半透明でカバー不要のドイツ製湯たんぽFashyは便利だが、思わぬ欠点が…

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冬場の足冷え対策として湯たんぽは欠かせない。電気毛布やエアコンをつけて寝るより、局所的に足だけ温める湯たんぽが省エネで経済的である。

今暮らしているマンションは気密性の高いRC造なので、隙間風に悩まされることもない。ベッドとマットレスも備え付けなので、床より高い位置で眠れて、窓から流れてくる冷たい空気で顔が冷えることもない。

処分した湯たんぽを買い直す

以前から愛用していた無印良品の小型湯たんぽは、真冬以外使わないので春先に思い切って処分してしまった。この冬は湯たんぽなしで越せないかと思ったが、12月も半ばになり、最低気温が0度を下回る日が出てくると、さすがに足が冷たくなってきた。

布団に入ってから30分くらい経っても足が冷えて眠れないこともあるので、とうとう諦めて湯たんぽを新調することにした。無印のポリエチレン製を買い直してもよかったのだが、アマゾンで検索するといろいろおもしろい商品があることがわかった。

金属製はかっこいいが惜しい

定番としてはマルカやパール金属から出ているトタンやステンレスの金属製。長く使われているロングライフデザインだけあって、機能性や耐久性は抜群によさそうだ。べこべこになるまで使い込んで、マイ湯たんぽを旅先に持って行くのもかっこいい。

ところが金属製のは2.5リットルの特大サイズが主流で、価格も安くない。土井金属化成から1.2リットルのかわいいミニサイズも出ていたが、カバーがついていないのが残念だ。

適当なカバーと合わせて買うと3,000円近くかかってしまう。

蓄熱式湯たんぽは邪道?

一方、電気で充電する蓄熱式の湯たんぽというアイデア商品が出ていることを知った。毎晩のお湯の出し入れから解放されるのは便利であるが、どのくらい効果があるのか疑わしい。経験上、電気で熱を起こすにはかなりの電力を使うはずなので、このサイズで巨大なバッテリーを積んでいたとしても、一晩中持つようには見えない。

湯たんぽは省エネでかっこいいと思っていたので、電気を使って温めるのは邪道な製品に思われる。もっとも、お湯を沸かすのとバッテリーを充電するので、どちらがコスパがよいのかは微妙なラインだ。自分は電気ケトルでお湯を沸かすので、冷たい水道水を沸騰させる分、かえってコストがかかっているかもしれない。

ファシーの半透明湯たんぽを購入

いろいろ検討した中で、Fashy(ファシー)というブランドのPVC製1.2リットル湯たんぽを注文してみた。決め手になったのは、1リットル強で適切なサイズと、「カバーがいらない」という点だ。

基本的に湯たんぽにはフリースやニット素材のカバーがついているものだが、毎晩足と触れ合っているので当然臭くなる。枕カバーやシーツと同じくらい、数日おきに洗濯した方がいいが、その手間を省けるならミニマリストとしては大歓迎だ。

加えて、半透明な素材で中身が見やすいというメリットがある。外から湯量がわかる湯たんぽというのは、案外ほかに見たことがない。折りたたみはできないが、平べったくて柔らかそうな素材なので、オフシーズンの収納もかさばらなそうだ。

大きさも持久力もちょうどいい

届いた製品はB5ノートくらいの面積で、厚みは3cm。使わない時は、本棚に入れておいてもよいくらいのサイズ感だ。透明だがわりと硬めのしっかりした素材で、熱湯を注いでも不安な感じはない。

白いプラスチックのフック部分が素足に触れると気になるので、使わないならこのパーツは取ってしまってもよさそうだ。

素材の厚みがちょうどよいバランスらしく、カバーなしで直接肌に触れても、すぐ火傷しそうな温度ではない。ずっと密着しているとさすがに耐えられないが、無印の湯たんぽをカバー付きで使うのと、同じくらいの体感温度と思われる。

明け方になってもまだ少しぬるいくらいで温度を保っているので、1.2リットルサイズの湯たんぽとしては、なかなかの持久性がある。寝入りばなだけ足を温められれば、夜中に寒くて目が覚めるということもない。0.8リットルの電気ケトルを目いっぱい沸かせて、2/3くらいの分量を入れて使うのがちょうどいいようだ。

ふたが外れて布団の中でお湯がこぼれた

かなり満足して2週間ほど使っていたら、悲劇が起こった。寝る前30分くらいにお湯を入れて布団に仕込んでおいたのだが、さて眠ろうと布団に入ると何やら足元が生ぬるい。どうやら湯たんぽの口が緩んで、お湯が漏れてしまったようだ。

何となく、ふたを絞めるときに固い手ごたえがあったので、ネジがしっかりはまらず、ずれていたのだろう。足に熱湯がかからず不幸中の幸いだったともいえるが、注ぎ口が上を向いているタイプの普通の湯たんぽなら、簡単に中身がこぼれることはなかったはずだ。ファシーは口が横についているので、隙間があると、ここから簡単にお湯が漏れてしまう。

ありったけのタオルを出して布団からお湯を吸わせたが、湿り気は取り切れず、その夜はじめじめした不快な布団で足を縮めて寝ることになった。お湯を注いでふたを閉めるときに気をつければ回避できるトラブルなので、今後は注意するとしよう。

構造的にちょっと不安だが、ふたがしっかり閉まっていれば不用意に漏れる心配はない。使い方にコツはいるが、満足のゆく買い物だったといえる。この冬1シーズン使い込んで、耐久性を試してみようと思う。