サフィールの補修クリームでパラブーツのスリッポンをメンテ

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たまに仕事の打ち合わせっぽいのに参加するのだが、夏場、半袖に短パンだと、さすがにビジネスパートナーから非難された。数か月しまっていた革靴を出してみたところ、どうも全体的に薄汚れて見える。

5年くらい履いているパラブーツのスリッポンで、ステッチが白いため無色透明のデリケートクリームで磨いてきたのだが、さすがに革の劣化は隠せないようだ。白い糸もグレーになってきて、カジュアルでおしゃれというよりは貧相な感じが増して見える。

ソールに穴も開いてきたので、そろそろ寿命かもしれないが、思い切って黒い靴墨で磨いてみることにした。

サフィールでステッチを染めて前処理

念のため、ステッチ部分は事前に補修剤で黒く塗っておいた。サフィールの着色クリームは靴でも鞄でも、あらゆる革製品の劣化をそれなりに覆い隠してくれる万能アイテムだ。基本の黒色はぜひ一家に一本常備しておきたい。

革鞄の取っ手や角の部分は、どうしても擦れて革が剥げてくる。サフィールのクリームを塗ると、さすがに元に戻るということはないが、遠目からはそれと気づかないくらいに直せる。一度塗れば半年くらいノーメンテで済み、塗り直せばさらに延命できるというすぐれものだ。

とりあえず使い古しの歯ブラシでステッチ部分にクリームを擦りこんでいく。革でない部分をどのくらい染められるか不安だったが、問題なくなじむようだ。元から黒い糸というよりは、やや光沢のある色合いになる。

さらに靴クリームで全体を磨く

用法通り10分ほど放置して、さらに全体に普通の靴クリームを塗ってみた。東急ハンズなどで売っているモウブレイのシリーズで、革靴にはシュークリーム、革小物や黒以外の革製品にはデリケートクリームと使い分けている。

こちらも小さいブラシでざっくり盛ってから、大きい方のブラシで伸ばしていく。

適度に厚めに塗ってさらに10分ほど放置し、布で磨くと見違えるようにリフレッシュされてきた。以前、靴職人の修行をしていたバーテンダーさんから教わった方法で、つま先とかかとは特に念入りに磨いてつやを出す。少々わかりにくいが、左が磨き前で、右が磨き後の写真だ。

パラブーツのタグ部分をそのままにして磨いていたら、靴墨がついてちょっと黒くなってしまった。ここだけマスキングテープか何かでカバーしておけばよかったと思う。

意外と長持ちする革製品

靴磨きとアイロンがけは、ミニマリスト的にはやらずに済ませたいルーチンワークだが、無心に靴を磨いていると心が穏やかになる気がする。

ナイロンのバッグやスニーカーは安くて軽いが、革製品の方がソールを張り替えたりクリームで補修して長く持たせられる。ビジネスバッグでも、仕切りやポケットが多いバリスティックナイロンのオーバースペックな商品より、シンプルな革のブリーフケースの方が軽かったりする場合もある。

革製品を10年くらい使っていると、さすがに糸もほつれてクリームでもごまかせないくらい劣化してくるので替え時はある。ナイロン製品やスニーカーを流行に合わせて2~3年で買い替えるのもありだと思うが、まあ好みによるだろう。

地味なパラブーツの魅力

このパラブーツは、防水オイル仕様でない地味なモデルだが、つま先が細すぎず丸すぎず、流行に左右されない感じで気に入っている。グッドイヤーでもなくソールは交換できないと思うが、その分ゴム製の靴底はしなやかで歩きやすく、外回りや出張で重宝する。

青山の直営店で買ったら、ロゴ入りのシューツリーもついてきた。有名なシャンボールやミカエルのモデルだと5万以上するが、ローファーやデッキシューズは2万円台と、リーガルよりちょっと高いくらいの値段で買えるのが魅力的なブランドだ。

銀行員のようにお堅いストレートチップの革靴もあるが、冠婚葬祭・スーツ以外ではめっきり履くことがなくなった。IT業界のちょっとした打ち合わせくらいなら、1年中パラブーツのスリッポンとジャケパンスタイルで間に合う時代になって久しい。

よそ行きで革靴を履く機会も減ってきたので、傷んでも新しく買い替えるほどではない。古いパラブーツをメンテして、もう何年か持たせてみようと思う。