格安スマホarrows Fit F-01H(M02)を使い倒してわかったメリット

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先日、手持ちのGalaxy S6 edgeの画面が割れたので、急遽代替機として中古の白ロムを購入したarrows F-01H。なぜか1万円前後の格安で手に入ったが、その後、妥当な相場の2万円弱に戻ってしまった。4月からの新学期・新年度にそなえて、中古スマホを買い求める人が増えているのかもしれない。

ここ数年はGalaxyシリーズを2世代使っていて、スマホといえばHTCやSamsungしか使ったことがなかったので、国産メーカーの製品を手にするのは初めてだ。F-01Hは必要十分な機能をそなえたミドルレンジの廉価機種という狙い通り、思った以上に使い勝手がよかった。

基本スペックや独自機能、充電スタンドやケースなど一通りそろえた備品についてレビューしてみたい。

カメラのHDR設定が毎回必要な以外は不満なし

画面サイズは5インチで解像度は1,280×720ピクセル。その前に使っていたS6 edgeが5.1インチで2,560×1,440画素とハイレベルだったので、どれだけ画面が見にくくなるか不安だったが文字の可読性はこのdpiでまったく問題なかった。電子書籍アプリのKindleやKoboで小さ目の文字サイズに設定しても、普通に読むのにストレスを感じない。

CPUやRAM容量はフラグシップ機に劣るので、アプリによっては起動や読み込みにS6 edgeの3倍以上かかるものもあったが、慣れればそれほど苦にならない。内蔵ストレージは16GBしかないが、外付けのmicroSDカードは128GBまで対応しているので、mp3を大量に持ち運ぶとか拡張性も問題ない。

カメラの性能はアウト側で810万画素。静止画は最大でも3,264×2,448サイズと上位機種に比べるとやや見劣りするが、風景や食べ物を撮ってブログやSNSにアップする程度の使い方なら支障はないだろう。以下はアスペクト比4:3の最大解像度で撮影したF-01Hカメラの写真。

撮影機能については一点だけ、HDR撮影をオンにしても、カメラアプリを再起動するごとにオフの設定に戻ってしまうのが不便だった。なぜこういう仕様になっているのか不明だが、店頭でほかのarrows機種を試しても同じ状態だったので、何らかのメーカー側の意図が感じられる。

富士通の独自機能でWiFIとLTE/3G回線を併用して通信高速化するマルチコネクションは、安定した室内環境ではさほど効果を感じなかったが、移動中などWiFiが切れやすい場所では有効そうだ。ただし、目に見えてモバイルデータの使用量が上がっていくので、格安SIMの安いプランでデータ量が潤沢でない人はオフにしておいた方がよいだろう。

なぞってコピーやキャプチャメモの独自機能

文字入力のSuper ATOK ULTIASは、そこまで使い込む時間がなかったが、予測変換は学習時間がなくてもそこそこ優秀だと感じだ。バックスペースの削除キーにALLやUndo機能が付いているのが地味によい。

画面側面をなぞって短縮メニューを呼び出す「スライドディスプレイ」機能でデフォルト設定されている「なぞってコピー」。ブラウザ上や電子書籍のテキストも認識できるのは素晴らしいが、指で水平になぞっても微妙に2行選ばれてしまって、後で文字編集が必要になってしまう。使いこなせれば便利かもしれないが、スマホでそこまで複雑なテキスト編集はしないと思うので自分には不要な機能だ。

同様にデフォルト設定されているキャプチャメモも楽しいのだが、普通に使う分にはEvernoteでメモするのでこれも必要ない。以前、Galaxy Note2を使っている時に同様のメモ機能があったが、ほかの人と情報をやり取りするときにキャプチャ画面にメモ書きするというのは、便利なようで意外と出番がなかった。簡単に済ませるならSNSで事足りるし、マニュアルなど詳細に伝えたい時は、PCを使ってイラレやパワポで編集しないと公式には使えない。

OSはAndroid6.0.1にアップデートできる

富士通の公式サイトに従って、OSはAndroid6.0.1にアップデートできた。ウェブサイトに記載の最新ビルド番号にするには、初期状態から2回のソフトウェアアップデートが必要なようだ。合計で1時間近くかかるので、充電しながら気長に放置しておくしかない。バッテリーの持ち時間はS6 edgeに比べると2倍くらい優秀だと感じる。

USBデバッグ許可できる開発者向けモードにするため、端末情報のビルド番号を連続タップする例の儀式を行う。間違ってAndroidバージョンのところをタップしていたら、おなじみの激むずミニゲームが起動した。Android5のときと同じ内容だが、背景のグラフィックが3Dになって、ビルとか山とかサボテンとかバリエーションが増えたように思う。難易度は相変わらずで3回も障害物をクリアできなかった。

背面の指紋認証ボタンと「タッチでON機能」が便利

会社を退職してからは、特にスマホ内に見られて困る秘密のデータはないので、画面ロックも認証もすべてオフにしている。本体背面についている「スマート指紋センサー」も使うことはないと思っていたが、センサー部分が電源ボタンを兼ねていて画面をオン/オフできることに気づいた。

GalaxyのシリーズはiPhoneのようにホームボタンがあるので、机の上に乗せた状態で画面を表示させるのが楽だが、arrowsやXperiaだといちいち本体側面をつかんでスイッチを押さないといけない。電源ボタン自体も微妙に小さく押しにくいので、ちらっとメールの受信を確認したいとか、時計だけ見たいというときにわずらわしさを感じていた。その点で、スマホを持った状態なら、握った人差し指で背面の指紋センサーボタンを押すと、電源ボタンと同じように画面を点けたり消したりできるので、これは便利な機能だ。

一方、画面に触れるだけで点灯/消灯できる「タッチでON」機能も設定次第で有効だった。デフォルト設定では、画面中央部分の広い面積に触れるだけでオンにできるので、机の上や充電スタンドに差した状態で操作するには便利だ。しかし、ズボンのポケットやカバンに入れた状態でも誤作動して点灯してしまうことがあるのがいただけない。

そこで、例えば画面左上の隅などに作動領域を狭くカスタム設定することで、誤作動の問題を回避することができる。iPhoneやGalaxyのように物理的に押せるハードウェアキーでないので、指で押してもいまいちうまく反応しないこともあるが、念のため設定しておいても悪くない機能だ。

楽天モバイル非対応のはずだがテザリングできる

楽天モバイルの動作確認済み端末リストでは、arrows Fitはテザリング不可となっている。確認OSがAndroid5.1のバージョンなので、6.0.1にアップデートしたのが原因かわからないが、なぜかF-01Hと楽天モバイルSIMの組み合わせでテザリングできることに気づいた。

一方、S6 edgeはOS ver.5でも6でもテザリングできないことに変わりはない。これまで出先のちょっとした用事でノートPCをネットにつなげたいときもあったが、利用頻度的に別途モバイルルーターを契約するほどではなかった。以前は自宅にLANを引かずWiMAXですべて済ませていたが、最近はギガ放題の高いプランでないと月間7GB制限になってしまうのがしゃくだ。

さいわい今は自室にLANが引かれているので、日常生活で通信回線に困ることはない。気分転換にカフェでノートPCを広げて作業するときなど、たまにテザリングできれば助かるくらいだ。SIMフリー機のM03/RM02は楽天モバイルで公式にテザリング可となっているので、背面のロゴと指紋認証以外に違いがないF-01Hがテザリングできても不思議はない。これはうれしい誤算だった。

後日調べたら、公式には非対応なはずのGalaxy S6 edgeでも、楽天モバイルでテザリングすることができた。

端子がキャップレスでないので卓上ホルダが必須

F-01Hはキャップレスの防水・防塵対応ではないので、microUSBの充電端子には邪魔なカバーが付いている。代わりに背面に充電端子があって、昔ながらの卓上ホルダで充電できるのでドコモの純正品を買い求めてみた。

本体の色は黒だが、スタンドは白しかバリエーションがない。一応、卓上ホルダ対応の端子部に穴の開いたケースを選んだが、ホルダの受け口はバネが付いていてサイズに多少の遊びがあるので、たいていのケースは問題なくフィットすると思う。

スタンドは机の上で場所を取るが、スマホを立てて収納できるのが便利だ。F-01H(M02)を使い込むなら、買っておいて損はない充電器だろう。スペック上は明記されていないが、F-01Hは急速充電対応だ。S6 edge用に急速充電のACアダプタは持っているのだが、卓上ホルダを仲介すると通常の充電モードになってしまうようなので、この点だけ注意が必要かと思う。

謎の格安LeoMAX、microSDカードは不良品で返品

128GBのmicroSDカードは5,000円くらいが相場だが、アマゾンにLeoMAXという聞きなれないメーカーの3,980円という格安品が出回っていたので購入してみた。

見た目は問題なかったが、初回スマホに差しただけでは認識されず、PC側でフォーマットが必要だった。その後数時間、問題なく使えているときもあったが、何度かスマホでマウントが外れて認識されなくなる問題が起こった。その度にフォーマットしたり試行錯誤したが、3回目のマウント解除以降はまったく認識されなくなってしまった。

さすがにこれは不良品か初期不良だろうと思ってアマゾンに返品して、次はもう少し高い東芝製のmicroSDカードを選んでみた。こちらはフォーマットも必要なくあっさり認識されて、その後数日使い込んでもまったく不具合が出ていない。

謎のLeoMAXは安いのがうれしく動作保証もついているが、個体差があるのか故障率が多いのか、F-01Hとは相性が悪かった。SD カードは偽造品も出回っているらしいので、返品の可能性や手間を考えると多少高くても名の通ったブランドを選んでおく方がよさそうだ。

アマゾンで期間限定99円だったケース&フィルム

現在は799円に戻ってしまったが、OVER’sのF-01H/M02兼用ケースをアマゾンで99円で購入できた。

画面保護フィルムもセットになっていて妙にお買い得だったが、ケースの品質や装着感はまったく問題なかった。背面カメラや指紋センサー部分、卓上ホルダ用の電源端子は丁寧にくり抜かれていて、ストラップ用の穴もちゃんと避けられている。厚すぎず薄すぎず、適度な強度のポリカーボネート素材という感じだ。

値段のわりに満足度の高いケースだったが、実はその後スマホを落としてあっけなく画面が割れてしまったので、フィルムだけは少々高いが高硬度のガラスフィルムを貼っておいた方がよいかもしれない。F-01Hの売りである「MILスペック準拠」というのは、あまりあてにならないものだ。