変形性膝関節症に対する自重筋トレの限界とダンベルスクワット効果

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交通事故後の半月板損傷が悪化して、すでに変形性膝関節症と診断されている。

これ以上軟骨をすり減らして症状を悪化させないためには、下半身の筋トレが必須。しばらくリハビリで公共のスポーツ施設に通っていたが、コロナウイルスの影響でどこも休館になってしまった。

かわりに自宅でできる下半身のエクササイズをいろいろ試してみた。効果を実感できた自重筋トレ・ダンベルスクワットをいくつか紹介したい。

一般的なリハビリレベルの運動療法より、ハードに追い込みたいときには役に立つと思う。

コロナ対策でジム閉鎖ショック

2020年3月、コロナウイルスの感染予防対策で公営のスポーツ施設はどこも閉館中。屋内温水プールもすべてお休み。

民間運営のジムはまだ開いているが、足回りのマシンを数種類使うためだけに高い会費を払うのは気が引ける。上半身を鍛えるのは腕立て・腹筋・懸垂など自重トレーニングで十分だと思う。

3月末に入ると東京都内の感染者も急増して一気に外出自粛ムードになった。スポーツジムも感染クラスターの発生源になりやすいので、入会検討の見学に行ったが閑散としていた。

自宅でできる下半身の自重筋トレ

日常的に筋トレしている人にとって、ジムが使えないとかなりストレスが溜まる。

さすがに今回のウイルス流行は長引きそうなので、自宅でできる下半身のトレーニング方法を調べてみた。

たいていの筋肉部位は自重で鍛えられる。しかし太もも~臀部は筋肉のボリュームが大きいせいか、自分の体重だけでは痺れが出るほどまでなかなか追い込めない。

普通のスクワットでは何百回やっても効く気がしなかったので、ダンベルを持って取り組んでみた。持ち方や姿勢にもよるが、体重62キロの自分で左右合計20~30キロ程度のダンベルは保持できる。

IROTECのダンベル20kg

IROTECのダンベル20kg

足の開き方を替えつつダンベルスクワットを50回。左右どちらかの足を前に出してスプリットスクワット30~40回、後ろの足を椅子に乗せてブルガリアンスクワット20~30回。

片足を前に踏み出すレッグランジ20~30回。これらをみっちり2セットこなすと、準備運動を含めて1時間くらいのワークアウトになる。

ハムと臀部に効くブルガリアンスクワット

レッグランジは動きがダイナミックなわりに、どの部位に効いているのかいまいちわかりにくい。ただし全身がどっと疲れるので、スクワットに近い複合トレーニングだと思う。

スプリットスクワットとブルガリアンスクワットは動作がかぶるが、後者の方が前足に荷重を乗せやすい。限界まで続けると、前足のハムと臀部が痺れて翌朝筋肉痛になるのがわかる。

ただしブルガリアンの後ろ足は椅子に乗せているだけなので、ウェイトを増やすとバランスを崩しやすい。体調・レベルに合わせて最初は無理せずスプリットスクワットをこなせばいいと思う。

大腿四頭筋を鍛えるシシースクワット

ダンベルスクワット系の動きはいずれも大腿四頭筋に効くといわれているが、いまいち追い込めている実感がわかない。

そもそも荷重を30キロまで増やすと、下半身より先に肩や上腕が疲れて続けられなくなってしまう。ダンベルを使ってスクワットするなら、先に上半身を鍛える必要があるとわかった。

四頭筋だけ効果的に鍛える方法を調べた結果、シシースクワットという種目があることを知った。膝を前に出して後ろにのけぞり上下する、映画の『マトリックス』的な運動だ。

見た目は地味だが恐ろしく効果が大きい。こんなヤバい自重筋トレが存在するとは知らなかった。

曲げる深さによって20~30回も続けると、レッグエクステンションのマシンのように太もも前側がしびれて耐えられなくなる。

両足同時にしかできないのが難点だが、スクワットやランジよりも四頭筋だけ集中して刺激できる。ダンベル不要で自重でできる、ミニマリスト向けの筋トレメソッドだ。

片足ヒップリフトで大殿筋強化

シシースクワットと並んでおすすめの自重筋トレ。

ヒップリフトを「片足だけ」でやると、大殿筋~ハムストリングにものすごく効く。

片足100回もこなせば限界がきて、翌日は確実に筋肉痛が訪れる。体感的にはロードバイクで100キロ走るとか、富士山に登るくらいの負荷をお尻にかけられる。

ダンベルなしで筋肉痛になるまで足回りを追い込める、シシースクワットとワンレッグヒップリフトの威力は大きい。自重だけのスクワットを1,000回こなすよりも、両者を限界までやる方が時間も短く成果が出るように思う。

それに比べてダンベルを使った他のスクワットは、全身・体幹に刺激を与える複合トレーニング。有酸素運動ほどではないが消費カロリーが多く汗もたっぷりかける。

全身運動は爽快だがあくまでオプションと考えて、リハビリ用には局所筋トレを繰り返す方が成果を実感しやすい。

デッドリフトで腰を痛めた…

ついでに筋トレBIG3のひとつ、デッドリフトもダンベルを使って試してみた。

ベンチプレスは下半身に関係ないとしても、スクワットとデッドリフトが両方できれば効果は大きそうだ。そう思ってウェブの動画を見ながら試したところ、速攻で腰が痛くなった

YouTubeのムキムキお兄さんの真似をして、身の丈に合わないダンベルを持ち上げてはいけない。

しばらく前かがみになる姿勢がつらく、洗面所で顔も洗えない。しまいにはトイレの便器に付いているレバーを押す動作まできつくなった。

鏡を見ながら背中を反らしたフォームを維持するようにしたら、だいぶ痛みが出ないようになった。それでも気を抜くと腰にくるので、まだ怖くて10kgの軽いダンベルしか持てない。

素人の筋トレBIG3は危険

スクワットに比べてデッドリフトを安全にこなすには技術が必要。本格的にやるなら、ジムで指導を受けながら取り組んだ方がいいと思う。

たとえバーベルでなくダンベルでも、自宅でBIG3がこなせると効率がよい。しかしいずれもフォーム重視な運動なので、適当にやると体を痛めやすい。

有名なわりにレベルが高く、素人は手を出さない方がいい気がした。普通の人ならベンチプレスまでいかなくても、腕立て伏せで十分だ。

IROTECのダンベル製品レビュー

今使っているダンベルはIROTEC(アイロテック)のラバーダンベル、10・20・30kgセット3種類だ。

人から借りているものだが、重量調整可能な本格仕様のダンベルとしては、わりとリーズナブルな方でないかと思う。両手20kgまでなら通販1万円以下で買える。

プレートは鉄製だが外周にゴムのカバーが付いているため、地面に置くときに音が静か。うっかり身体に当たっても、多少は衝撃をカバーしてくれる。

IROTECのダンベル10kg

IROTECのダンベル10kg

シャフトはネジ式なのでプレートが脱落しにくく安全だが、縦に持って上下に動かすと次第にネジがゆるんでくる。特にダンベルフレンチプレスで上腕三頭筋を鍛えていると、プレート同士が当たってカチャカチャ鳴るほど揺れてしまう。

またプレートは円形なので、フローリングの床に置くと勝手に転がってしまう。その点は八角形プレートの他社製品の方がすぐれていると思う。

下半身を鍛えるならセラバンドよりダンベル

自重筋トレ派としては軽くて場所をとらないセラバンドを愛用してきたが、チューブ器具で下半身の筋トレはやりにくい。

膝のリハビリで活躍したアンクルウエイト、セラバンド、足指健康器具
膝の治療中は、衰えた太もも・お尻を鍛えるトレーニングが中心になる。ただし序盤は寝ながら行うことができる低負荷の自重筋トレ...

コロナウイルスの影響が長期化してジム通いを再開できなくなったら、自宅用にもダンベルを買い増そうかと検討している。

ネジがゆるむのと勝手に転がる以外はおおむね不満がないIROTEC。今後自分で買うなら、同じ種類でいいかなという気がしている。

IROTECのダンベル30kg

IROTECのダンベル30kg

パソコン用のUPS(無停電電源装置)や自転車のローラー台と同じく、使わなくなった際に処分に困る重量物の代表がダンベル。ミニマリストがもっとも敬遠したいタイプの代物だ。

水を入れるタイプのコンパクト製品ではそこまで重さを増やせないし、扱いやすい本格タイプは場所を取るというジレンマ。いずれにしても自前でダンベルを買うには、使い続ける覚悟が問われる。