所得ゼロでついに(ほぼ)無税生活を実現!住民税均等割だけ5千円

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平成30年度の市民税・都民税通知書が届いた。退職してから約1年半、翌年は年度途中までの給与で微妙に所得が残ってしまったが、昨年度は1円起業して給与を低額に抑えた結果、とうとう所得がゼロになった。

所得ゼロでも5千円はかかる

月給6万で年収72万。ここから基礎控除給与所得控除、社会保険料に小規模共済等(iDeCo分)を差っ引くと、余裕で所得がゼロになった。講演料などの微妙な副収入もクリアし、余った分は株取引の利益から引けるというサプライズもあった。

予想通り、住民税計算における所得割額もゼロ。東京都における均等割額、市民税3,500円と都民税1,500円の合計5,000円だけ課されることになった。

赤字会社の均等割は7万円

厳密には、会社が赤字でもそちらの法人住民税均等割りが7万円かかる。合計75,000円が無所得の会社経営者にかかる最低ノルマといえそうだ。扶養する家族がおらず、本当に事業の売上がないなら、個人事業に戻して国民健康保険に入る方がもっとリーズナブルだろう。

実際にはブログの広告収入や、細々と続けている受託開発でそれなりに売上が立ちそうなので、経費化の自由度が高い合同会社は維持しておきたい。会社を駆使した節税はもはや趣味ともいえるので、7万円の年会費を払ってでも実地で税金の勉強を続けたい気分だ。

住民税は納付が面倒なので口座から引き落としに設定してもらっている。逃れようのない税金だから、少しでも事務作業の手間を減らした方がベターだ。年額5,000円だと年4回の分割にならず、第1期の7/2に全額引き落とされて終わりになるようだ。

福沢諭吉の税金論

話は変わるが最近、福澤諭吉の『学問のすすめ』を斎藤孝の現代語訳で読んだ。

その中に、「世の中に税金を払って政府の保護を買うほど安いものはない…道理において出すべきだけではなく、安い買い物でもあるのだから、税金はあれこれ考えずに気持ちよく払うべし」というフレーズがあった。ちょっとドキリとしたが、以前知り合いに節税の手管を披露していた際に同じことを言われたのを思い出した。

確かに、ホンジュラスやベネズエラのようなワースト犯罪率を誇る国に生まれたとしたら、まともに商売をするどころではなかっただろう。折に触れて「日本に生まれたこと自体が幸せ」とはよく言われるが、しかしそれでも「稼いだお金はどんどんお上に献上しましょう」という理屈にはならない。

税金を学問することこそ大義

個人的には、税金に対するリテラシーを高めることは、政府のお金の使い方を監視する市民の義務ではないかと思っている。国家の方が、法外に高い分離課税や源泉徴収で税金を取りっぱぐれないよう締め付けてくるから、それに反感を覚える気持ちもある。

福澤諭吉が西洋のことわざを引用して言うには、

愚かな民の上には厳しい政府がある…これは政府が厳しいというより、民が愚かであることから自ら招いたわざわいである。

それから100年以上経っても、相変わらず国民も国家も愚かなままといえる。

隣の中国よりはましかもしれないが、結局日本でも欧米のどの国でも、福澤が掲げた理想的な社会契約は実現したためしがなさそうだ。今後も人類は愚かなままだろうから、少しでも税金について「学問」して、実利を得る方が得策である。

あえてポジティブに考えるなら、むしろ経済的なハンガーストライキを通して、国家予算の使い道を正す方向に訴えることが「報国の大義」でないかと思われてくる。個人的には古典的自由主義が性に合うので、小さな政府と自由市場、レッセフェールに誘導したい。

公証人手数料の撤廃議論

5/18の日経新聞に、「法的根拠のない起業時の公証人手数料5万円を撤廃すべき」という論説が載っていた。1円で起業できるといいつつも、裁判官・検察官OBの天下り先である謎の公証役場になけなしの5万円を納めるのは釈然としない。

これまで何社も立ち上げているから、毎回の設立費用や法人所得税でもう累積100万円以上支払っているかもしれない。どれだけ節税していても、実は普通のサラリーマンより税金を納めているとわかったら悲しい。

e-Taxや行政手続きの電子化を進めるより先に、根拠不明の公証人手数料は今すぐ撤廃してほしい。これも国民が無知であったために、長く残ってしまった悪政のひとつなのだろう。契約書に毎回貼らせられる収入印紙など、所得税・法人税・消費税以外に課されている不思議な税金も多い。

国等と交わす契約書の一部は非課税

自治体との契約の場合、なぜか先方分の印紙代も企業持ちという商習慣が長らく謎だったが、あらためて調べると自社側の契約書は非課税扱いで印紙を貼らなくてよかったようだ。印紙税法4~5条に当該の記載があり、国・地方公共団体との契約では、民間側が保存する契約書の方は非課税とある。

印紙税について文句の一つでも言ってやろうと思ったところが、また一つ勉強になった。税金の学問は奥が深いものだ。