多機能ペンの不快なカチャカチャ音は、間に何か挟めば解消できる

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ステッドラーのマルチペン、アバンギャルドライトを長年使っている。ボールペン2色+シャーペンのミニマム仕様だが、多機能ペンとは思えないほど小型・軽量な点が気に入っている。

唯一不満なのは、筆記時に中のリフィルが当たってカチャカチャと耳障りな音を立てる点だ。これは多機能ペンの宿命かと思ってあきらめていたが、ふと思いついた工作で劇的に改善できた。

どこにでもあるセロハンテープやマスキングテープで簡単な緩衝材をつくり、リフィルの間に滑り込ませるだけの方法だ。もしかすると他の多機能ペンでも汎用的に使える手法かもしれない。製法を簡単にメモしておこうと思う。

カチャカチャ音の原因

アバンギャルドライトのペン先を外すと、内部に3本のリフィルが見える。筆記時に押し出して使っている以外のリフィル、残りの2本が暴れてぶつかるのが、カチャカチャ音の元凶だ。

いったん気になり始めると、ペンを紙に当てるたびに生じるノイズに耐えられなくなる。ロッキングチェアのネジがゆるんでいて、椅子を揺らすたびにギシギシいうのと似ている。

リフィルの間にテープを挟む

構造を観察していると、中空でブラブラしているリフィルを固定するか、隙間にクッションのようなものを挟めば解消しそうに見えた。リフィル自体にテープを巻く案も考えたが、インク切れで交換するたびに巻きなおすのは面倒だ。

リフィルを出し入れするさまたげになってはいけないので、なるべく薄くて柔らかく、衝撃吸収性のある素材がいいと思う。クッション入りの両面テープとかの方が消音効果は高まりそうだが、あまり厚いとリフィルの動きに支障が出そうだ。テープの表面は滑らかな素材の方が、リフィルの滑りもよさそう。

ためしに手元にあった製図用のドラフティングテープを使ったら、これで十分間に合った。粘着力も強度も弱い仮留め用のテープでOKだったので、セロテープやマスキングテープでも何でもいいと思う。

ペンに合わせて長さを調整

加工法としては、テープを適当な長さにカットしてヒトデみたいな形に貼り合わせる。要はリフィルの本数に合わせて、直接接触しないようテープで部屋をつくるような感覚だ。

アバンギャルドライトの場合、幅は15mm程度でカットするとちょうどよかった。胴軸の奥の方までリフィル間の隙間はあるので、もっと長く差し込めば効果は高まると思う。使っているうちにテープが奥の方に引っ込んでしまって、取り出すのに苦労することもある。

ただ、テープがリフィルに挟まったりして故障の原因になるは避けたかった。ノイズの原因になるペン先近くにピンポイントで配置してみたが、これで十分効果は実感できた。

調整不要、ノーメンテで効果抜群

これをリフィルの間に挟んでペン先のパーツを締めればセット完了。特に微調整も必要なく、今までどおり普通に使える。そして任意のペン先を押し出して紙に書いてみると、例の不快なリフィル接触音が驚くほど解消されている。

筆記時以外に空中でペンを振ったときなど、内部でパーツが揺れてカサカサいう音はする。緩衝材を長めにつくって奥まで差し込めば、これも改善できそうに思う。とりあえず一番気になる筆記時のカチャカチャ音が消えたので、気兼ねなく多機能ペンを使えるようになった。

1年ほど使い続けて、特にテープが詰まったりリフィルが引っかかるトラブルも出ていない。中のテープは多少汚れてきたが、ちぎれたり傷んだりはしていない。汚れが気になればまた作って交換すればいいだろう。材料費はほぼタダ。

マルチペンの騒音に悩まされている人には、ぜひ試してみてほしい小技だ。衝撃吸収効果の高いゴムシートとか、素材を工夫すればさらに消音性能を高められそうな可能性も感じる。