かくてもあられけるよ

セミリタイアしてシェアハウスで暮らすノマドなミニマリストの株主優待日記

新宿VR ZONE一人体験記~エヴァやマリオよりすごかった○○

新しいアトラクションができたと聞けば、USJでもハウステンボスでも男一人で遊びに行くほどのVR好き。実は20年前からオリンパスのアイトレックをVHSデッキにつないで映画を観ていた、根っからのバーチャル野郎だ。といっても最近はお金がなくて家も狭いので、OculusやPSVRなど本格VRの波に乗れず、段ボールのハコスコで遊んでいる程度だが。

ソニーのHMDはグラストロンを経てHMZシリーズで解像度が大幅アップし、PSVRでプレステから出力できるようになった。Google Glassはどこかに行ってしまったが、同じシースルー型のセイコーエプソンMOVEIROシリーズで出張移動中に動画鑑賞するのも楽しい。

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VRゲームを試してみたいが、Oculus/Viveだとゲーム用のハイエンドPCも合わせて30万円くらいの投資が必要になる。PlayStation VRなら本体とHMD合わせて10万以下で済むが、PCなら仕事用にも兼用できて自分でVRアプリも作れるので、悩ましいところである。

PlayStation VR PlayStation Camera同梱版

PlayStation VR PlayStation Camera同梱版

 

スペックはやや劣るが、ケーブル接続が必要ないモバイル型のGear VRやDaydreamも便利だ。来年にかけて200ドルくらいで発売されるといわれている、スタンドアロン型のVRヘッドセットに期待したい。

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新宿VR ZONEは一人で行っても大丈夫

VIVEのセンサ類をぶら下げて、家の中にホームシアタならぬVRルームを仕立てるのは夢だが、狭いシェアハウスの一室では動けるエリアが限られている。数年前のGeForce GTXを積んだそこそこスペックのいいPCもあるが、HMDに5~10万投資するなら、最新のBattlefieldや拡張パックを買った方が楽しめそうだ。

現状ではまだ人柱という感覚が否めないVRデバイス…家に置くほどではないが、クオリティの高いコンテンツをちょっと体験してみたい。そんな願いをかなえる夢の施設が新宿にオープンした。進撃の巨人展とか仮設でない、VRに特化した常設展示のテーマパークだ。これからはUSJや富士急に行かなくても、ライドと一体化したアトラクション型のVRを都心で楽しめるようになる。

夏休みに入ってテレビでも紹介され、口コミで評判が広まってきているVR ZONE SHINJUKU。7/14のオープンから少し経った平日の午前中に行ってみた。

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これまでの経験上、チームプレーが必須な脱出ゲームや平日の遊園地に一人で行くと気まずい思いをするが、VR ZONEではオタクか業界人か、男性の一人客もちらほら見かけた。カップルや若者グループにおっさんが混ざって遊んでいると浮くのは必至だが、ゴーグルをかぶれば気にならない。 

1day4チケットでちょうどよい

チケットは税込4,400円の1day4チケットをネットで買っておくのがわかりやすい。入場券の他、4枚のチケットで各色3つから1つのアトラクションしか選べないのだが、無料展示も含めて2時間くらい遊べるのでこれでお腹いっぱいだろう。

今回、各色から選んだアトラクションは以下の4つ。

  • RED:恐竜サバイバル体験~絶望ジャングル
  • BLUE:エヴァンゲリオンVR~The 魂の座
  • YELLOW:マリオカート~アーケードグランプリVR
  • GREEN:急滑降体験機スキーロデオ

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ほかに無料でPSVRのサマーレッスンとFPSゲームのFRONT DEFFENSEをお試し体験できる。攻殻機動隊のVRは8月公開予定。ナイアガラドロップとトラップクライミングはまったくVRとは関係ない肉体派のアトラクションなので、スルーして差支えない。

VR ZONEのチケット空き状況

この日は窓口で当日券も販売していた。先にネットで買ったとしても特に割り引きが効くわけではないので、都合がついたらふらっと寄って当日券を買う作戦でもよさそうだ。

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チケットは一部品薄な時間帯もあるが、19時台までなら当日でも購入可能だった。20時以降は仕事帰りに寄る人が多いのか、すでに売り切れになっていた。

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1day4チケットとは別に、1,000円のエクスプレスチケットも発売されている。午前中はがらがらだったが、昼過ぎから30~45分の行列ができるアトラクションも出てきたので、並ぶ時間が惜しければ購入するのもありだ。「割高なエクスプレス券を買わなければまともに楽しめない」USJ商法に乗せられたくない人は、平日10時のオープンに駆け込むのが得策だろう。

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ボルダリングとフリーフォールは素通り

入口を入ってすぐのホールに、プロジェクションマッピングされたオブジェとスクリーンが用意されている。壁の光っているところを触ると反応して模様が出る演出で、待ち合わせのときには多少の暇つぶしになるだろう。

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プロジェクター投影されたトラップクライミングは、ところどころ空気が吹き出す罠が仕掛けられているそうだ。色分けされたホールドの配置を見ると、上級コースはかなり難易度が高そうに見える。

ナイアガラドロップの方は、ハンドルをつかんで斜面に沿って落ちるものらしい。生身で楽しむフリーフォールとスプラッシュマウンテンという感じで、VRに疲れたらこれで体をほぐすのとよさそうだ。

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飲食コーナーの奥に、砂浜にプロジェクター投影されたチームラボっぽいインタラクティブな展示があったが、リアルな砂で足元が汚れそうだったので入るのは遠慮しておいた。

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ボルダリングとナイアガラを体験するには、入場券プラス各1,000円のチケット購入が必要。ほかにキャンプっぽい雰囲気のレストランもある。VR ZONE内の飲食店は、ディズニーのトゥモローランドとか、イケアのスウェーデン国旗色ケーキみたいな化学的で体に悪そうなメニューをイメージしていたが意外だった。

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VRユーザとアウトドアスポーツの顧客層がかぶるとは思えないが、VRだけだと男臭くなりすぎるので、女の子向けに申し訳程度のおしゃれテイストを加えたのだろう。 

エヴァはやり込み要素あり

2階に上がると通路に沿って各種のVRライドがぎっしり並んでいる。思ったより台数が多く、意外とキャパもある印象だ。平日朝一ならどのアトラクションも行列なしで一番乗りできる。

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最初に体験したのはエヴァンゲリオン。コックピットがLCLで満たされる瞬間は思わず息を止めそうになったが、ジオフロントからの発進シーンは思ったほどの迫力ではなかった。上昇するのではなく、下に落ちていくようなエフェクトの方が、VR的には臨場感を味わえるのだろう。

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見知らぬ者同士の3人チームで取り組んだが、いまいちルールがわからず敗退して使徒に喰われる羽目になった。ランダムに補給される武器が運次第で、通常装備のライフルではATフィールドに歯が立たないようだ。もう一度やるならN2ミサイルが出るまで武器選びに専念したい。

運動神経悪くても楽しめるスキーロデオ

続いてやってみたのはGREENチケットのスキーロデオ。山頂でスタートを待つシーンはものすごく緊張感があるが、実際滑り始めると急勾配のわりにはさほど刺激を感じない。難易度は緩めで足元のスキー板も的確に反応するので、落ち着いてプレイすれば障害物に当たらずに下れるだろう。

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途中の崖は予測できないので初挑戦なら確実に落ちる。2回落ちたが、近くから再スタートしてゴールまで辿り着いた。同じグループ内で制限時間内にゴールできたのは自分だけだったようだ。スキーは下手だがVRなら滑れる自信がついた。

四方八方から恐竜に喰われる罰ゲーム

スキーロデオに似た感じだが、セグウェイのような乗り物で移動する恐竜ゲームを選んでみた。「恐怖!人間踊り喰い!!」のポスターはアホっぽいが一番インパクトがある。

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ヘッドライト以外は明かりがなく、暗闇の草むらを闇雲に進んでいくと、徐々に恐竜が増えてくる。手元のスイッチでライトを消して手探りで進んでいくが、意外と複雑な迷路になっていて先に進んでいる手ごたえがない。一瞬ライトをつけて周りを確認しようと思ったら、すぐに恐竜が襲ってきてかじられた。

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乗り物のバッテリーが切れるとゲームオーバー。あとはエヴァのラストと同じく、恐竜になぶり殺されるのをVRで眺めるだけである。進撃の巨人VRでも食べられそうになるシーンがあったが、「下に落ちる」「巨人に喰われる」はVRの定番ネタであるらしい。

表のモニターに各ユーザの現在位置が表示されており、終了後に見ると自分が一番ゴール近くまで進めていたようだ。どのアトラクションも難易度高めだが、VR慣れしているとデバイスの違和感を気にせずゲームに集中できるので、スコアが上がるかもしれない。

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マリオカートはぶっちりぎりで優勝

最後に一番人気のマリオカートに挑戦してみた。4グループほど並んでいたが、ブースも複数あるので10分くらいの待ち時間で済んだ。

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マリオカートでは両手のグローブにトラッカーをつけて、アイテムを拾ったりするようだ。途中にぶら下がっているバナナの皮や亀の甲羅はゲットできたが、リリースするタイミングが難しくいまいち使いこなせなかった。アイテムは気にせずハンドル操作に専念していたら1位でゴールできた。

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一緒にプレイしていた子供たちや高校生カップルを完膚なきまで叩きのめして大人げない気もしたが、VRとなれば本気を出さざるを得ない。どのゲームも他の参加者とインカムで通信できたりコミュニケーションを取れる機能はあったが、チームプレーを発揮する前にわけもわからず終わってしまうのが関の山だろう。中には通い詰めて究めるゲーマーもいるかもしれなず、VR ZONEの年間パスは需要がありそうに思った。

王道FPSのFRONT DEFFENSEを無料体験

主要なアトラクションはすべて2階にあるが、1階の奥の方にいくつか無料でVRを体験できるコーナーがある。それぞれゲームの宣伝なのだが結構長い時間遊ばせてくれるので、空いているタイミングがあれば、さくっと試してみるのがおすすめだ。

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FRONT DEFENSEはHTC VIVEのコントローラーを両手に握って、襲ってくる兵士や戦車を撃退するFPSゲームである。手元の小型コントローラーでは本当に突撃銃やロケットランチャーを持っているという実感は得られないが、「握る/離す」という動作の反応はよく、慣れるとそれなりにおもしろい。

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遠距離の射撃は手が震えてなかなか当たらないが、手榴弾を拾って投げると結構敵を倒せた。障害物に隠れるとか、足元の弾倉をつかんで交換する動作はリアルにしゃがまないといけないので、いい運動になる。

PSVRサマーレッスンのクオリティに涙した

PSVRのコーナーではサマーレッスンを体験できる。展示会ではいつも行列なので、このゲームをじっくり体験するのは実は初めてだ。導入部は椅子に座って話を聞いているパートが長いが、最初のカフェのシーンでCGの完成度に目を見張った。

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さすがソニー肝入りのVRコンテンツ、他のアトラクションに比べてシーンの作り込みが半端ではない。テーブルの上のポットの鏡面反射とか壁のペンキの禿げ具合とか、HMDの広い視野角と合わさって実際に触ってみたくなるようなリアリティを感じた。天板のニスが反射して光るのだが、よく見るとコップの輪染みまで表現されている。

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VRもここまで来たかと、ついHMDの中で涙がこぼれてしまった。正直、今日体験したどのアトラクションよりも、サマーレッスンのCGのクオリティに一番感動した。これを家で思う存分楽しむためには、機材一式に数万円投資しても悪くないと思わせる何かがある。

【PS4】サマーレッスン:宮本ひかり コレクション (VR専用)

【PS4】サマーレッスン:宮本ひかり コレクション (VR専用)

 

建物に比べると、美少女キャラの造形やアニメーションはまだぎこちなかった。今後もテクスチャの表現やモーションキャプチャの技術は向上していくと思うが、ヒューマノイドロボットと同じでCGキャラが不気味の谷を越えるほど見分けがつかなくなるのは、まだだいぶ先の話になりそうだ。

世界初VR専門テーマパークの運用コスト

VR ZONEの機材はすべてHTC VIVEで、クレジット表示を見るとUnreal Engineで開発されたコンテンツが多かった。各アトラクションで複数グループが同時体験できるよう、ブースもいくつか用意されており、エヴァなら4人×4コマで16台もVRデバイスが用意されている。

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全館で予備も含めて100台以上のVIVEが配備されているとすると、普通に考えると機材代だけで3,000万円くらいかかっているはずだ。それでもVRはコンテンツの差し替えができるので、USJのXRライドのように同じ機材で何度も回せば、箱モノより効率よく稼げるのかもしれない。VIVEやゲームの宣伝にもなっていてパンフも配っていたので、機材類はHTCから無償提供されていてもおかしくない。

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ここまでHMDを揃えたアトラクションは、2005年の愛知万博日立グループ館、大阪のUSJに続いて、東京では初めてだろう。一対一の対応が必要なので、相当数のスタッフ雇用でランニングコストはかさむに違いない。今回のVRブームもいつまで続くかわからいが、バンダイナムコにはできるだけ長く運営していってほしい。

ジョイポリスのCAVEを思い出した

VR ZONEはある意味、巨大なゲームセンターだ。テーマパークとしてはお台場のジョイポリスに近い。

2003年頃、ジョイポリスでCAVEという投影型のVR装置を体験したことがある。コンテンツはホラー型の迷路探検で内容はいまいちだったが、さすがに維持費が高いのか廃止されてしまった。当時は大学の研究施設くらいにしかない大がかりなVRシステムだったので、入場料は高かったが貴重な体験だった。

あれから14年経って、HMD型のVRがこんな形で普及するとは思わなかった。VRは基本的に一人用で「家で楽しむもの」という固定概念があったが、VR ZONEのアトラクションはいずれもマルチプレー、一緒に来た友達と楽しめるように工夫されている。

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「VRに興味はあるが10万円も払って自分で買うほどではない。数千円払ってテーマパークで非日常的に楽しむくらいがちょうどいい」。そういう微妙なニーズを捉えた仮想現実テーマパーク。VR ZONEの成否はVR産業の今後を占う試金石になるだろう。