東京~仙台間の高速バスはぜひ昼行で。羽生SAの江戸処が楽しすぎる

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最近の旅行ではもっぱら青春18きっぷを使っているが、春夏秋の季節限定なのでタイミングが合わないときがある。中途半端な時期に旅することになった場合、東京から京都~仙台くらいの距離なら、高速バスをよく利用する。

トイレ付き3列シート昼行を選ぶ理由

高速バスは4列シートの最安レベルから、ウィラーの高級車までいろいろ試してきた。予算と快適さのバランスでいうと、個人的にはトイレ付き3列シートの昼行タイプがベストだ。

夜行は旅先での滞在時間をフルに使えて便利だが、さすがにリクライニングシートだと熟睡できず、徹夜明けのようにぐったりしてしまう。4列シートは隣に人が座ると、LCCのエコノミーより劣悪な環境にある。

また、どれほど高級な2列シートだったりしても、トイレの付いてないバスは論外だ。たいてい2時間おきにサービスエリアで休憩タイムを取ってくれるが、コーヒーやお酒を飲んでいると、どうしてもトイレが近くなる。

11月半ばの平日、東京~仙台間で上記の条件を満たす高速バスは、楽天トラベルで検索すると片道3,000円から用意されていた。帰りは休日前の金曜になったが、こちらも4,000円で予約できた。

所要時間は6時間ほどなので、18きっぷで行くよりやや早い。片道3~4円でチケットが取れれば、料金的にも大差ないレベルだ。4列シートだと2,000円台のさらに安いバスもあるが、移動中は貴重な作業時間なので、数100円アップでも快適さを優先したい。

運が良ければ座席に電源付き

往路で使ったJRバスは、各座席に充電用のコンセントが付いていて便利だった。移動中、数時間スマホを使っていると、さすがに電池が持たないのでモバイルバッテリーは必須。バス内で充電できて、少しでも消耗を防げるのはありがたい。

メール送受信を伴う設定が面倒だったので利用しなかったが、車内にWiFiまで完備されていた。たまたま3列シートの全体半分以上空席だったので、ノートPCを広げてゆったり作業できた。乗り換えをともなう18きっぷより、作業環境としては高速バスの方が便利に思われた。

新宿バスタはコンビニ併設で便利

新宿発の場合、バスターミナルは近年リニューアルしたバスタ新宿になる。かつては地下から発車する陰気な待合所だったが、すばらしく洗練された立体的なターミナルに変貌した。

当日でもチケットを買える券売機や受付、トイレや観光案内所があり、さらにコンビニまで併設されているのがありがたい。長いバス旅、途中のSAでも飲食できるが、停車時間は15分程度なので、レストランで食事する暇はない。

SAの売店や土産物屋では地元の名物を扱っているが、そこそこ値も張るのでコンビニのおにぎりや菓子パンで済ませた方がリーズナブルだ。

SAにあるミル挽き自販機がお気に入り

一方、コーヒーに関してはSAに必ずあるミル挽き珈琲の高級自販機で調達するのがおすすめだ。カフェオレでも一杯250円くらいと、ドトールやベローチェ並みの高価格だが、コンビニの150円より味は上だ。300ml以上のジャンボサイズもあるので、道中のカフェイン摂取には最適といえる。

購入すると、内部の製造工程がモニターに映し出されて、のんびり30秒くらい待たされる。この機能は別に必要ないので、その分ドリンクの値段を下げてほしい。SAのレジはWAONくらいしか電子マネーが使えなかったりするが、ミル挽き自販機はSuicaなど交通系も利用できる。

なぜこのタイプの自販機が高速SAにしか置いていないのか謎だ。値段とクオリティー的に、ほかのテナントと競合してしまうのだろうか。オフィスビルや街中にミル挽きタイプがもっと増えてほしいと思う。

仙台駅の西口22番はエデン前

仙台からの帰りは、東北急行バスのニュースター号を利用した。曜日的にJRより千円アップだったが、残念ながら座席に電源もなくスペックは劣る。仙台駅付近にいくつかあるバス乗り場のうち、今回は西口22番だった。

駅前ロータリーのすぐ先、EDENという飲食店が集まった屋台村的なゾーンがある。日中はお店もやっていないが、乗車前はここの共用トイレが利用できる。まわりにコンビニもないので、水や食料は別途調達しておいたほうがいい。

近郊バスと乗り場を共有しているので、いまいちどの車両なのかわかりにくい。別の乗り場からお客さんを乗せて来たらしく、数分遅れてバスが到着した。

今一番熱いSA、羽生上りの江戸処

東京~仙台間で高速バスが止まるSAは、羽生と安達太良が定番である。道路の混み具合によって変更されることもあるが、今回は往路も復路もこの2か所だった。

福島県の安達太良SAは、これといった特徴がない。トイレを済ませて、ぶらぶら歩いたり体操して体をほぐすくらいしか、やることがない。

一方、羽生SAの上り側は、数あるおもしろサービスエリアの中でも一番魅力的に思われる。建物全体がまるで時代劇のセットのようになっていて、飲食店も和食が中心。高速バスの旅でも、露店が出ている鯛焼きや文楽焼きくらいは入手できる。

かつてこの近くにあった栗橋関所にちなんだらしく、鬼平江戸処というコンセプトで世界観が形成されている。内部はラスベガスのシーザーズパレス、お台場のビーナスフォートを2段階劣化させたようなチープなつくりだが、それなりに江戸っぽくて気分が盛り上がる。

パンフレットによると、毎週土日は猿回しや大道芸の催しもあるようだ。これを目当てにわざわざ高速に乗って出かけてくるお客さんも多そう。鬼平犯科帳のマンガ版を無料で読める読書コーナーもある。

羽生の下りは宇都宮餃子あり

羽生SAの下り方向はまったく特徴がなくて残念。こちらは宇都宮餃子を食べられる「とんきっき」というレストランが入っているのが、唯一の売りだ。

鬼平江戸処の中身はそれほど広くないが、思い切ってこのくらい特色を出したSAが増えてもいいと思う。名古屋の刈谷SAみたいに、観覧車を設けて遊園地化するのもいい。忍者村とかオランダ村くらいのコンセプトなら、老若男女に受け入れてもらえると思う。