羽田空港パワーラウンジはクロワッサン食べ放題に青汁まで

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長らく工事中だった、羽田空港第1旅客ターミナルの北ウィング、パワーラウンジがリニューアルオープンした。各社ゴールドカードで利用できる大衆向けのカードラウンジだが、以前は朝だけ無料ベーグルが出るサービスがあった。工事中の臨時ラウンジでもクロワッサンの配給があったので、新生ラウンジの食糧事情については気になるところである。

開放的なエントランスに一新

新しいラウンジは、入口が開放的になって、ギャラリー的な展示ケースまで用意されている。

空港ラウンジといえば、たいていビルの外れのほうにあり、自動ドアで仕切られた謎の会員専用スペースという印象だったが、実はお金を払えば誰でも利用できる。

カードホルダー以外に、一見さんでもウェルカムな雰囲気を出して、有料の休憩スペースとして間口を広げた感がある。飲食し放題&快適なソファや電源、富士山が見える特等席、というサービス内容を考えると、1,080円払っても利用する価値はありそうだ。まわりのカフェも空港内で割高なので、金額は大差ないように思う。

ミニマルな高級感が今っぽい

クリエイティブディレクションはTakram、ロゴは原研哉の日本デザインセンター、設計は梓設計という陣容で、シンプルだがラグジュアリーな空間に仕上がっている。全体的にモノトーンだが、テーブル天板と天井に高そうな木材が使われており、ナインアワーズを高級化したような印象を受けた。

黒い柱の中にモニターが埋め込まれていて、さりげなく時刻と出発便の情報を表示している。いかにもテレビという感じでないのが新しい。

椅子は4種類ありすべて座って試してみたが、ソファ以外は固めのシートで仕事がはかどりそうな感じだ。中央に数脚だけある背もたれの長い椅子は人気がなかったが、見た目はこれが一番かっこいい。

完全無柱でサッシなしというわけではないが、滑走路に向けて窓が大きく取られている。保安ゲート内のラウンジなので、航空機を間近に見られる特等席という条件を素直に反映したようなデザインだ。

スカイマーク近くのノースラウンジは、天気の良い明け方、富士山まで見えるという特典付きだった。

置いてある雑誌は経済誌やファッション系でなく、Discover Japanだったりする。オリンピックに向けた海外からの玄関口として、外国人観光客をメインのターゲットに据えているようだ。会員制なのにあえてエントランスの扉をなくしたのも、そのためだろう。

ドリンクに青汁!?

ドリンクコーナーの備品や食器もこだわり抜かれている。ラインナップとしては、コーヒーやジュースと普通の品揃えだが、一番手前の目立つところに青汁があるのに驚いた。しかも実験室のビーカーのような透明ボトルで、スライムのように毒々しい緑色をアピールしている。

英語でGreen Juice。外国人向けのドキドキサプライズを狙ったいたずらという感じだ。味は甘さ控えめで、粉末を溶かして薄めたような飲み心地だった。冷凍物のドロッとした本物感はないが、無添加に近い味付けで苦さも味わえる。各社製品を飲み比べてきた青汁ソムリエとしては、なかなか絶妙な配合に思われる。

朝はクロワッサン食べ放題

さて、期待の食品コーナー。新しいパワーラウンジは、ベーグルではないがクロワッサンが食べ放題になっていた。朝7時台に寄った感じでは、次々と補給されて品切れになることはなさそうだった。特に個数制限も書かれておらず、見張りもいないので、モリモリ食べたら5個くらい軽く平らげてしまった。

空港内、赤坂うまやのTKGも8時オープンなので、早朝に羽田を発つならつまらないフードコートやコンビニで朝食を済ませるより、パワーラウンジをおすすめしたい。青汁を牛乳で割ったり、トマトジュースに黒酢で酸味をつけたり、アレンジも自由自在だ。

夜の到着便でも利用できる

数日後の帰りに再びラウンジに寄ってみたら、なんと到着便でも問題なく利用できるとのことだった。さすがに夜19時台はクロワッサンを置いていなかったが、また青汁をゴクゴクいただいた。出張中は野菜不足になりがちなので、うれしいサービスだ。

人気になり過ぎるのが心配

これだけデザインが洗練されてサービスもよくなると、一般1,080円の料金では利用者が増えそうな不安がある。さらに羽田空港のラウンジは、年会費無料のイオンゴールドカードでも利用できるので、もともと間口が広い。

今のところキャパは広くて満席という状況ではなさそうだが、休日のイオンラウンジのように空席待ちの行列ができてしまうと残念である。便利で快適になった反面、空港ラウンジの隠れ家のようなエクスクルーシブ感が薄れてしまったのはちょっと寂しい。