親知らず抜歯当日の過ごし方。出血対策と痛み止め、患部の消毒

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親知らずが横向きに埋まって難易度の高い抜歯だったが、手術はトータル30分くらいで終わった。口の中を切ったり骨を削ったり荒々しい作業を行うわりには、日帰りで済ませられる現代医療はすごいと思う。

入院せずにすぐ帰してもらえる手軽さの反面、術後の出血・痛みや食事のコントロールは自分で配慮しないといけない。仕事を休んで安静にするのは第一として、いつ食事を再開するか、薬を飲むタイミングなど疑問が出てくる。

個別の状況によってケースバイケースだが、参考までに術後の過ごし方や薬を飲んだタイミングについて紹介したい。

翌日の診察で経過良好と言われ、今のところ腫れも小さくて済んでいる。抜歯後に歯医者のウェブサイトや体験談をいろいろ調べてケアしたので、対策としては間違っていなかったと思う。

抜歯後の出血が止まらない

治療が終わってから3時間経っても、まだ血が止まらない。家に帰って仮眠をとっている間に、圧迫が緩んでしまったのだろうか。その間もずっとガーゼを噛んでいたが、圧力が足りなかった可能性がある。

後から調べたところ、横になると患部が心臓と同じ高さになって血圧が増すため、抜歯後すぐに寝るのは逆効果らしい。安静といっても、椅子に座ってじっとしている方がましなようだ。

応急処置のRICEと同じことだろう。しかし病院でもらった注意事項によると、腫れた頬の外から氷で冷やすのは逆効果らしい。濡れタオルで押さえる程度なら差支えないようだ。

抜歯当日の過ごし方

おとなしく椅子に腰かけて、Amazonプライムでテレビドラマ『”結婚できない男”』の続きを観た。ところどころ思わず笑ってしまう場面が出てくるので、顔を動かすと患部が引きつって痛む。気分を明るくしようと思ってコメディーを選んだが、結果的にはいまいちで1話分しか進められなかった。

他にもパソコンを立ち上げてブログを書くくらいなら問題ない。むしろ安静状態を妨げない程度に、何か作業をしている方が気がまぎれるようだ。本を読んでいるくらいだと、口の中の出血や痛みがどうしても気になってしまう。

術後はしばらく運動を控えるように言われているので、自転車に乗ったり散歩するのも避けた方がよいだろう。ひたすら血行が良くならないように、インドアな趣味に打ち込んだ方がいい。

コップに血入りの唾液をためる

術後しばらく血が止まらない間は、毎回洗面所まで排出しに行くのが面倒だ。

血が混ざった唾液があたりに飛び散って、壁や服を汚してしまう懸念もある。見た目はグロテスクだが机の脇に汚れてもいいコップを置いて、タンツボのよう血を吐くのが効率的だとわかった。

口の中に血が出るたびにペッペと吐き出すと、数時間で100mlくらい溜まった。止血のためには、抜歯後に出てくる血と唾液はこまめに飲み込んで排出した方がいいらしい。

自分の血を飲んでも健康に害はないと思うが、気分のいいものではない。その都度コップに吐き出す方がまだましだ。

予備のガーゼは買っておいてもいい

術後6時間経ってから食事のためにいったんガーゼは外した。替えのガーゼは持ち合わせがないので、一度口から出したガーゼを再利用するつもりだった。

しかし血まみれの布きれを見ると、それをまた口に入れるのは気が進まない。結局、止血が中途半端なまま、圧迫はやめることにした。さいわい唾液と一緒に出てくる血の量も、少しずつ減ってきたと思う。

その日は結局、寝る前まで血を吐き続けたが、だんだん唾液と混ざってピンク色になってくる。手術直後より出てくる血の濃さが減ってきているので、時間が経てば出血は収まりそうな兆候は見られた。

枕が血で汚れる問題の対策

寝る際はウェブで推奨されていたとおり、枕を血で汚さないようタオルを敷いて寝た。

昔から鼻のとおりが悪かったので、睡眠時は口呼吸してしまう癖がある。普段でも、朝起きると枕が唾液でべっとり汚れていることが多い。案の定、朝見ると敷いたタオルに唾液と混ざった血が染み込んでいた。

寝ている間の出血が予想以上に多く、タオル一枚では間に合わなかったようだ。枕カバーを伝って枕の内部まで汚染されている。

通気性は悪くなるが、抜歯後は枕にビニール袋でも被せて、その上からタオルで覆った方がよかったようだ。自分の分泌物とはいえ、枕に血痕が残るのはぞっとしない。

翌朝も、うがいをすると大量の血が吐き出された。しかし一晩経つとだいぶ出血が収まったようで、朝食後はほんの少し唾液に血が混ざる程度に減った。ここまで来れば、もうガーゼを噛んだりして圧迫する必要はないだろう。

痛み止めの飲み薬はよく効いた

出血については、患部を心臓より上にして圧迫するくらいしかできることがない。しかし化膿止めと痛み止めとしては、病院で以下の飲み薬を受け取った。

  • アモキシシリンカプセル205mg(細菌を殺す抗生物質)…毎食後2個、5日分
  • セレコックス錠200mg(痛み止め)…初回2錠、以降は1錠ずつ6時間空けて

親知らず抜歯後の薬

痛み止めの薬を飲むタイミングは任意だが、胃が空の状態だと刺激が強そうだ。とりあえずウィダーゼリーを1パックだけ摂取してから、両方の薬を飲んでみた。

術後6時間で徐々に痛みは強くなってきていたが、セレコックス錠を飲んで1時間ほど経つとだんだん和らいできた。そのまま夜も気にならずに寝られたので、薬は効いたと思う。

翌朝は患部に刺激を与えなければ、特に痛みは感じない。残りの錠剤は温存して、万が一悪化した場合にそなえようと思う。

薬を飲む前に胃の粘膜保護

抗生物質のアモキシシリンは特に効果を実感できるものではないが、医師からは5日分しっかり飲み切るように指示された。これは食後に飲むことになっているので、たとえ痛くても薬を飲むために3食とらないといけない。

手術当日は術後6時間で軽食後に2錠。さらに買物してジェルやドリンクを何本か摂取し、その2時間後くらいに夕食分の2錠を飲んだ。

もし流動食も受けつけないほど痛みが強い場合は、牛乳や飲むヨーグルトで胃の粘膜を保護してから飲んだ方がいいと思う。自分は慢性胃炎を患っているので、薬の刺激で胃が痛くなるのはつらい。膝の治療で胃が荒れるロキソニンを飲む際は、胃薬のレバミピドが欠かせなかった。

ネオヨジンのうがい薬も支給

飲み薬とは別に、ネオヨジンガーグル7%といううがい薬も支給された。イソジンのような茶色の液体で、水で薄めてうがいに使う。血餅を保護するために強いうがいは厳禁だが、1日3回、歯磨きの後に少し口に含んで殺菌するようにした。

ネオヨジン

このポビドンヨード液は、服に付くと明らかに染みになりそうな褐色の液体だ。吐き出す際は、血入りの唾液と同じくらい気をつかう。洗面台の陶器にも色が付くのではと心配したが、さすがにそこまでの威力はなかったようだ。

これとは別に、整形外科で支給されているメコバラミン(ビタミンB12)とリリカ(神経障害の鎮痛剤)も服用した。口腔外科には事前に確認してもらったので、飲み合わせは問題ないのだろう。

神経性の疼痛を抑制するリリカが、抜歯後の痛みにも効いてくれるとありがたい。しかし効果のほどはわからなかった。今回はセレコックスだけで十分効いたように思う。

睡眠時間が増える

リリカの副作用として眠気やめまいが出ることはよく知られている。抜歯の後に気を失いそうになったのも、常用している薬の副作用があったのかもしれない。

抜歯当日の夜は、痛み止めがよく効いて普段どおりにぐっすり眠れた。8時間は睡眠をとったと思うが、午前中に病院に行って帰ってきたら、またすぐ眠くなった。そのまま2時間半くらい仮眠をとったので、普段より明らかに睡眠時間が増えている。

傷口を治すために、体が自然と睡眠を欲しているのかもしれない。銃創を負ったゴルゴ13が、野生動物のようにひたすら横になって自然治癒するのを待つストーリーを思い出した。

さいわい術後は3連休で特に用事も入れていなかったので、積極的に睡眠をとって治療に専念することにした。人と会う予定もないので、ヒゲも剃らずに済む。頬の腫れている部分は押すと痛いので、しばらく洗顔も髭剃りも避けたい。

翌日は病院で患部消毒

手術翌日に患部を消毒してもらった。薬品を含ませたガーゼを数回当てるだけで、特に痛みもなくすぐに終了した。

翌朝は思ったほど顔が腫れず、痛みもほとんどなくなってきている。自然にしていれば無痛で、口を動かして縫合個所が引きつるとチクッとする程度。食べた物が口の中で抜歯跡に当たると痛む。

経過は順調で、一週間後に抜歯の予約を入れさせてもらった。そこで今回の抜歯個所が治ってきていれば、今度は右下にある最後の親知らずを抜いてもらうことになった。少なくとも口の左側でものを噛めるくらい回復していれば、右側を手術しても問題ないと思う。

11月に入って急に涼しくなってきたので、できれば湯船につかりたい。しかし医師によると、本格的な入浴はまだ2~3日控えた方がよいとのことだ。シャワーだけだとかえって風邪をひきそうなので、もっと温暖な季節に抜いてもらえばよかったと思った。

人生でそう何度も体験するものでない親知らずの抜歯。40歳過ぎてからだと遅かった気もするし、隣の歯もすでに虫歯になってしまっている。2週続けて抜歯と治療生活を送るのは気が重いが、もっと面倒になる前にまとめて片づけてしまった方がよいかと思う。