JINSのブルーライトPC眼鏡レビュー。パソコン・スマホ以外でも大活躍

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フリーランスになって早寝早起きの健康的な生活になるかと思ったが、まったくそんなことはなかった。むしろ「朝決まった時間に起きる必要がない」という効果が大きく、24時間より長い体内時計のずれに従って、ずるずると夜型になっていくようである。

夜間にパソコンで作業すると、昼間よりも目が疲れる気がする。モニターの明るさは目いっぱい落として寝る前に目がさえないようにしているが、根本的な解決にはならない。もしかするとブルーライトの影響かもしれないと思って、JINS SCREENのPCメガネを購入してみた。5月に買って半年ほど使い込んでみた印象をレビューしてみたい。

ブルーライト被害には半信半疑だが…

数年前にブルーライト対策の商品が出始めた時は、マイナスイオンや水素水のように怪しげなものに思われた。可視光線の中で紫外線に近く、エネルギーが強いという理屈はわかる。

紫外線に近いライトがPCやスマホの画面から出ているとすれば、目に良くないのは明らかだ。網膜を痛めるとか体内時計が狂うというのはあり得そうだが、肥満になったり癌になるというのは睡眠障害による二次被害だろう。多少うさんくさい感じはあるが、わりと長年売れ続けているのと「目が悪くなる」というのは職業柄大きなリスクなので、試しに使ってみようという気になった。

CG制作やプログラミングという、事務作業より若干ヘビーなVDT作業に長年たずさわってきたが、幸いメガネやコンタクトのお世話になるほど視力は落ちていない。むしろ最近おしゃれにメガネをかけている人が増えてきたので、伊達メガネとしても使ってみたいという気持ちがある。

PCメガネはユニクロが最安

PCメガネの購入にあたって、価格はできるだけ安いのがうれしいが、見た目があまりに安っぽいのはNGだ。何となくJINSやZoffのような新興メーカーの方が、価格も安くてデザイン性にも優れている気がする。老舗は品質が高そうに思うが、ブルーライトのカット機能にそこまで違いがあるとは思えず、ファッション感覚でかけるなら安物でいい。

実はユニクロでもブルーライト対策のメガネが1,500円くらいで売られていたが、試着した感じはいまいちだった。パッと見はどれでもよさそうに思うが、実際顔にかけてみると「これじゃない感」があって我ながら吹き出しそうになる。

JINSのウエリントンで5,000円~

JINSのショップに並んでいたフレームを一通り試着してみたが、これはと思う製品がなかった。今までサングラス以外のメガネをかけて暮らしたことがないので、選び方のポイントがいまいちわからない。チタンの細いフレームはきざすぎて、スティーブ・ジョブズみたいな丸いフレームは漫才師みたいになってしまう。

理論的には面長タイプなので、ウエリントンかボストンタイプがいいらしい。スクエアやオーバルタイプなら税抜3,000円~で最安だったのだが、JINSのパッケージ商品で在庫があった、黒縁のウエリントンを選んでみた。

レンズの面積が大きいからか価格は5,000円に跳ね上がる。フレームの内側にApple製品っぽくDesigned in Tokyoとプリントされているだけあって、見た目は今っぽくて外れがない印象だ。イメージ的には”Portrait in Jazz”のBill Evansといったところ。

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ちなみにJINSでは好きなフレームにプラス5,000円で、SCREENタイプのブルーライトカットレンズにカスタムできる。通常フレームは8,000円以上するものが多く、合計で1万円は軽く超えてしまう。安いパッケージ版を試して気に入ったら、お気に入りのフレームを選んで買い増すのもありだろう。

25%のデイリーユースタイプ

レンズの濃さは25%、38%、60%の3種類あったが、カット機能が増すほど見た目もかけた感じも視界が黄色くなってしまう。伊達メガネとして違和感なくかけられるのは25%が限度だった。

機能的はやや物足りないが、それ以上だと中途半端なサングラスという感じになってしまう。逆に街中で黄色いメガネをかけている人はPCタイプだとわかるようになった。

また、目の前の人のメガネがやけに青く光ると思ったら、それはPCメガネだ。ブルーライトカットといいつつ、有害な光線を吸収するというよりは反射しているようだ。PCメガネをかけている人は、紫外線に近いブルーライトを人に向けて反射してくるので、なるべく目を合わせない方がいい。いずれタバコの副流煙・受動喫煙と同じく、ブルーライトメガネが規制されることになるかもしれない。

PCメガネをかけていると、目を向ける方向によって自分でも青い光が反射して見えることがある。その場合、透過・屈折したブルーライトが集中して目に入ってくるということになりそうで、ちょっと怖い。

目の前が黄色くなる

25%のカット率でも、PCメガネをかけると明らかに視界が黄色く変わる。普段見ている世界はこんなにブルーライトにあふれていたのかと恐々とする一方、セピア色に黄色くかすむ世界は『ブレードランナー2049』の放射能汚染されたラスベガスのようだ。体感的には以下の画像くらいの感じ。

モニターの前でメガネをかけると、多少画面の青っぽい感じが薄まるように思うが、25%程度のカット率ならモニター自体の色温度でも調整できると思った。最近は、スマホにもブルーライトを低減する表示モードがそなわっていたりするので、青寄りの光を抑えるという意味では、わざわざメガネをかける必要はないように思う。

せっかく買ったので夜間のPC作業ではなるべくメガネをかけるようにしているが、軽いプラスチックフレームとはいえ長時間かけていると鼻の頭が痛くなってくる。25%の気休め程度のブルーライトカット効果と、メガネをかけることで顔面が凝る副作用を比べると、使わない方がかえって体によさそうな気もする。

自転車の羽虫対策に役立った

本来のPC・スマホ作業での効果はいまいちだったが、思わぬところでPCメガネが活躍することになった。屋外で自転車に乗るときの羽虫対策だ。

毎年春先になると、河川敷や公園の近くに羽虫が湧いてくるが、自転車に乗っていると顔や目に当たってきて非常に不快な思いをする。片目に入るくらいならまだ運転できるが、鼻や口から侵入してくる羽虫は耐え難い。時期によっては、まるで羽虫のシャワーを浴びるようなので、呼吸を確保するためマスクが必要になるくらいだ。

近所にいくつかそういう羽虫スポットがあるのだが、ここでPCメガネをかけると目に虫が入るのを大幅に防ぐことができた。普通のサングラスだと、夜は真っ暗になってしまうのでかけながら自転車に乗れないが、PCメガネなら1日中使用できる。

羽虫だけでなく、目に風が入ってドライアイになりそうな不快感も軽減できたので、外で自転車に乗るときはブルーライトメガネが手放せなくなってしまった。

99%以上のUVカット機能あり

PCメガネはブルーライトについては25%のカット率でも、本物の紫外線は99%以上カットする機能を持っているので、クリアレンズのサングラスとしても役に立つ。

ブルーライトはともかく、紫外線が目に入って健康にいいという話は聞いたことがない。紫外線を浴びないとビタミンDが生成されず、骨粗しょう症になるという懸念があるが、目から取り入れる必要はないだろう。メラトニンやセロトニンの分泌にも太陽光が必要らしいが、そちらは可視光で済むらしい。

目の疾患を予防するため、自転車に乗るとき以外も晴れている日はPCメガネをかけて外出することが多くなった。真夏以外に「サングラスではちょっと大げさかな」と思われる時期でも、クリアタイプのPCメガネなら気兼ねなくかけられる。その意味でも、見た目が普通の25%タイプを選んでよかった。

デザイン・価格的にJINSがバランスいい

本来のブルーライトカット機能より、羽虫や紫外線対策として手放せなくなってしまったJINSのPCメガネ。ちょっとイメチェンしたいとか変装したいときにも、伊達メガネがあると便利である。

3,000~5,000円でユニクロよりは高いが、デザイン的にはやはりJINSを選んでよかった。Zoffは近くに店舗がなかったので比べていないが、おおむね同じ価格帯で似たようなクオリティーの製品が手に入る。普段パソコン仕事をする人でもしない人でも、1本持っておいて損はないPCメガネだ。

急ぎなら通販で買えるが、JINSの店頭で購入すると、めぐりズムのおまけやクーポン券をもらえるので、ちょっぴりお得だ。