新燃岳警戒範囲ぎりぎり。霧島ホテルの名物、巨大温泉に行くなら今!

記事内に広告が含まれています。

鹿児島の霧島連峰は新燃岳だけでなく硫黄山も噴火して、物々しい雰囲気になってきている。何の因果か、こんな時期に霧島付近で仕事をすることになってしまい、東京から毎月のように飛行機で出張している。

ジェットスターやスカイマーク、LCCの常連なので利用するのはもっぱら鹿児島空港だ。噴火の状況によっては欠航する便もあるが、今のところ予定通り着陸できている。管制塔も普段から桜島噴火で鍛えられているのか、迂回ルートの誘導などお手の物なのだろう。

仕事場へは空港からレンタカーで移動するので、時間が余ったら付近の観光スポットを開拓している。霧島アートの森や妙見温泉もよかったが、やはり一度は霧島神宮を拝んでおきたい。空港から少々遠いが山道を車で登って向かってみた。

霧島神宮に参拝

霧島神宮の歴史は古く、6世紀の創建とされている。標高の高い森の中にあり、鳥取大山の大神山神社のような感じだ。

苔むした手水舎の雰囲気がよいが、派手な拝殿の装飾は中国の寺院のようにも見える。噴火の影響で度々炎上するらしく、現在の社殿は18世紀の再建だった。境内にさざれ石や、樹齢300年の巨大なスギの神木もある。

ひと気のない旧参道の階段も趣深いので、ぜひ歩いておきたい。このまま登山道につながっているので、余裕があれば山頂まで行ってみたい気分だ。天の逆鉾にちなんだ名物、鉾餅はサツマイモやシナモンが入っていて独特の味。丸型の茶色い八つ橋という感じで、お土産におすすめだ。

神宮から温泉街に戻る途中に道の駅がある。霧島の山並みはなだらかで、どこから見下ろしても絵になる。レストランからの眺めも抜群だ。

新燃荘はすでに通行止め

神社詣でのあとは霧島温泉へ。8kmくらい離れているが、森の中で気持ちいいドライブを楽しめるだろう。ホテルが密集している交差点付近は、湯気がもくもく出ていて草津温泉のように硫黄の臭いが激しい。

ウェブで調べて国民宿舎、新燃荘の日帰り湯に行ってみようと思ったのだが、さすがに途中の交差点から通行止めだった。今日は新燃岳の噴火も大人しいようで、山頂からプスプス煙が出ている程度である。

そのまま北上してみたが、硫黄山も噴火したため新床展望台から北の県道1号線は封鎖されていた。今日は北から来たので、えびの高原を通れれば霧島温泉までショートカットできたのだが、当面通行は厳しそうだ。

立ち入り規制区域に近い、大型の霧島いわさきホテルは昨年11/6から休館になってしまった。ほかの宿より標高が高いので眺めはよさそうだが残念である。

次に新燃岳に近い霧島ホテルはかろうじて営業していた。復興支援というわけではないが、ウェブの情報ではここの温泉がおもしろそうに見えた。日帰り1,000円と霧島では高級ランクだが、せっかくの機会なので立ち寄ってみることにした。

巨大なだけでなく種類も豊富

ゴールデンウィーク初日だが、噴火騒動のせいでさすがに客足はまばらだ。玄関で出迎えてくれるスタッフの顔にも、心なしか緊張感がみなぎっている。

手ぬぐいは1枚無料で貸してもらえるが、バスタオルはレンタル料を取られる。フロントから長い廊下を通って高千穂館・西館を過ぎると大浴場に辿り着く。

この硫黄谷庭園大浴場は並みの広さでない。屋根付きのスペースに25mプールくらいの巨大な立ち湯があり、水深も1.4mある。やや温度が高いのでじっとしていられないが、ホットヨガならぬ温泉水中ウォーキングを楽しめる。

名物の大浴槽は夜間レディースタイムで女性貸し切りになるが、風呂の中に男湯~女湯間を行き来できるゲートが設けられている。中にはバスタオルを巻いて男湯側に出てくる女性もいて、半混浴状態といえる。

湯船が広いだけでなく、温泉の種類も豊富で14種類もの源泉がある。さらに硫黄泉・ミョウバン泉・塩類・鉄泉とバラエティーに富んでいて、休み休み全部回ると1時間でも足りない。施設の外にも硫黄が濃い露天風呂がある。山の上からの眺望はないが、こちらはぬるめなので長く入っていられる。

千円で楽しめる温泉遊園地

湯量も種類も豊富な霧島ホテルは一大温泉レジャースポットだった。日帰りで1,000円は高いと思ったが、東京で2千円以上取られるスーパー銭湯やラクーアに比べれば圧倒的にリーズナブル。ディズニーランド並みの入場料を取ってもいいくらいの満足度だ。

硫黄や鉄の臭いが充満した浴場は、東京の温泉より本物感がある。さすがに刺激も強いようで、ぬるい硫黄泉に5分くらいつかっていると、頭がくらくらしてきた。温泉各所にいくつか水場が設けられているので、水分補給は怠らないようにしたい。

キャッチコピー「これが温泉だ!」は伊達でない。もはや遊園地のようなエンターテイメント性に圧倒されて、極楽気分を味わえる。湯上りには館内の展示やお土産を見たり、併設の硫黄谷庭園を歩くとさらにリラックスできる。温泉の創始者が植えた100年杉の林が見ものだ。

新燃岳や周辺火山の活動状況によっては、いずれ霧島ホテルも規制区域に入ってしまうかもしれない。連日のテレビ報道で、東京から見れば鹿児島~霧島全体がやばいと思われても不思議でない。風評被害で客足が途絶えて、他館のように廃業してしまう恐れもある。

霧島が全国に誇る巨大温泉エンタメ施設、霧島ホテルの硫黄谷庭園大浴場。温泉フリークなら今のうちにぜひ足を運んでおこう。