1泊100万「天空の森」ルーツの田島本館。250円で入れる妙見温泉の穴場

鹿児島の霧島エリアで最近話題になっている、1泊100万円尾温泉リゾート「天空の森」。帝国ホテルとかリッツ・カールトンとか高そうなホテルはいくつも思い浮かぶが、100万円となると別次元のサービスだろう。

高級路線の星野リゾートでもせいぜい数10万円。車でいえばベンツやフェラーリは軽く通り越して、ロールスロイスの特注品という位置づけだ。

公式ウェブサイトの閲覧にパスワードが必要で、場所も大雑把にしか明かされていない。家一棟というより、山ごと貸し切りに近いプレミアム感。そんな高値の花「天空の森」と同じ運営会社の系列で、近くに田島本館という老舗温泉宿がある。

ここの日帰り湯はわずか250円で入れるので、100万円サービスの片鱗くらいは体験できないかと思って行ってみた。

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「天空の森」経営者の出身旅館

「天空の森」経営者の田島健夫氏は、経歴を見ると田島本館の跡取りだったようである。もう一軒「雅叙園」という宿を運営しているが、こちらは目黒のホテルと同名でまぎらわしい。お値段も朝食・夕食付きで1人3万円弱からと、高級ランクである。

ルーツである田島本館は、同じく朝夕食付きでも7千円台から泊まれる。ウェブサイトの写真を見る限りは普通の地味な温泉宿という感じだ。インスタグラムにやたらと三毛猫の写真が出ていて、猫好きとしてはそそられる。

雅叙園と田島本館が位置するのは、有名な霧島温泉から錦江湾に向かって下った妙見(みょうけん)温泉というところ。鹿児島空港の裏手で、坂本龍馬が滞在した塩浸温泉も近くにある。

250円で入れる日帰り湯

天降川(あもりがわ)という川の両岸に、数軒宿がある程度の地味な湯治場だ。霧島温泉のような高層ホテルもなく、車で来るとちょっとした集落という感じで、そのまま通り過ぎてしまいそうになる。

橋を2本渡って回り込んだ先にあるのが田島本館。茅葺とか古民家とか凝ったつくりでなく、平屋の地味な建物だった。受付で聞くと、神経痛と胃腸/キズに効く温泉のどちらか選べるようだが、胃腸が弱っている気がするので後者を選んでみた。

わずか250円なので、当然タオルはついてこない。浴室に石鹸・シャンプーもなかった。手ぬぐいを持参して川沿いに下ると、RC造のピロティ―の端に温泉の入り口が見えてくる。

東京から来る常連さんも

狭いが脱衣所は清潔な感じで、半露天風呂といえる川沿いの温泉はこじんまりしている。この狭さで先客が2名いたので、雑談して情報収集ができた。どちらも常連さんで一人は地元の方、もう一人は東京から週末一泊遊びに来ているらしい。

鹿児島空港から妙見温泉までバスが出ているので、レンタカーも不要とのことだ。さすが慣れていらっしゃるようで、わざわざ関東圏から鹿児島でも霧島でもない妙見に一泊とは渋いチョイス。田島社長もときどき浴場にお見えになるようだ。

確かにジェットスターの格安航空が飛んでいるから、安い日を選べばトータル2万円くらいで1泊2食付きの温泉ツアーを楽しめる計算になる。熱海や草津に行くより、鹿児島の妙見温泉。渓谷のエクスクルーシブな感覚を味わうには、意外とリーズナブルな選択肢といえる。

1泊2食付きでも7千円くらい

2つ並んでいる「胃腸湯」と「きず湯」はどちらもほんのり香る透明度が高い温泉で、霧島ホテルの硫黄谷のように臭いはきつくなかった。適温なので、のんびりつかっていられる。川の眺めはことさら絶景というわけではなく、向かいの旅館からの視線も気になるが、せせらぎの音を聞きながら露店気分を味わえるのはなかなかよい。

奥の方に打たせ湯があるが、なぜかこちらは激熱で、頭皮の毛細胞が死滅しそうだった。

帰り際に本館の方を見ると、共有スペースは山小屋のような雰囲気で、囲炉裏もあっておもしろそうだった。食事つきで7千円くらいなら、今度は泊まりも込みで滞在してみてもいいかと思った。

新燃岳の噴火状況

ニュースで話題の新燃岳が噴火すると、一時的にこのくらい噴煙が上がるときがある。北の熊本方面、人吉盆地から撮影した写真がこれで、霧島付近の間近で見るとさすがに噴石でも飛んできそうな緊張感を覚える。

妙見温泉は霧島温泉よりずっと火口から遠いので、当面は営業的に問題ないだろう。常連さんの話では、数年前の噴火の方が、空震(くうしん)で窓ガラスが割れたり大変だったらしい。

天空の森は20年かけて地道に開墾してきたという息の長さ。霧島ホテルにある百年杉も、創業者の堀切武右衛門が治山のため江戸時代から植林してきたと伺った。このエリアは火山活動が活発で、霧島神宮も度々燃えたということだ。今回の噴火騒動に限らず、苦労の多い温泉事業だと思うが、ぜひ今後も格安料金で続けて行ってほしい。

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