廃道化した松姫峠の現状。奥多摩周遊でStravaの獲得高度1万越え

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ゴールデンウィーク最終日に、ロードバイクで奥多摩をロングライトしてみた。風張峠を越え、廃道化した松姫峠を通り国道20号沿いに笹子峠まで往復。帰りは松姫トンネルを抜けて鶴峠に上り、奥多摩の主要な峠を満喫することができた。

笹子峠STRAVA笹子峠STRAVA

Stravaの獲得高度がおかしい

Stravaの獲得高度が1万メートルを超えているのは何かおかしい。今回は途中でスマホのバッテリーが切れて終了してしまったが、記録が残っている鶴峠までの区間をルートラボに入れて比べてみた。

ルートラボ

ルートラボでは上り合計4,940m、下り合計4,402m。Stravaの「獲得高度」とは、上りと下りを合わせて数値なのだろうか。すると峠に上って下りれば、いわゆる獲得標高(累積標高)は2倍になってしまう。

そういう仕様だと仮定すれば、Stravaの獲得高度を半分にした値が本来の獲得標高だ

風張峠で輪行袋を落とした

武蔵五日市駅を経由して、檜原街道を都民の森に向かういつものコース。GW最終日で天気もよく、自転車・バイク・車に登山客も加わって峠道は混雑していた。

月夜見第一駐車場で湖を見ながら菓子パンを食べていると、サドル後方のボトルケージにセットした輪行袋がなくなっていることに気づいた。走行中の振動で脱落してしまったのだろう。目に見えない位置にあり、柔らかいので落とした際も音がしなかったのか、まったく気づかなかった。

月夜見第一駐車場のロードバイク

昨日買ったばかりで、まだ一度も使っていないGIANTの輪行袋。後戻りして探しても、谷に落ちていたら見つかる可能性は低い。お金の問題はともかく、山にゴミを落としてしまったことで心が痛む。

そのままいったん川野駐車場まで周遊道路を下ったが、やはり気になるので引き返して輪行袋を探すことにした。苦労して風張林道を上り直し月夜見第一駐車場に戻ると、なんとベンチの上に輪行袋が置いてあった。

見つかった輪行袋

駐車場の近くで落としていたのか、道中で拾ってくれた親切な人が目立つところに置いてくれたのだろう。大変ありがたい。まさかこんなかたちですぐに見つかるとは思わなかった。

輪行袋はまた落ちないよう、手持ちの反射材たすきでボトルケージにきつくしばっておいた。

輪行袋の収納状況

気を取り直して予定のルートを進む。小菅村に着く途中で、チャーちゃんまんじゅうのお店が開いていたので1個いただいた。無人に見えたが、受付のブザーを押すと母屋から威勢よくおばちゃんが出てきて対応してくれる。

チャーちゃんまんじゅうのお店

中身はあんこ以外に、よもぎや高菜もある。まんじゅうは具もおいしいが、厚めのもちもちした生地も楽しめる。奥多摩の貴重な補給スポットだ。

廃道化した松姫峠

小菅村を通過して松姫峠に上る。松姫トンネルの開通後は閉鎖され廃道と化しているが、北側斜面はまだ路面がきれいだった。

車で大月側に抜けることはできないが、土日祝日だけ小菅村から峠に向かうバスがまだ運行されていた。登山客向けのサービスだろう。

松姫峠に向かう道

松姫峠の大月側は、前回上ったときより大きなゲートが道をふさいでいた。車やバイクはここで通行止めだが、自転車ならかろうじて隙間から通り抜けられる。

松姫峠

松姫峠の南側は、北側の比べ物にならないくらい荒れていた。枯れ枝・落石だけでなく、巨大な丸太も横たわっている。

松姫峠、大月側の路面状況

途中には、廃道化するにはもったいないくらいきれいなトンネルが2つある。峠側の方は長いうえに内部に大きなカーブがあるので、ライトがないと真っ暗闇。かなりの恐怖体験を味わえる。

松姫峠のトンネル

国道139号と合流して坂を下と、深城ダムの湖が見えてくる。立地的に奥多摩湖の小川内ダムほど人気はないが、たまに見物客も見かける。

深城ダム

甲州街道~笹子峠で引き返す

深城ダムから長い下り坂を経て大月市街へ南下。甲州街道に入るとコンビニがあり、ようやく補給できる。そのまま道沿いに西に向かい、笹子峠を上る。

笹子峠の入口

峠の頂上で隧道に着いた時刻は16:30。余裕があれば、このまま甲州市に下って上日川峠~柳沢峠に上る予定だった。しかし輪行袋を探すため風張峠を2回上ったりしたので、大幅に予定時間を遅れ、体力も消耗している。安全策として、今日は笹子峠から引き返すことにした。

笹子峠の隧道

国道20号を戻る途中、パキンと音がして振り返ったらボトルケージが割れて、輪行袋が下に落ちていた。どうもサドル後ろのポジションは荷物の収納に向かないようだ。今回はすぐに気づいて落とし物を無事回収できたのでよかった。

松姫トンネルを自転車で走る

帰りのルートはこのまま大垂水峠を上って高尾に出てもよかったが、ためしに先ほどパスした松姫トンネルを走ってみようと思った。おそらく途中で日が暮れるが、新しく購入したGENTOSのヘッドライトを試してみたい気もした。

大月駅を過ぎて「高月橋入口」の交差点を左折し、再び小菅村に向かう山道を上る。ダム湖を越えて峠の分岐点に着いたのは18:30。ちょうどこの日の日没時間だが、まだ外は明るい。大月側から松姫峠に上る道は、トンネル入口前で通行止めになっている。

松姫トンネルの入口

松姫トンネルの内部には、自転車も走れる歩道があった。大月側2/3くらいの区間が、ゆるい上り坂になっている。すれ違うバイクや歩行者はなく、車もほとんど通らなかったので快適に走れた。

松姫トンネルの内部

トンネル経由なら小菅村~大月を大幅にショートカットできる。松姫峠が寂びれていくのは残念だが、トンネルの開通は自転車乗りにとってもうれしいことだ。

夜の鶴峠~甲武トンネル

松姫トンネルを出た先を右に曲がり、帰りは鶴峠の方へ向かう。小菅村から上る方の坂はきついが、完全に日が暮れる前にクリアすることができた。

夜の鶴峠

鶴峠から上野原市の方に下ると、山道でもところどころに街灯があった。ハンドル上のフロントライトとヘッドライトを併用すると、夜でも安心して走れる。棡原まで下り、最後の坂を上って甲武トンネルに到着。

夜の甲武トンネル

ここから檜原街道に出ると街灯が増えて路面もよくなった。いつもの練習コースなので土地勘もある。のんびり武蔵五日市まで走って、21時には拝島に着くことができた。

拝島駅の前にある奥多摩街道には、ビッグボーイとステーキガストの食べ放題店が2つ並んでいる。長い奥多摩ツーリングのあとは、どちらかのファミレスで栄養補給すると効率がいい。

笹子峠までの往復で、風張峠・松姫峠・鶴峠の3つをはしごすることができた。さらに山梨側に回って柳沢峠も上れたら、奥多摩周回コースとしては盛りだくさん峠を楽しめる。日の長い季節に朝早く出発して、甲州街道でしっかり休憩・補給できれば不可能でないと思う。