ヤフオク入手の18きっぷで京都旅行~リッツカールトン&ナインアワーズ

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毎年恒例のイベント参加のため、京都に行ってきた。のんびり昼行バスでもよかったが、お盆時期なのでさすがに高速バスも高い。こういうときに繁忙期も関係なく定額で使える青春18きっぷは便利だ。

東京から京都まで鈍行を乗り継いで約9時間半。今回は使用済みの18きっぷをヤフオクで2日分だけ入手した。京都の宿はいつものナインアワーズが、楽天クーポン込み800円という信じられない価格で予約できた。

さすがに2日間、ほとんど電車に乗りっぱなしの過酷な弾丸旅行だったが、お盆時期にしてはおそろしい低価格で格安旅行できた。

ばら売り18きっぷの入手方法

退職してからたびたびお世話になっているJRの18きっぷ。普通に買うと5日分なので、シーズン中にどうやって使い切るか計画が必要になる。1回分は2,370円に相当するので、せっかくなら東京から名古屋や仙台に行くくらいは遠出して元を取りたい。

ところがこの夏は資格試験の勉強で、のんびり旅行している暇がない。京都まで往復して2日分使うとして、残りの3回分を使い切れずに捨ててしまうのはもったいない。

ちょっと調べると、金券ショップでばら売りの18きっぷを扱っているところがあるようだ。ところが近所のショップには在庫がなく、一般的に中古18きっぷの流通はさほど多くないようだ。新宿や渋谷まで行けば手に入るかもしれないが、わざわざ行くのも面倒くさい。

ヤフオクは割高だが便利

結局ヤフオクで探して「残り2回分・返却不要」のチケットを入手した。中には数回使って返送が必須条件というややこしい商品もある。期限が近づけばどんどん値下がりすると思うが、8月中旬時点では1回分3,000~3,500円くらいが落札相場だった。

原価2,370円よりはちょっと高いが、送料込みで手元に届く便利さを考えると悪くない。逆に元の価値より30%も高くネットオークションでさばけるなら、普通に購入してから残りを転売するのもありかと思った。

シーズン中、早いタイミングで18きっぷを使う用事があれば、通常購入して残りを売るのが一番リーズナブルだろう。逆にシーズン終盤でちょこっとだけ使いたいなら、たたき売り価格で必要な回数分だけバラで買うのが賢いといえる。

書留でもレターパックでもなく、送料をケチった普通郵便だったが、旅行前に問題なく18きっぷが届いた。JRの改札でも、普通に追加でスタンプを押してもらって使えた。

18きっぷ、魔の静岡区間

まともに働いていないので暦の感覚が曖昧なのだが、お盆最後の日曜日は電車がごったがえすようだ。東京から京都までの道中、座れた時間は半分くらいだった。

昨年から何度か鈍行で往復した東海道本線、小田原までは小田急線を使った方が早いのだが、18きっぷのJR縛りなので、わざわざ新宿まで遠回りしたり、八高線や相模線という地味な路線を使うことになる。

横浜から熱海までは快速アクティ―に乗れるとやや速い。また豊橋から岐阜の区間も快速が走っているのでまだましだ。問題は延々と続く魔の静岡県。3両編成の普通電車くらいしかなく、富士山や由比付近の海岸を過ぎると代わり映えのない田園風景を2時間くらい眺めることになる。

さすがに退屈なので新幹線ワープを試してみようか考えたが、モバイルSuicaからEX予約してもさすがに2千円はかかる。せっかく18きっぷで安く旅する意味がなくなるので、控えておいた。

そういえば退職してからこの2年、一度も新幹線に乗っていない。EX予約のパスワードも忘れてしまい、あやうくロックされそうになった。

トイレがない車両は致命的

静岡区間の車両はキャパが少ないので、繁忙期は通勤電車のようにすし詰めになる。さらに問題なのは、車両にトイレが付いていないことだ。駅での乗り換え時間は3~5分くらいとシビアな上、しびれを切らした乗客で駅のトイレはたいてい行列ができる。

用を足してダッシュで階段を下りても、次の電車に間に合うかぎりぎりのラインだ。ついに我慢できず富士駅でトイレに寄って1本乗り過ごしたら、30分以上待たされたこともある。

都心の電車ならトイレが付いていない方が普通だが、18きっぷの旅では死活問題になる。一度、トイレがないことにキレた乗客が、車掌さんに食って掛かるのを見たこともある。

対応していた職員さんには気の毒だが、「年寄りはトイレが近いんだ!」とか、よくわからないクレームで、まわりの乗客の失笑を買っていた。18きっぷの利用者には意外と高齢者も多いようだ。

鈍行は最後尾の車両が快適

何度か往復してわかってきたのは、18きっぷで鈍行を乗り継ぐなら最後尾の車両が快適という法則だ。車両内にトイレがあれば、設置されているのはたいてい最終車両なので近くて助かる。

また、中央付近の車両よりやや空いていて、座りやすいといえる。乗換の車両が短いと、端部のあふれた乗客が殺到するので混むこともあるが、平日月曜はおおむね全区間で座って休むことができた。

乗換アプリで検索すると、目的地への到着時間は同じだが、興津や島田という小さい駅で乗り換えをすすめられることがある。そのまま終点まで乗っても時間は変わらないといえ、あえて早めに下りて始発電車に乗ると、その後ずっと座っていられるメリットがあるようだ。

東京や京都を早朝に出発すると、たいてい静岡のどこかでお昼時になる。ランチにおすすめなのは、やはり豊橋駅だ。駅ナカに成城石井があるので、ここでロールパンの袋詰めや鯖寿司を買っておくのがおすすめだ。

同時に藤田屋でおやつの大あんまきを仕入れる。安いあずきから最高級の栗までいくつか味見したが、あんことチーズが組み合わせがなかなかいける。要加熱という感じだったのでまだ試していない天ぷらあんまきも気になる。

リッツカールトンのバーに潜入

フレンチのコース料理で京都の会合を済ませ、2次会はシナモ、3次会はいつものバーK6という流れになったが、23時近くですでに満席だった。

京都で深夜に飲むとすれば、たいてい候補に挙がる老舗のK6。隣にリッツカールトンがオープンして相乗効果なのか、ここ数年人気過ぎてなかなか入れない。階段を上った踊り場の、屋台みたいなところで立ち飲みさせられることもある。

ほかに行く当てがないので、ためしにリッツカールトンのバーに行ってみたらがら空きだった。普通に泊まれば一泊10万もするような高級ホテルなのに、鴨川沿いのエントランスはいたって控えめだ。中に入ると巨大地下施設になっていて、外観と中身のギャップがおもしろい。

ところどころ置かれたアート作品や天井の寄木細工が高そうだが、空間自体はコンパクトなので威圧感がない。以前ロビーのまわりを下見させてもらったことはあるが、中のバーを利用するのは初めてだ。

お酒はそれほど高くない

バーのインテリアは和風でなく、革張りのソファーや大理石のテーブルが置かれていたりする。一緒に来ていた建築家の友人からすると、天井の照明部分から空調の吹き出し口が見えていたり、案外安っぽい設計だという。

確かに壁の素材が革や大理石で一見豪華だが、ほかのスペースほど統一したコンセプトが感じられない。大仰なカウンター裏の間仕切りとか、80年代くらいのちょっと古いデザインに見えないこともない。あえてレトロな昭和風を狙ったインテリアなのだろうか。

テーブルチャージはなかったがサービス料を10数パーセント取られる。カクテル類は2,000円前後で思ったほど高くはない。女性メンバーにはピエール・エルメのホットチョコレートが好評だったが、さすがにこれ一杯で18きっぷ代に相当すると思うと気が引ける。

リッツカールトンの奥深くなので場所的に入りづらいが、コスパからすると穴場かもしれない。ただしラストオーダーが0時前と早かったので、やっと空きが出たK6の方で4次会という流れになった。

ナインアワーズに800円で泊まれた

18きっぷの格安旅行、短パンにサンダルでやってきたが、念のため仕事用のセットアップと革靴を持ってきてよかった。車内の汚いトイレでいそいそと着替え、リッツカールトンのバーでもそつなく振る舞うことができた。

3時ごろまで飲んで、四条寺町のナインアワーズまで歩きチェックイン。なぜかこの日はがらがらで、シャワールームは貸し切り状態、カプセルも同じフロアに3人くらいしかお客さんがいなかった。

日曜というのは一般的にホテルが安い曜日だが、お盆の後というのはピンポイントの閑散期なのだろうか。京都の9 hoursはオープンしてからもう10回くらい利用しているが、数日前に予約したら、史上最高に安い1,300円だった。

「平日限定割引プラン」とのことだが、さすがにここまで値段が下がったことはない。成田空港の店舗は常に4,000円以上して、どんどん高級化していると思っていた。しかも楽天トラベル経由の予約だと、謎のラクーポンというのを適用できてさらに500円引きになった。

税込合計800円…お盆の京都でこんなに安く泊まれるとは信じられない。事前連絡なしでチェックインが遅くなってしまったが、特に問題はなくロッカールームも広々と使えた。

試しに公式サイトで今週の予約をいくつか調べてみると、「7日前直前プラン!」2,300円のところ、楽天トラベルだとやはり1,300円。どうやらナインアワーズの直前予約は、楽天経由の方が大幅に安くなるようだ。このプランは公式サイトには出てこない。

格安ゲストハウスが増えすぎた京都

京都はドミトリーの格安ゲストハウスが乱立して、宿泊相場が急落しているのだろうか。9 hoursが東京や大阪に進出し始めたのは、京都だけだと利益が出ないからかもしれない。カプセルホテルは海外観光客にもうけそうなので、成田空港との組み合わせはナイスだ。

京都の店舗ががら空きだと存続が危ぶまれるが、デザイナーズカプセルホテルの先駆けとして、ぜひがんばってほしい。黒川紀章設計の世界初「カプセル・イン大阪」は、今でも泊まれる文化遺産といえるが、ナインアワーズ京都店も歴史に残る名作だと思う。