フリーウェイ税務からe-TaxとeLTAXで法人の電子申告・納税完了

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無料ソフトのフリーウェイ税務で合同会社の初年度申告書作成は完了した。赤字だったので埋める書類が少なくて済んだが、たかがこのくらいの作業で税理士さんに何万円も払うのも馬鹿らしい。利益の出ていない中小企業だったら、自分で申告まで試してみる価値はあるだろう。

フリーウェイ税務の特徴として、電子申告に対応していることがうたわれていた。国税庁のe-Taxソフトでは税額を自分で計算しなければならないが、フリーウェイなら自動計算されるということだ。

e-TaxとeLTAXの利用開始手続き

昨年度、個人の確定申告はマイナンバーとICカードリーダーを購入してe-Taxで済ませてみた。

せっかくなので、法人の方も電子申告に挑戦してみようと思い、ウェブから税務署に開始届を申請してみた。すぐに届いたメールの確認処理も行い、事前準備は完了。

数日後、管轄の税務署から確認の電話がかかってきて、「以前発行した利用者識別番号が上書きされるが問題ないか?」との問い合わせだった。

すっかり忘れていたが、1年前の会社設立時にe-Taxの申し込みも行っていたようで、二重の申請になってしまった。とりあえず新規発行された番号で再登録お願いすることにした。

フリーウェイ税務から電子申告データ出力

フリーウェイ税務のトップ画面、右下のボタン「国税申告データ作成」から、e-Tax用のファイルを生成する。すでに作成した別表・決算書・内訳書などがリストアップされ、自動でチェックが入っているので、そのまま作成実行して拡張子XTXのファイルを保存する。

「地方税申告データ作成」の方は、都民税と市民税のデータを別々に作成する。こちらはxmlファイルで、適当にリネームして分けておいた方がよいだろう。後に利用するツールでは、ファイル名に日本語が入っているとエラーになる。

国税・地方税とも「署名・送信プログラムダウンロード」で、フリーウェイ謹製の無料電子申告ソフトを落としてセットアップしておく。どちらもダイアログボックスにボタンが並んでいるだけの簡素なツールだ。

無料ツールで署名して申告書送信

e-Tax、eLTAXツールとも、最初に電子証明書を登録してから、フリーウェイ税務で生成したXTX、xmlファイルに電子署名を施す。利用者識別番号とパスワードを入れ、マイナンバーカードをカードリーダーに載せて何度か認証・パスワード入力を繰り返す。

電子署名した申告書を送信すると、e-Taxの方は一発で通ったが、 eLTAXの方は何度かエラーが出た。メッセージを読むと、そもそも都税の方は利用届出を行っていなかったらしい。フリーウェイのツールでは「申告先・税目の追加」ができないので、ここで手詰まりになってしまった。

PCdeskで税目を追加

結局eLTAXの方は、公式サイトからPCdeskという無料ツールをダウンロードすることになった。こちらもインストール後に、利用者IDとパスワードの入力など一連の手続きが必要になる。PCdeskは毎回起動時に最新バージョン確認の手続きがあって時間がかかる。よく見るとスキップできるのだが、面倒くさい仕様だ。

こちらのソフトもフリーウェイと似たような素っ気ない画面だが、「利用自社情報メニュー>利用届出(変更)」の手順で、申告したい税目の追加・削除ができる。

都税事務所を対象に、新たに「法人都道府県民税・事業税・地方法人特別税」を追加して目的は果たせた。

署名が検証できない謎のエラー

再びフリーウェイのツールに戻って法人都民税の申告データを送信すると、今度は問題なく受理された。ただし、受付完了通知のメッセージの最後に、「申告データに、検証できない形式で電子証明書が添付されています。(E.110)」と書かれているのが気になる。

別途送信した法人市民税の方も同じ警告が出ている。

個人のマイナンバーカードで法人の地方税申告に署名してはいけなかったのだろうか。国税のe-Taxでは問題なかったので謎だが、何かあればまた電話がかかってくるだろう。とりあえず期限内に納税だけ済ませてしまえば、後から延滞税やペナルティーを取られることもなさそうだ。

都税はペイジー払いOKだが市民税は窓口納付

都税は電子納税でOKだが、登記先の市町村はまだ対応していないことがわかった。申告まではウェブ上でできるが、均等割りの税額は窓口で納めなければならない、中途半端な状況だ。

とりあえず都税の方はPCdeskから「納付情報の発行依頼」を行い、数日後に電子納税メニューを見ると、ペイジー用の収納機関番号・納付番号・確認番号が発行されていた。ゆうちょ銀行の法人口座から、社会保険料を納めるのと同じ要領でペイジー情報を入れると振込できた。

市民税の方は郵送で届いていた「法人市民税領収書」に、手書きで均等割り額を記入して市役所窓口に持って行った。よく考えれば銀行窓口でも納付できたので、それほどの手間ではない。申告書一式、印刷したり郵送する手間が省けたので、手続きに時間はかかるが電子申告を試してみてよかったといえる。

そもそもe-TaxソフトとPCdeskだけで申告できた?

国税庁のe-TaxソフトとeLTAX用のPCdeskを見ていて気づいたが、決算書の残高を入力したり、税額を自動計算したりする基本機能が備わっているようだ。とすると、そもそもフリーウェイ税務も使わずに、無料の公式ソフトだけで一通り税務申告できたということになる。そもそもフリーウェイのツールでは機能が足りずPCdeskのお世話になったので、二度手間だったともいえる。

来年度はフリーウェイ経理Liteで決算書だけ作成して、申告の方はe-TaxとPCdeskで試してみようかと思う。零細企業でしかも赤字の簡単申告なら、20万の「クラウド申告freee」とか契約する前に、国が提供している無料ソフトを試してみるのがベターだろう。