岐阜・福井県境の冠山峠を徳山ダム側からロードバイクで上る

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岐阜の本巣市~揖斐川町から福井に抜けるルートは、温見峠(国道157号)、冠山峠、高倉峠の3本ある。先日上った温見峠に続いて、標高1,050メートルの冠山峠にも自転車で向かってみた。

冠山STRAVA

冠山STRAVA

徳山バイパスの橋とトンネル

樽見駅から国道157号を北上し、馬坂峠を越えて徳山ダムにアプローチする。今のところ、山頂にはまだ雪が積もっていないように見える。

徳山湖

国道417号の徳山バイパスに入ると、徳山湖の北側を走る道はほとんど橋かトンネル。しかも「クツ尾ゴンニョ橋」など変わった名前がついている。

Wikipediaによると、水没した村の地名や伝承に由来するらしい。リストアップされた橋や隧道の名前はどれもユニークすぎる。これだけでちょっとした観光名所になりそうだ。

クツ尾ゴンニョ橋

途中にある駐車場には公衆トイレがある。最後のトンネル「塚白椿隧道」は総延長3,330m。ここまで来るとダムの管理か工事関係の車両しか通らない。トンネル内は何の警告もなく片側通行になっており、たまに対向車が走って来るので注意。

塚白椿隧道

トンネルを抜けると小雨がぱらついてきた。その先は福井側に向けて冠山峠道路第1号トンネルの工事中。2025年に完成予定で、開通すれば冬季も福井側と行き来できるようになる。

冬の冠山林道は落石・積雪に注意

トンネルの工事現場を抜けて細い道を進むと、林道塚線・冠山線に切り替わる。2林道の分岐点までは、そこそこハードな坂でガードレールもない。その先の交差点を右に進めば冠山峠、左に直進すれば高倉峠に進むことができる。

高倉峠・冠山峠の分岐

冠山林道の方をしばらく進むと、温見峠でも見た「洗い越し」が出てきた。流量はそれほどでもないが、部分的に水深が深いところがある

冠山林道の洗い越し
途中の落石状況はこの通り。さすがにロードバイクで通るのは無理なので、車体を担いで歩いて過ぎる。このくらい石が散らばった危険なゾーンが3か所くらいあった。

冠山林道の落石

まわりの山より標高が高いので、峠道の眺望はよい。近くに見える山頂が冠山と思われる。冠山峠から尾根沿いに歩いてアプローチできそうだ。

冠山

ゴールが近づいてきたところで、路面に雪が積もり始めた。ここもスリップが怖いので自転車から下りて歩く。

福井側の路面は凍結

峠のピークには、「冠山峠」の巨大な石碑と、近隣町村の目印がある。こんな寂しい林道にしては、モニュメントがやけに豪華だ。隣の酷道・温見峠より眺めもよく、観光的に充実している。案内板の向こうにはトイレがあり、その先を登山道が続いている。

冠山峠

福井側は北側斜面になるため、岐阜側より積雪が多いようだ。風もだいたい日本海側から拭いて来る。路面はすでにアイスバーンと化していて、普通の自転車で下るのは不可能に近い。

冠山峠の積雪

寒くても上りは汗ばむくらいのヒルクライムだった。帰り道でクリートがペダルにはまらないと思ったら、シューズの裏に氷が張りついてクリートの隙間をふさいでいた。携帯工具で苦労してこそぎ落としたが、ビンディングシューズで雪の上を歩くのは避けた方がよい。

温暖な時期なら楽しめそうな林道

林道の分岐点で高倉峠にも上ろうか迷ったが、天候が厳しそうなので今日はここで徳山ダムに引き返すことにした。下りが寒すぎて顔がこわばり、補給食もうまく噛んで飲み込めない。グローブとシューズカバーは2枚重ねでも手足が冷える。

冬の季節は厳しかったが、温暖な時期なら冠山峠は景色を楽しみながらサイクリングできると思う。登山口もあるため、こんな道でも観光バスが上がってくるらしい。その時期なら自転車でも走りやすくなっているだろう。

冠山峠の標高は温見峠(1,020m)とほぼ同じ。路面状況はさすがに林道の方が過酷だが、坂の傾斜も似たようなものだった。「渓流を眺めるなら温見峠、山を見るなら冠山峠」という感じだ。