カードサイズダイアリーに最適なオートの超小型「ミニモ」シャープペンシル

レイメイ藤井のカードサイズダイアリーは、個人的に2016年の大ヒット製品だ。ちょうど退職して予定が減ったという事情もあるが、長年使ったミニ5穴サイズのシステム手帳を置き換えてしまった。

名前だけでなく本当にカードサイズなので、カードケースや財布に収まってしまう。ニュースリリースのサイトやアマゾンの商品紹介に出ている写真で、財布の方にセットされている極小サイズのペンが気になった。

調べたところ、レイメイ藤井の写真に写っているペンはOHTOから出ているminimoというシリーズらしい。

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もはやリフィルそのものといえる細さ

500円程度の良心的な価格なので、試しにシャーペンとボールペンを購入したら、すさまじい細さであることがわかった。トンボのZOOM 717を超えるシャーペンの直径3.5mmは、芯の太さに比べてここまで細い。

ボールペンの方はリフィルの交換にコツがいるが、もはや4Cリフィルをそのまま持っているような感覚に近い。押し込んだノックを戻すには、側面の突起を押す必要がある。ステッドラーのマルチペン、アバンギャルドと似た方式だ。

素材と機構の限界に挑戦したともいえる、ミニモのデザインに感激してしまった。手持ちの似たような筆記具と比べても、その極小サイズは際立っている。

これまでにも、LAMYのLM66などキャップ付きのリフィルを直に使えないか試したことがある。結果的に転がりすぎたりキャップの置き場に困ったりしていまいちだったが、ミニモはまさにそんな夢をかなえる製品である。

長時間利用には適さないが手帳にはあり

実用上は、さすがに長時間の筆記だと指が痛くなってくる。それでもこのサイズと価格なので、鞄の中から財布やポケットなど、あらゆる場所に常備しておいていつでもメモを取れる状態にできそうだ。

今まで小型の筆記具というのはいくつもあったが、ここまで割り切った設計は他に思いつかない。カードサイズダイアリーとは、もはや最強といえる組み合わせだ。ミニマリストならずとも、緊急時や非常用に数本持っておいても損はないと思えるアイテムだ。

カードサイズダイアリーへの装着方法

ミニモのパッケージにカードサイズのケースが付いてくるのだが、これを適当な幅でカットして、カードサイズダイアリーに両面テープで貼り付ける。さらにダイアリーの表紙に全面のりタイプの付箋を貼り付けると、最小構成要素のジョッターを自作できる。

ミニモシャープには残念ながら消しゴムが付いていない。ダイアリーは別途ポーターの小型財布に入れて持ち運んでいるので、財布の小銭入れに消しゴムの切れ端を入れて使っている。

予定が少ないということは、修正の機会も少ない。消しゴムの出番もほとんどないので、今のところこの組み合わせで日々のスケジュール管理は間に合っている。思い切ってミニモのボールペンで手帳に書いてしまってもいいかもしれない。

手帳用の小型ペンは国産品が優れている

これまでミニ5穴サイズのシステム手帳に書き込むために、さまざまな小型の筆記具を試してきた。手帳用の筆記具といえば、国産メーカーの廉価品が中心である。

パイロットのバーディスイッチとか、伊東屋の金釘のようなオリジナルペンとか、潔いミニマムなボールペン、シャーペンがいくつか存在する。長時間書くには細すぎて疲れるが、手帳用にメモ書きする程度なら問題ない設計である。

デザイン性に優れた細身で短い筆記具としては、トンボのZOOM 717が代表作だろう。オリジナルのZOOM 707は1980年代のデザインなので、ノック部分やクリップ先端の球体がポストモダンな時代を感じさせる。

全長115ミリまで小型化された717は、胴軸直径4ミリの極細ながら、グリップ部分は膨らませて6.5ミリの直径を確保したアイデア商品である。

海外製のミニペンは利便性に欠ける

海外製品なら、ラミーのピコとかモンブランのモーツァルトなど、長さ10センチ前後のペンはある。しかし、たいてい太くて日本製の手帳には入らないうえ、消しゴム付きでノック式のシャーペンというのは見当たらない。ミニ5穴の手帳リフィルに余白は少ないので、スケジュールの変更はなるべく消しゴムで修正できるようにしたい。

モンブランのボールペンは回転式なので選択肢から外れる。高すぎるし、ブランドとしてもミーハーなイメージで好みでない。樹脂製の高級筆記具なら、まだペリカンの方がノック式のボールペンがあってよい。スーベレーンはシルバートリムの廉価帯、K405のボールペンは長らく愛用していた。わりと軽くてコンパクトだが、ミニ5穴サイズの手帳には大きくて差し込めない。

LAMY picoも試してみたが、ズボンの前ポケットに入れると歩いているときに勝手に伸びて股間に刺さるという欠点がある。最後はバネで弾んでどこかに飛んで行ったのか、勝手に行方不明になってしまった。

LAMYはデザインが秀逸だが、実用に適さない微妙な製品もある。tipoの飛び出たクリップもポケットの中で勝手に押されて、LM66の水性インクが盛大にシャツに染みをつくるという惨劇にも遭った。

海外製はデザインは良いが使い勝手やインクフローがいまいち。国内製は質実剛健だがデザインが冴えない。筆記具に限らず、家電やスニーカーなどにも見られる一般的な傾向だ。

バランスのいいエクリドールXS

各種メーカーの製品を比べた中で、唯一カランダッシュのエクリドールXSだけが、ミニ5穴手帳にフィットするとわかった。高級ペンなのに実用性重視なノック式なのが素晴らしい。さすが中立国スイス、Helveticaフォントのようにプロダクトの設計もニュートラルだ。

エクリドールは鉛筆のように細いので、XSの長さでぎりぎりミニ5穴に収まる。手帳用のペンは使用頻度が高いので、できれば手に馴染んだものを使いたい。エクリドールの直径なら、そのまま普通の物書き作業に兼用してもストレスがないので、わざわざ手帳用の文具を持ち歩かなくてよいというメリットがある。

KNOXのミニ5穴システム手帳、ピアスと一緒に10年間持ち歩き続けたエクリドールXSのシャープペンシル。部分的にロジウムメッキが剥げて地金の真鍮が見えてくるようになってきた。

革製の手帳の方はそろそろ寿命という感じだが、エクリドールは2回修理してもらってもまだ現役だ。2度目の修理でクリップが新品に代えられてしまいちぐはぐな見た目になったが、3年くらい使っていたら傷がついてようやく馴染んできた。

ミニモは荘子の境地に迫る道具

普段使いには相変わらずエクリドールXSの3本を使い分けているが、外出時のメモにはミニモが活躍している。小さすぎるので気をつけないとすぐ失くしてしまうくらいだが、もはや携帯していることすら感じさせない。

荘子の外篇にこんな言葉がある。

足を忘るるは履(くつ)の適なり。要(こし)を忘るるは帯の適なり。

(足の存在を忘れさせる靴こそ、最も快適な履であり、腰の存在を忘れさせる帯こそ、最も快適な帯である)

森三樹三郎訳『中公クラシックス 荘子II』

オートのミニモシリーズは、まさにそんな究極の可能性を感じさせる道具だ。

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