富士登山競走、五合目コースなら都内から当日入りも可(山中湖宿泊)

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久々にエントリーできた富士登山競走、五合目コース。東京から日帰り予定だったが、レース直前になって会場近くの宿に空きが出た。今回は山中湖の近くに泊まって参加してみた。

五合目クリアも山頂コースを3年逃した

4年前の2014年に五合目コース初参加した富士登山競走。制限時間の2時間25分はクリアしたので、翌年以降3年間の山頂コース参加資格は手に入れた。

富士登山競走の完走証

しかし翌年はうっかりエントリーを忘れ、その翌年も朝からスタンバイしていたにも関わらず残業中に参加枠が埋まってしまった。3年目こそは万難を排してエントリーしたいと意気込んでいたが、膝の故障で泣く泣く見送った。

富士登山競走は人気があるにも関わらず、ハセツネと同じく応募は先着順。毎年3月下旬の申し込み日には、開始から10分くらいですぐ終わってしまう。しかも平日の夜9時スタートなので、たいてい仕事をしている時間帯だ。みんなきっと会社のパソコンを借りたり、スマホでこそこそエントリーしているのだろう。

リハビリも進んできたので、少し気は早いがまた五合目コースに申し込んでみた。一度手に入れた山頂コースの参加権を逃してしまったのは残念だが、衰えた体力では五合目でも精一杯だ。

電車より高速バスの方が安くて早い

富士登山競走の山頂コースは7時スタートだが、五合目コースは8時30分なので多少ゆとりがある。会場付近で前泊せずに、都内から早朝出発しても間に合う時間だ。

電車で向かう場合、中央線沿線なら新宿からでも5時台前半に出て、7:49に富士山駅に着くのが最短。8:15の荷物預け締め切りまでぎりぎりだが、富士山駅から吉田市役所までダッシュすれば間に合うだろう。新宿~富士山間は鈍行でも片道2,340円かかる。

一方、7月の登山シーズンは富士急行バスが臨時増発されて、新宿からたくさん出ている。その中で始発のバスタ新宿6:05発~富士山駅7:49着だけが、唯一五合目コースのスタートに間に合う。

途中の中央道では日野と八王子でしか乗車できないノンストップ便だが、その分電車より早い。バス代も片道1,750円で、JR~富士急行より若干安い。

高速バスは渋滞で遅れる懸念があるが、早朝便ならそこまで心配ないだろう。料金と乗換の手間を考えると、新宿からバスで向かう方がずっと便利だ。ただし予約は早々に埋まってしまうので、エントリーできたら早めに座席を確保しておいた方がいい。

高所順応のため前泊がおすすめ

4年前に参加したときは吉田のゲストハウスを予約できたが、今回はどこにも空きがなかった。段取りのいい人は、エントリー開始前から会場近くの宿を予約しているのだろう。あきらめて当日早朝現地入りする予定だったが、レース1週間前に楽天トラベルを見たら、ひょっこり空室が出ていた。

そもそもレース前日、普通のホテルは大幅に値上がりして予算的に厳しい。相部屋タイプのゲストハウスだと、価格の変動は小さいようだ。今回予約が取れたのは山中湖近くの夢来人(「むらびと」と読むらしい)。男女混合ドミトリーだが、素泊まり3,200円と格安で泊まれる。

早朝出発で間に合うなら現地で前泊する必要はない。ただし、実施要領の冊子には「高所順応をかねて、安全にレースを楽しんでいただくよう、できるだけ前日から当地に宿泊して大会に参加されることをお勧めします」と書いてある。

地域の観光振興のためとも思われるが、たしかに標高1,000mで1日過ごしておくのはプラスになりそうだ。高山病という予測できないリスクがあるレースなので、今回も念のため前泊することにした。

富士急行の特急

前日にのんびり鈍行で向かったが、中央線と富士急行の接続が悪く、大月駅で44分も待つ必要があった。実はそれより早く「富士山ビュー特急」という赤い電車が出発したが、乗車券1,020円に対して1,300円もの指定席料金が必要になる。

大月駅の富士山ビュー特急

さすがに高いと思って見送ったが、あとで調べるとこれは特別車両1号車の料金だった。自由席の2~3号車なら400円の追加費用で乗れる。

特急でも大月~富士山間は普通電車より7分しか早くならない。それでも見どころが少ない大月駅でぶらぶらするより、自由席に乗った方が早かった。会場近くの富士山駅の方が、お土産屋や飲食店も多い。

吉田から山中湖まで10km歩く

時間に余裕があるので運賃60円節約しようと思い、富士山駅の1駅手前、月江寺という駅で降りてみた。実はスタート地点の富士吉田市役所に向かうには、月江寺駅の方がわずかに近い。

富士急行に乗ったあたりから、まわりの観光客は日本人より外国人の方が多いと気づく。駅の案内表示も各国語が入り混じっていて、何と書いてあるのか日本語を探すのに一苦労だ。

とりあえず市役所まで歩いて場所を確認してから、山中湖までどうやって行こうか考えた。月江寺から湖畔の宿までは約10km。自転車があればすぐだが、歩けない距離でもない。

富士山麓の森の中を2時間ハイキングするのも楽しかろうと思って、延々歩いてみた。日が暮れる前には到着できるだろう。

国道138号は交通量が多い

吉田から山中湖に向かうには国道138号が最短ルートだが、夕方は西に向かう車が意外と多い。しかも観光バスや大型トラックが頻繁に通るので、沿道は緑豊かでも排気ガスがつらい。途中にバス停はいくつかあるので利用してもよかったが、途中まで歩いたのでそのままがんばってみた。

富士山周辺の国道138号

昔、東京から富士山をロードバイクで一周したとき通った道。歩道から見ると山側は路肩が狭くてちょっと危険に見えた。反対側は最近追加されたらしい自転車レーンが用意されている。この区間、歩道を歩いている人は皆無だったが、自転車は数台見かけた。

国道138号の自転車専用道路

途中、山中湖から帰る水陸両用バスKABAを見かけた。最近、箱根の芦ノ湖にも忍者バスが登場して、この手のアトラクションが流行っているようだ。

水陸両用バスKABA

道中はコンビニやお店はほとんどないが、道の駅富士吉田と、ほうとうがおいしい茅葺屋根の名店「木こり」がある。吉田市内から歩いて向かうと結構遠い。

山中湖畔のゲストハウス夢来人

目的地のゲストハウス夢来人は、山中湖の西端にあるので吉田へのアクセスがよい。旅行好きの若いご夫婦が運営されていて、建物中DIYで装飾がほどこされている。2階の相部屋は二段ベッドだが、前回泊まった吉田のゲストハウスより広々していた。

ゲストハウス夢来人

湖畔からは少し離れているので窓から湖は見えない。翌朝は早朝発でいただけなかったが、コーヒーの無料サービスもあるようだ。最近新しくできた宿のようで、全体的にきれいで快適だった。

源泉ぬる湯がユニークな紅富士の湯

宿にシャワーも湯船もついているが、歩いてすぐのところに山中湖温泉「紅富士の湯」がある。せっかくなので夕食も兼ねて温泉につかりに行ってみた。毎回天候にめぐまれず、ここの露天風呂から富士山を拝めたことがない。

山中湖温泉、紅富士の湯

宿でもらった割引券を使うと、通常800円の入館料が720円と1割引きになる。露天風呂の1つは37度くらいのぬるいお湯なので、景色を見ながら長時間入っていられる。サウナの後に水風呂がないと思ったら、代わりに水温28度の「源泉ぬる湯」というのがあった。

ちょうど温水プールくらいの温度で、冷たすぎずに長時間浸かれる。まるで冷製スープのように滋養に富んだ温泉だ。山中湖温泉は香りや色に特徴はなく、強めのアルカリ性なのに刺激も少ない。ぬるめの温度でゆっくり入るのに向いている。

山中湖のうどんは吉田と違う

夕食は宿でおすすめと伺った「山菜うどん」をいただいた。麺が固いのは吉田うどんと同じだが、汁は濃い目の醤油味だった。ここは山中湖村なので、吉田うどんとは別のこだわりがあるのかもしれない。

宿は国道が近いので少々車がうるさいが、相部屋の人もレースの参加者が多いのか夜10時には寝静まっていた。みな山頂コースの参加者だったのか、朝4時ごろから起き出して次々に出て行った。

山中湖畔の格安ゲストハウス

結局7時過ぎまでいて、始発のバスで吉田に向かったのは自分ひとり。そもそも山頂コースのスタートには山中湖発のバスだと間に合わないので、車やバイクで来ていたのだろう。