エルメスのGM手帳カバーに自作の札入れ・小銭入れを合体させる案

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エルメスのアジャンダカバーGMに市販のコインケースを挟んでみたが、思ったより厚みが増えてしまい、イメージ通りにならなかった。財布部分をもっと薄くできないかと考えたが、siwa以上の既製品は思いつかない。

ペンホルダーを自作したように、簡易的な札入れ・小銭入れも自分でつくれないか考えてみよう。あらゆる極小財布を比較して理想を追求したが、思い通りにカスタマイズできればそれがベストだ。

紙素材で試作した札入れ・小銭入れ

パスポートサイズなら紙幣は折りたたまずに挟むだけの方が、閉じたときに厚みが出にくい。お札に無用な折り目もつけずに済む。しかし、札束をむき出しでリフィルの隙間に挟むと、見た目が生々しくて気が引ける。お札が汚れるのも気になる。

大峡製鞄のマチなし束入れの構造をヒントに、紙を2枚貼り合わせて簡単な札入れをつくってみた。工夫としては、薄型財布のAir Walletの仕組みを真似して、折りたたみ部分にスリットを設けている。中央と下端の2か所だ。こうすると二つ折りしたときに内側の紙がたるまず、厚みが出にくい。

コンセプト通りうまくいきそうだったので、東急ハンズの画材コーナーでもっと質感のよい紙を探してきた。画用紙よりも雰囲気がよかったのが布目調の紙だ。一見ペーパークロスのようだが紙素材なので、糊や両面テープで容易に接着できる。

手帳とコインケースは相性が悪い

試作品と同様、お札を挟むカバーを土台に、思いつきでコインケースもくっつけてみた。ポチ袋のような簡易的構造で、とっさの機会にそなえてコイン数枚を収められる方式だ。

見た目はそれっぽくなったが、小銭入れにマチがないと取り出しに不便だと気づいた。また、ふたの部分はスリットに端部を挟むだけでなく、マジックテープなどでしっかり固定しないと不安に感じた。そして問題は、前後のリフィルを手帳として使う際、コインの厚みで段差ができて書きにくくなってしまう点だ。

コインケースを組み合わせるのは難易度が高いと思ったが、札入れだけなら紙のカバーで様になるとわかった。万が一、財布を忘れた場合に備えて、手帳に予備の紙幣収納スペースを設けるには、これで十分。市販品を組み合わせるより、極薄の紙で挟んでおけば、目立たず汚れずかさばらず、十分に実用的だ。

カード型コインケース

街中では基本的に小銭を使わないと割り切って、紙幣とカードだけ手帳に挟んで持ち歩く手もある。しかし1円程度の端数で硬貨の持ち合わせがないと、お札で会計をするのは申し訳なく感じる。また、釣銭切れの自販機に遭遇すると千円札ではアウトだ。

いろいろ調べていて、カード型の台紙に必要最低限のコインをはめ込んで収納するテクニックを発見した。いつも財布にセットしているのは500、100、10、1円の4枚なので、これが収まれば十分。お釣りが出たらポケットに入れて、財布の中は非常用のコインだけという習慣がスマートだ。

厚紙をくり抜いて真似してみたが、手作業ではいまいちきれいに作れない。円形カッターも使えない直径なので、特殊な工具が必要だと思う。やすりで側面を削ってみたが、満足のいく真円はつくれなかった。

カード型のコインケースを手帳に挟むと、確かに筆記時に気になる段差は減る。しかし、お会計時にコインを取り出すのは一苦労だ。対面でない自販機なら問題ないが、レジの前でせかされると焦ってしまう。そして下手にDIYした財布を人目にさらすのは、思ったより恥ずかしい。

そもそも改造に向かない製品では?

いろいろ考えると、トラベラーズの製品群と違ってエルメス手帳はカスタマイズに適した設計になっていない。最低限、左右にポケットは付いているが、伊東屋カラーチャートのようにカード入れまでは設けられていない。ペンホルダーもなしのタイプを選んだので、このシンプルな外観を損なわないよう、手帳単体として使うのが理に適っていると思った。

機械式時計にたとえるなら、ピアジェやオーデマ・ピゲの薄型手巻きキャリバーという感じだ。2mm以下の極薄ムーブメントを実現するには、ローターはおろか、カレンダーも秒針も省略せざるを得ない。スモールセコンドですら不要だ。

そういう研ぎ澄まされたコンセプトの製品に、余計な装飾やカスタムパーツを取り付けるのは無粋というものだろう。エルメスの手帳は、せいぜい他社製リフィルに差し替えるくらいで、財布と合体させることは考えない方がいい気がしてきた。

いつかはエルメスにカスタムオーダー

エルメスほどの高級ブランドだと、お金さえ積めばカスタムオーダーに対応してもらえる。通常は革素材やステッチ・金具の色、イニシャル刻印程度のパーソナルオーダーだと思うが、予算次第で型紙から起こしてくれるのではないかと思う。

もし将来、死ぬまで使い切れないくらい貯金ができたら、世界でたった一つの最高級ミニ財布&手帳の企画をエルメスに持ち込んでみたいと思う。まずは街中の職人さんに試作してもらって、うまくいきそうだったら極上革で仕立ててみたい。

ハイエンドな牛革は十分堪能できたので、今度はエイとかアザラシとか変わった革でもいい。エキゾチックレザーならカミーユ・フォルネの方が専門だろうか。将来はまた持ち物の趣味も変わってくると思うので、じっくり検討してみたい。