無印良品の首振りUSBデスクファンと格安サーキュレーターの違い

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夏でも冬でもエアコン効率を各段にアップさせてくれるサーキュレーターが気に入っている。オフィスではZEPEALやツインバードの中型機を使い、自宅用にはアマゾンの格安品(Volador)を愛用していたが、半年くらい使っていたら壊れた。

冬から夏まで、エアコンありでもなしで部屋にいる時間はほとんど回していたので稼働率は高かった。1,000円以下の廉価品なので、まあよく持った方といえるかもしれない。夏のエアコンにサーキュレーターは必須なので早く代替機がほしい。いろいろ検討した結果、無印良品の店頭で下見した首振り機能付きのUSBデスクファンを購入してみた。

首振りUSBファンというニッチな製品

高さ15cmくらいの小型ファンだが威力の強い二重羽根構造、USB給電、風力2段階調整と、基本機能はVoladorと変わらない。使う場面はなかったが、Voladorにはバッテリーも付いていて数時間程度なら電源なしでも稼働可能だった。無印の方には補助バッテリーは付いていないがVoladorの3倍以上の価格、税込3,500円もする。余計なゴミを出すのは気が引けるが、耐久性の低いVoladorを3回買い替えた方が、経済的には合理的かもしれない。

無印にも首振り機能がない2,490円の廉価機種はあるが、やはりこのサイズで首振りできるというのが貴重な存在である。USBタイプの小型ファンはみな固定型で、首振りする製品はほかに見たことがない。首振り機能を求めれば、30cm超の中型サーキュレーターになってしまう。しかし6畳間なら二重羽根の小型ファンで十分なので、あまり大げさな扇風機は置きたくない。

もっとも、アイリスオーヤマやZEPEALの首振り式も3,000円以下で売られているので、無印のファンは割高に感じる。あえて風力を落として静音性や省電力を求めるとか、首振り機能は欲しいがタイマーやDCモーターは不要とか、ニッチな要望を満たしてくれるのが無印のデスクファンだ。

1週間使ってみて感じたメリット

1週間ほど使ってみると、アマゾン格安品との違いがいろいろわかってきた。メリットを整理してみたい。

首振り機能が便利

本来サーキュレーターは室内の空気循環を促すもので、首振り機能は不要かもしれない。だが、帰宅時や風呂上りなど、扇風機のように直接風に当たりたいときがある。また、寝ている間に体に風を当てるには、ときどき動かさないと寒くてたまらない。サーキュレーターに首振り機能があると、従来の扇風機的な使い方もできて一石二鳥である。Voladorと同様、上向きにも30度くらいまで無段階で傾けられる。

風力がちょうどよい

無印の2段階風力はVoladorと同じくらいだが、6畳のワンルームで使うにはこれでちょうどよい。体を冷やしたい時は強モードで、寝ている間は騒音を抑えた弱モードで、最低限これだけあれば風量の無段階調整など不要である。

安定感がある

無印のサーキュレーターは土台部分が意外と大きく重さもある。そのため、強風モードで首振りさせたときでも、ふらついたり変なノイズが出たりしない。Voladorは軽くてよかったが、安定性が悪くて勝手に回転したり、ビリビリ音を立てるのが気になっていたので、その面は大いに改善された。

余計なLEDがない

VoladorはUSBで給電すると、電源オフ時でもLEDランプが付くのがいただけなかった。特に夜中は小さいLEDでも結構目に痛いので、空き箱をかぶせるとかケーブルを外すとか、余計な手間がかかった。ほかにもPCモニターの電源ボタン、WiFiルーター、スマホの充電器など常時点灯するLEDが増えてきて、毎日寝る前にオフにするのが面倒だ。その点、無印のファンには発光部分がないので、夜間に動かしても悩まされることがない。

余計なUSB端子がない

Voladorは本体側にマイクロUSBの端子があったので、ほかのスマホ用充電ケーブルなどでも代替できた。本体とケーブルを分離できるので持ち運びも便利だったが、内蔵バッテリーも含めて機能の複雑さが故障の原因だったかもしれない。無印の方は本体から直接ケーブルが伸びていて余計な端子がない。首振りオンにするとケーブルが引っ張られて地面とこすれるので、この仕組みなら端子を省いて強度アップするのが正解だったと思われる。

1年間の保証付き

値段相応ともいえるが1年間有効の保証書がついてくる。夏のシーズンが終わっても、部屋にいる時は使い続けると思うので、Voladorと比べてどのくらい長持ちするかは興味深いところである。期間内の通常使用で壊れたら交換してもらえると考えると、安心感がある。

デザインがそこそこよい

よく見ると、ファンのカバーやベース部分に無駄な膨らみや装飾的な要素がなく、無印良品らしいすっきりしたデザインになっている。ディティールの洗練具合はプラスマイナスゼロほどではないが、値段のわりには見た目が悪くない。一方、アマダナやバルミューダの高級家電は機能過剰で高すぎる。「無印くらいでちょうどよい」という感じが、「ユニクロくらい着ていれば恥ずかしくない」と考えるのと同じで、消費者の心をつかんでいる。

少し高い買い物だったが、総じて利点が高く、不満な点も思いつかない。無印良品の家電や自転車を買うと他の人とかぶる率が高く、なぜか「妥協してしまった」という負い目を感じるが、歳を取るとそういう変なこだわりもなくなってきたようだ。