SEO関連本レビュー、時代は「外部対策から内部対策へ」

最近のトレンドを押さえておこうと思い、SEO関連の本を2冊読んでみた。それぞれ簡単にレビューしておこう。

 『入門SEOに効くWebライティング』

入門SEOに効くWebライティング サイトの価値を高める正しいコンテンツの作り方 (Informatics & IDEA)

入門SEOに効くWebライティング サイトの価値を高める正しいコンテンツの作り方 (Informatics & IDEA)

宮嵜 幸志, 中島 健治, 石村 浩延
1,998円(05/25 16:01時点)
発売日: 2015/11/27
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Chapter3の執筆テクニックで、「常識とは逆に、こう書いた方がSEO効果大」というTipsが役に立った。

  • タイトルには狙ったキーワードを入れるが、詰め込み過ぎず、煽り過ぎないこと。
  • 見出しは簡潔にまとめるべきだが、具体的な数値(200g/日など)は入れた方がよい。
  • 「起承転結」はSEOに向かない。リード文で結論を出した方が検索エンジンに親切。
  • 「この、その」という指示代名詞は使わず、不自然でない程度にキーワードの名詞のまま書く。

あとは一般的な作文テクニックなので、ざっと目を通しておけば十分だろう。

また「思わずクリックしたくなるタイトルの付け方」というのがおもしろかった。最近よく見る(検索上位に出る)記事には、確かにこういうタイプの見出しが多い。

  • リスティクル
    (例)○○する5つのポイント、○○に役立つ7つのこと
  • 同調を誘うタイトル
    (例)かわいすぎる!カッコイイ!
  • 質問タイトル
    (例)○○はどう思いますか?どちらが好きですか?
  • 対象を絞ったタイトル
    (例)新人必見
  • 期待を煽るタイトル
    (例)死ぬまでに○○、全米震撼

あまりやり過ぎるとあざとい気もする。「○○はなぜ○○?」という新書タイトルのように、数年も経てば逆に古臭く感じてしまう予感もする。

『成果を出し続けるための王道SEO対策実践講座』

成果を出し続けるための 王道SEO対策 実践講座

成果を出し続けるための 王道SEO対策 実践講座

鈴木 良治
2,138円(05/25 16:01時点)
発売日: 2016/04/27
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Search Consoleを駆使したサイトの内部構造チェックや、Googleのペナルティ対策がメインの本。現在の検索エンジンのシェア率について「GoogleとYahoo!が90%だが、Bingも5%はあるので一応マイクロソフトのツールも使っておこう」という、重箱の隅をつつくような内容だった。

技術の進歩により、検索エンジンがコンテンツの中身を正確に評価できるようになってきた。そのため、最近は被リンクを集める外部対策より、ウェブサイトの内容で勝負する内部対策が重要であるらしい。

オリジナリティがあって利便性が高い”Contents is King”というのは、別にウェブ関連の話でなく、普遍的な文章術という気もする。

内部対策重視というのはすなわち、従来のトリッキーな(外部)SEO施策が不要になるということだろう。するともはやSEOという概念自体が不要になり、単に「読みやすく役に立つ文章を書こう」という話に帰着する。

「SEOの王道とは、SEOを意識しないことである」…逆説的だが、この本を読んでそんな気がしてきた。

SEO対策の共通事項

上記2冊のSEO関連本を読んで、以下の内容が共通していると思われた。

  • 初心者が陥りがちな過剰な装飾や、下手な検索エンジン対策をいましめる
  • 検索ロボット向けに、正しい論理構造のHTMLを書く
  • Search ConsoleやGoogle Analyticsなど、分析ツールの使い方紹介

結局、素人でも地道に価値ある記事を書いていれば、自然と検索順位も上がって報われる仕組みになってきたようだ。WordPressのような無料CMSツールの普及も相まって、ウェブ制作のハードルが下がり民主化が進んだのだろう。

SEOの主流は外部対策から内部対策へ

外部SEOに関して、15年くらい前はテキストと背景色を一緒にしてキーワードを隠したり、CSSで画面外にタグを飛ばす怪しげな裏技がもてはやされていた。これらのテクニックはGoogleのペナルティ対象として徐々にすたれていった経緯がある。

次第に「タイトルや見出しに適切なキーワードを含んでいて、構造的に無駄がないサイトが強い」といわれるようになり、HTMLの文法を重視するトレンドに変わってきた。今ではWordPressや便利なテーマがいろいろ公開されていて、特に意識しなくても構造的に正しいHTMLは実現できるようになった。

Movable Typeが主流だったときは、「いかにカスタムして他とかぶらないデザインにするか」に苦労したものだ。現在はテンプレートやテーマが多様化して中身もすぐれているので、スタイルシートだけいじれば最小の手間で差別化を図れる。

ある意味、WordPressを普通に使っていれば、SEO本に書いてある内部対策のテクニックは、すでに達成されているといえる。コーディングに悩まされず、本来の記事執筆に専念できるようになったという状況は歓迎したい。