーンの配色で、717の限定版が出てくれるとうれしい。

③ミニモ

手帳カバーからはみ出ない細さを追求するなら、オートのミニモが最適だ。おそろしく軽いので、エクリドールと交換したら持ち運びのストレスがぐっと減った。

胴軸に余計な凹凸もないので、ペンホルダーへの着脱もスムーズ。この点は同じ細身シャーペンのZOOMより便利だ。手帳用だけでなく、本のしおり替わりにして、そのまま線引きにも使っている。小さすぎるのでしょっちゅうなくすが、家に何本か常備して使い分けている。

ミニモはクリップの圧力が弱いので、ホルダーの締め付けがゆるいと勝手にペンが飛んでいってしまう。グリップ部も細すぎて、エクリドールやZOOMに比べると握り心地はいまいち。見た目も値段相応にチープに見える。そしてシャーペンには消しゴムもついていない。

いろいろ不便な点はあるが、日ごろ持ち歩く手帳に差すペンとしては、軽さを優先したいと思った。エクリドールやZOOMの高級感は魅力的だが、トータルで考えた実用性はミニモが勝る。

ミニモのサイズと重量なら、ダイノックフィルムでペンホルダーをつくって、あらゆる手帳に取り付けられるだろう。ペンホルダーが狭かったり広かったりして気に入らないシステム手帳も、リフィルの端にミニモをくっつければDIYで解決できると思う。

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